東方神起「Something」音楽番組のカメラワークを徹底比較分析

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パフォーマンスがアイドルの花だとすれば、それを効果的に映し出すカメラワークは音楽番組の花である。アイドルがカムバックする度にポイントとなる振り付けが常に注目され、パフォーマンスはもはや必須となった。特異で目を引く振り付けは、歌そのものよりも人気を集めることもあるため、彼らのパフォーマンスを映すカメラワークは音楽番組の中で最も重要な部分であると言える。音楽番組は歌手の華麗なステージを見ることができる最も身近な窓口であるため、そのカメラワークによって歌手たちが用意したパフォーマンスの効果は倍増、又は半減したりする。どの音楽番組がアイドルたちの音楽に花を咲かせたのだろうか?10asiaカメラマンでは毎週一組のグループを選定し、そのグループのポイントになっている振り付けを通して音楽番組のカメラワークを比較する。

東方神起が7枚目のフルアルバム「TENSE」でカムバックした。2014年元日にミュージックビデオを公開し、これに続き3日、KBS 2TV「ミュージックバンク」を皮切りにタイトル曲「Something」のパフォーマンスを披露した東方神起は、6日にアルバムの音源を公開し、“ステージ先行、音源後続”という戦略を実践した。それだけに東方神起には完成度の高いパフォーマンスと音楽に対する自信が表れていた。7枚目のアルバムのタイトル曲「Something」は東方神起がまだ試したことのなかったスウィングジャンルの曲だ。聞き慣れた楽しい楽曲のため、パフォーマンスも軽快で楽しいものとなっている。特にロープを使ったパフォーマンスの華麗でダイナミックなステージは目立っていた。今回の「Something」のステージでのシンボルは、ロープを活用した“ロープパフォーマンス”だ。東方神起はロープを弦楽器に見立てて弾いているかのような動きをしたり、ボクシングのリングを作ったり、糸につられたマリオネットを表現するなど、完成度が高く難易度の高いロープパフォーマンスを披露した。そこにデビュー11年目を迎えた彼らのベテランの表情が加わった自信に満ちた東方神起の「Something」のステージ、果たしてどの音楽番組が一番効果的に捉えることができたのだろうか?


1.総評
「ショー 音楽中心」>「人気歌謡」>「ミュージックバンク」

「Something」は各音楽番組の事前収録の良い点が引き立ったステージだった。各番組ごとに用意された豪華なステージセット、そして事前収録と編集によって映像に命が吹き込まれ、光を放った。その中でも特にMBC「ショー 音楽中心」のカメラワークが際立っていた。「ショー 音楽中心」では「Something」の前半部分を1台のカメラを使ってロングテイクで撮影したため、まるでミュージカルや映画のワンシーンを見ているかのような雰囲気を醸し出した。「Burn like Fire」という歌詞の部分では、東方神起の指先に火が付く特殊効果まで取り入れた。チャンミンが手でカメラを覆い、画面が切り替わってユンホが登場する効果も素晴らしかった。二番目はSBS「人気歌謡」だ。「人気歌謡」は無数のカメラが導入されていることが分かるほど、後姿、サイド、天井など多様でダイナミックなカメラアングルを披露した。ミュージックビデオを凌駕するほどの豪華なステージセットも一級であった。しかし多様なカメラワークはかえって目眩を起こさせ、それが惜しい点となった。最後はKBS 2TV「ミュージックバンク」だ。「ミュージックバンク」もミュージックビデオを再現したステージセットやモノクロ画面への切り替えなどの華やかさを見せたが、いくつかのカメラワークで惜しい点があった。特に足を持ち上げるシーンではユンホとチャンミンの息の合った繊細な動きを捉えなければならなかったが、ずっと1人だけをアップで映している部分が多かった。


2.パフォーマンスの要、ロープダンス
「人気歌謡」>「ショー 音楽中心」>「ミュージックバンク」

地上波3局の音楽番組は、「Something」の開始を知らせるパフォーマンスの要であるロープダンスを全て上手く収めることができた。チャンミンとユンホが順番に弦楽器を演奏するかのようにロープを弾き、ハイタッチをする瞬間も全て的確なアップとフルショットで捉えた。しかし、ロープダンスの中でユンホが人差し指を口に当てるポーズ、チャンミンが弦を演奏する前に「Watch out」と言いながら指をあてる動作、“Yeah”と合いの手を入れるユンホの表情など、隠れている細かい瞬間がたくさんあるが、「人気歌謡」はこの全ての瞬間を捉える繊細なカメラワークを見せた。「ショー 音楽中心」はワンテイク形式で独特の躍動感を生かし、目立っていたが、その代わりにユンホの人差し指を口に当てる動作と“Yeah”を捉えることは出来なかった。そして「ミュージックバンク」は無難なカメラワークを見せた。


3.一糸乱れずボクシングのリングを作る
「ショー 音楽中心」>「人気歌謡」>「ミュージックバンク」

ロープを使ってボクシングのリングを作るパフォーマンスも「Something」の重要なシーンだ。東方神起のパフォーマンスが素晴らしい理由は、一歩間違えれば大変なことなるアクションを、洗練された振り付けで披露しているからだ。特にボクシングのリングを作る振り付けは画期的だった。ダンサーたちは一糸乱れぬ動きを見せ、踊りながらロープを活用する。ここにチャンミンの歌とコーチに変身するユンホの姿、そして女性ダンサーと男性ダンサーたちが披露するコントのようなパフォーマンスも目を引く。そのため、このシーンではボクシングのリングをカメラに捉えるだけではなく、ダンサーたちの動きも捉えなければならない。残念ながら全ての瞬間を完璧に捉えられた音楽番組はなかった。「ショー 音楽中心」はリングを捉えながら同時にコーチに変身したユンホとボクサーの動作、パンチを繰り出すダンサーたちを少しずつ画面に捉えた。「人気歌謡」は斬新なカメラアングルとパンチを受けて倒れるダンサーたちをアップで映すなど繊細な動きを捉えたが、コーチになったユンホが画面に映らなかったため、映像を完成させることはできなかった。「ミュージックバンク」はダンサーたちのボクシングシーンを最初から映さなかった。


4.ユンホのような人形?マリオネット振り付け
「ショー 音楽中心」>「人気歌謡」>「ミュージックバンク」

ダンサーたちがロープをユンホの身体に巻きつけてマリオネットのように操る振り付けも名場面の一つだ。リズムに合わせて変化するユンホの動きとダンサーたちがぴったり合った呼吸は一級だ。「ショー 音楽中心」と「人気歌謡」は両者ともこの振り付けを上手く捉えたが、固定したアングルを維持した「ショー 音楽中心」はリズムに合わせて変化するマリオネットの振り付けをダイナミックに捉え、これに反して華やかで多様なアングルを取り入れた「人気歌謡」は、リズムが変わる度にアングルを切り替え、糸で操る腕までアップで映し躍動感は十分であったが、これは人によって好みが分かれる部分だ。ところで、「ミュージックバンク」はユンホのセクシーな足が気に入ったのだろうか?

記者 : パク・スジョン、写真提供 : KBS 2TV・MBC・SBS、翻訳 : チェ・ユンジョン