日本?アメリカ?いや、中国だ!K-POPが路線変更

OSEN |

K-POPの未来は中国にあるのだろうか?

K-POPが韓国市場の次に重視する主なターゲットが日本、アメリカを経て中国に向かっている。以前からじわじわと中国市場進出を準備してきた大手芸能事務所を先頭に、現在は中小芸能事務所も中国進出のための戦略を練っている。飽和状態になったと判断される日本、可能性はあるが限界も見えるアメリカに比べて、中国は限りない発展の可能性を持つ市場として脚光を浴びているという。中国市場の専門家を確保するために各芸能事務所の動きも素早くなってきている。

ロイヤルティの高いファン、相当な見返り

中国は一度人気を得るとかなり長く愛され続ける市場と言われている。人気の浮き沈みが激しい歌手たちにとって、このような中国ファンの特徴は非常に魅力的だ。国土が広いだけに、全国的なスターになるためには長い時間と資金を投資する必要があるが、一度人気が出ればそれに対する見返りも相当なレベルだ。中国で一度スターになった芸能人がなかなか活動の場を韓国に移せないことも、このような理由からである。あるアイドルグループの関係者は「10年前に人気を集めたアイドルグループのメンバーたちが依然として中国で熱烈な歓迎を受けている。最近の韓国のトレンドとはあまり関わりなく、このようなロイヤルティを見せてくれる唯一の場所だ」と説明した。

また、待遇も非常に良い。日本がアーティストを手厚く待遇し、依然としてテレビ局の力が強い韓国での待遇に慣れている歌手たちを感動させることに対し、中国は出演料の桁が違う。最近、中国ではエンターテインメント業界への関心が急激に高まり、大規模な資本を基にコンテンツに対する見返りが非常に良いという。ある音楽関係者は「スター級のタレントはテレビに一度出演するだけで1億ウォン(約960万円)単位のギャラがもらえる。歌手の出演料が非常に低い韓国の番組とは全く違う」と明かした。

K-POP、誰もが中国進出

大手芸能事務所は中国進出を“必須”と考えている。SMエンターテインメント(以下SM)、YGエンターテインメント(以下YG)、JYPエンターテインメント(以下JYP)、FNCエンターテインメント(以下FNC)などの大手は全て中国に支社を設立している。海外業務チームはもちろん、広報チームなど、韓国の職員たちが中国語を学んでいる光景は珍しくない。中国市場に一番最初に目をつけたSMは、かつてSUPER JUNIORに中国人メンバーのハンギョンを入れた中国ユニットを発足させ、中国で高い人気を得た。EXOの場合は中国人メンバーで構成されたEXO-Mを一緒に活動させているだけあって、韓国と中国の両国で人気を得ている。

アメリカ進出に乗り出したYGは、中国進出にも積極的だ。香港にYG ASIAを設立したYGは、子会社としてYG北京を設立し、これを通じて中国で大々的なオーディションを開催する予定だ。最近Kプラスなど、モデルエージェンシーに投資を行ったことも、今後ブランド品市場のメッカとなる中国市場の攻略を念頭に置いたものと見られる。

JYPも中国人メンバーを含むmiss Aを先頭に中国での活動を並行させている。miss Aは「中国は非常に広い地域でプロモーションを沢山しなければならないため、すぐに反応が出るわけではないが、少しずつファンが増えている様子だ」と語った。また、CUBEエンターテインメントも中国でのアイドルのプロデュースに参加して中国市場の反応を見ており、FNCも最近中国に支社を設立した。


中国進出は容易ではない。想像以上に高いコスト

しかし、音楽業界では中国進出は容易ではないと見ている。想像以上に定着することが難しいためだ。一度人気が出れば“義理”を貫くが、そこまで辿り着くのにほかの国よりもはるかに道が長いという見解だ。

最近、中国では韓国歌手のライブが上手くいかないという噂が音楽業界に広まっている。コンサートを開催したものの、予想よりも成績が振るわなかったある音楽関係者は「ただ韓国で人気が高いというだけですぐに進出できる市場ではなかった。より長く現地に滞在し、ファンとのふれあいがあってこそ中国進出に成功できると判断している」と明かした。中国市場を諦めることはできないだけに、今後は中国での活動を増やす方針だ。

また、違法コピーは誰もが悩む問題だ。アーティスト関連商品のコピー製品が堂々と売られているが、規制は難しい。そのための対策にも苦心している。YGはファンが正規品をより簡単に購入できるように「YGE-SHOP CHINA」を設立し、対策を講じた。

ビジネスパートナーを探すことも容易ではない。本格進出を控え、市場調査を行っているある音楽事務所の関係者は「実際、中小芸能事務所はSM、YGなど大型芸能事務所が先に参入するのを見ながら慎重に動く戦略を取るしかない。そのため、今、市場調査をして動く段階だ」とし、「中国は10回詐欺に遭って11回目で成功する市場だと言われている。信じて一緒に働ける中国のパートナーを探すことが容易ではないので、ずっと計画が遅れている」と明かした。以前コンサートを開催した関係者も「パートナーに問題があれば様々な制約が重なり、絶対にコンサートを成功させられない構造だ。始めにやるべきことは信頼できるパートナーを探すことだ」と語った。

記者 : イ・ヘリン