Vol.1 ― 放送終了「太陽がいっぱい」ユン・ゲサン&ハン・ジヘが視聴者を掴めなかった理由

TVREPORT |

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
会社員のAさんは月曜日の夜10時にテレビをつけた。ユン・ゲサンとハン・ジヘが出演するドラマ「太陽がいっぱい」が放送中だ。有名な俳優が大勢出演し、映像が美しかったため見ることにした。殺人の濡れ衣を着せられた一人の男の復讐を描いたというが、見ていると面白みがない。リモコンを手にし、チャンネルを変えてみた。他のチャンネルでは「奇皇后」「神様がくれた14日間」「密会」という3本のドラマがそれぞれの魅力で誘惑している。何を見るかはまだ決めていないが、とりあえず「太陽がいっぱい」は見ないことにした。

KBS 2TV月火ドラマ「太陽がいっぱい」(脚本:ホ・ソンへ、演出:ペ・ギョンス)は同じ時間帯に放送される他のドラマとの競争から徹底的に排除された。俳優、台本、演出力など、どの面においても物足りなさはなかったが、視聴者を虜にする“魅力”がなかった。そのため、放送中ずっと2~3%台の視聴率を記録し続け、地上波ドラマとしてのプライドを傷つけることとなった。しかし、何の理由もなくこの視聴率が出たわけではない。視聴者を掴めなかった理由は確かにあった。

「奇皇后」「神様がくれた14日間」という高い壁…裏番組の問題

「太陽がいっぱい」の視聴率が振るわなかった最も大きな理由は、同じ時間帯に放送される他のドラマにある。特にMBCで放送中の「奇皇后」という壁は乗り越えることが困難だった。「太陽がいっぱい」よりも先にスタートしたため、固定視聴者を奪ってくるのは至難の業だった。もちろん、新しいドラマの面白さによっては一部の視聴者を奪ってくることも可能だが、「太陽がいっぱい」にはそのような力がなかった。「奇皇后」も復讐劇だ。登場人物は復讐の刃で相手を狙い、激しい対立で緊張感を高めた。

ハ・ジウォンは劇中、高麗出身で元の国を37年間にわたって統治した後の奇皇后、キ・スンニャン役を務め、熱演を披露している。「奇皇后」が熱い反響を呼んでいることには、助演俳優たちも一役買っている。他にもドラマのヒットの要因として欠かせないのが演出力だ。イ・ソンジュン監督は「メイクイーン」「太陽を抱く月」「チャクペ~相棒~」などのドラマを見事に演出した経歴の持ち主だ。

元の国に送られた高麗出身の貢女から権力の中心に浮上した奇皇后に関する史料をモチーフにして構成された興味深いストーリーは「奇皇后」の主な視聴ポイントである。歴史を歪曲しているという議論もあるが、様々な要素がこのような議論も覆ってしまうほど魅力的だ。さらに「太陽がいっぱい」の後にスタートしたSBS「神様がくれた14日間」も緻密な構成の演出力やチョ・スンウ、イ・ボヨンの出演で話題を集めた。視聴者の関心を引きつけるのも当然だった。

地上波だけでなく、総合編成チャンネルからも圧力がかかった。キム・ヒエ、ユ・アイン主演のJTBC「密会」は「太陽がいっぱい」よりも高い視聴率を記録し、屈辱を与えた。「太陽がいっぱい」は3本のドラマの脅威により、きちんと背筋を伸ばすことすらできなかった。

ユン・ゲサン&ハン・ジヘの相性が物足りなかった

写真=TVレポート DB
ドラマでは男女主人公のロマンスが欠かせない。二人の相性がどれだけ良いかによって勝敗が決まる。そのため、演出陣は制作の初期段階から悩みに悩んで男女主人公をキャスティングする。今年放送されたドラマの中で最高の相性を誇ったカップルはチョン・ジヒョンとキム・スヒョンであった。二人は7歳の年の差を乗り越え、最高の相性を見せつけた。年上女性と年下男性カップルの魅力を植え付けるに十分だった。

このように男女主人公の相性はドラマの責任を担っていると言っても過言ではない。しかし「太陽がいっぱい」でハン・ジヘとユン・ゲサンの相性はどこか物足りないように見えた。ハン・ジヘが既婚で、ユン・ゲサンがイ・ハニと交際中という事実があるためではない。ハン・ジヘとユン・ゲサンは画面にツーショットで映されても恋人同士には思えなかった。一言で言えば、お似合いではなかったということだ。最終話でチョン・セロ(ユン・ゲサン)とハン・ヨンウォン(ハン・ジヘ)は3年の月日が経った後に再会し、ハッピーエンドを迎えた。

ドラマ評論家のコン・ヒジョン氏は「ユン・ゲサン、ハン・ジヘは二人ともベテランの役者だ。しかし、今回のドラマでの演技は80点だ」とし、「ユン・ゲサンは復讐にとらわれた男を演じるも、その旨味が活かされていなかった。ハン・ジヘはこれまで多くのドラマで熱演したが、今回のドラマでは多少役に入り込めていないように見えた」と指摘した。

記者 : キム・ボラ