ホン姉妹&キム・ウンスク&イム・ソンハン&イ・ウジョン…2013スター作家の成績表

OSEN |

2013年の放送業界ではスター脚本家の活躍が著しかったが、それと同時に明暗が分かれた。視聴率、視聴者の反応、業界的な評価、ファンの有無などを総合して、彼らの成果を評価してみよう。彼らは進化しただろうか、退化しただろうか。

ホン姉妹&キム・ウンスク…自己複製の中の進化

状況にぴったりな台詞で有名なホン姉妹(ホン・ジョンウン、ホン・ミラン)脚本家とキム・ウンスク脚本家は高視聴率を獲得し、独自のスタイルを固めながらも、新しい領域を少し拡張させた。

ホン姉妹とキム・ウンスクは韓国ドラマで“ラブコメ”ジャンルを代表する脚本家たちだ。明るく、面白く、個性的な雰囲気の中でハッピーエンドに向かって進む、独自の方式がある。

ホン姉妹はSBS「主君の太陽」で前作のKBS 2TV「ビッグ~愛は奇跡<ミラクル>~」(以下「ビッグ」)の不振を振り払った。「ビッグ」はホン姉妹のスタイルと呼ぶにはどこかもの足りず、視聴率も振るわなかったが、「主君の太陽」は最終回が21.8%(以下、ニールセン・コリア)を記録し、お茶の間で“魔の壁”と呼ばれている20%の壁を超え、成功を収めた。

ラブコメとホラーを混ぜたジャンルの組み合わせが引き立って見えた「主君の太陽」は、コン・ヒョジンの出演、ソ・ジソブのキャラクターなどで、以前の作品である「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」の“自己複製”なのではないかとの懸念も提起されたが、結果的に「似てはいるが、また違う形で面白い」という前向きな評価を得た。

キム・ウンスクは先日最終回を迎えた「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」(以下「相続者たち」)で、印象的な台詞が続けて話題になる中、男女関係の張り詰めた緊張感を上手く活かす独自のスタイルを固めた。そして「こんなことも可能だ」という題材の拡張を見せることで、さらに広がったスケールを見せた。

前作のSBS「紳士の品格」ではイケメンの中年男性を主人公にしたが、今回の作品では逆に高校生までその年齢を大幅に下げた。当初「相続者たち」は俳優イ・ミンホの出演で「花より男子~Boys over Flowers~」を連想させると同時に、アメリカのドラマ「ゴシップガール」とも比較されたが、回を重ねれば重ねるほど10代の学園物語を越えた、キム・ウンスク流のドラマを完成させた。高視聴率をマークし、今月13日の最終回では自己最高視聴率となる25.6%を記録した。

彼女らは“自己複製”の中の進化を成し遂げたと評価できる。ホン姉妹は“スタイル”について「大衆文化での一つの色だと思う。特色があればブランドになるように、色があるというのは悪いことではないと思う。9本を手がけたが、カラーをはっきりして行くためには、完全に覆すことは出来ないと思う。色がはっきりしているのは『あの人、どうしたの?』と反応されることもあるが、カラーを保ちながら変化を加えることが重要だと思う。どうしても我々は、視聴者から選ばれる立場で、視聴者に見て頂く必要があるため、バランスを取らなければならないという悩みがある」と意見を述べている。


ムン・ヨンナム&イム・ソンハン…相変わらず問題的な脚本家、退化の恐れも

KBS 2TV「王(ワン)家の家族たち」のムン・ヨンナム脚本家と、MBC「オーロラ姫」のイム・ソンハン脚本家は、韓国を代表する問題のある脚本家としての地位(?)を再び固めた。いずれも視聴率という面では名前に相応しい成績を収めたが、脚本家そのもののブランドは多少色あせた感じだ。

「王(ワン)家の家族たち」はドラマの序盤から、常識はずれの設定や視聴者を呆れさせる展開などで問題のドラマとして浮上し、最近では嫁オーディションや夫を試すために自作自演の拉致事件を起こす、ややとんでもない設定で非難を浴びている。しかし、視聴者の注目を集めることには成功し、文句を言いながらも見るドラマの定番となっているとの評価だ。「噂のチル姫」「糟糠の妻クラブ」のような、彼女らの今までの作品から、あまり発展が無いとの評価だ。

ドラマに対するこのような評価について「王(ワン)家の家族たち」の関係者は「どう解決されるかはムン・ヨンナム脚本家しかわからない。しかし、今のストーリーの展開は、ハッピーなエンディングに向かう部分だと思う。ムン・ヨンナム脚本家の筆力を信じる。脚本家の意図通りの状況だと思っているムン・ヨンナム脚本家はファミリードラマを追求する脚本家であるため、最終的には皆が幸せになると思う」と説明している。8日の放送では37.9%もの視聴率を記録した。

イム・ソンハンは今年最も“ホットな”話題となった脚本家と言っても過言ではない。SBS「芙蓉閣の女たち~新妓生伝」で目からビームを発射するというドラマの新しい次元を開いた、独自の奇妙なスタイルで注目を浴びたが、今回の作品は以前の作品に比べて最もひどかったという評価だ。放送終了を控えている「オーロラ姫」は、回を重ねれば重ねるほど視聴率とファンが反比例する形を見せ、これに加え放送局のイメージダウンまで招きかねない、退化的なドラマという指摘も受けた。様々な話題を生み出し、刺激性で視聴率を高めることで、放送局のイメージまで失墜させかねない質の低下を生み出したことは懸念すべき点だ。

放送関係者によると「“マクチャンドラマ”(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマのこと)が非難されながらもお金になるという認識が定着することが問題だ。特に『オーロラ姫』のような場合は、視聴者からの不満が殺到し、ネガティブな反応が多いことを知っていながらも、脚本家以外は誰も介入できないという点が状況を悪化させているようだ」と伝えた。

イ・ウジョン…バラエティとドラマを両方ともつかんだ“オンリーワン”

最近もっとも目立つチャンネルはtvNと言っても過言ではない。「応答せよ1997」に続き「応答せよ1994」「花よりおじいさん」「花よりお姉さん」などを通じて、イ・ウジョンは放送業界で最も注目すべき人物に急浮上した。ホン姉妹に続きバラエティ出身の脚本家として先頭を走ることになったが、バラエティとドラマを同時に行き来しながら活躍するという点では“オンリーワン”と言えるだろう。地上波放送局のマクチャンドラマと比較される感受性豊富なウェルメイドドラマ(完成度の高いドラマ)で放送業界に気持ちの良い衝撃を与えた。ここにKBSはもちろんバラエティ業界では触れることができない、いわゆる“イ・ミョンハンライン”も一役買った。現在「天才脚本家」「モンスター脚本家」と呼ばれている。

この他にもキム・スヒョン脚本家は現在SBSの「3度結婚する女」を手がけているが、内部では視聴率が後半で上がることを期待している状況だ。また、今年新しく注目を浴びた新人もいる。SBS「君の声が聞こえる」のパク・ヘリョン脚本家、KBS 2TV「秘密」のユ・ボラ脚本家などが、その筆力を認められ将来を期待させた。

記者 : チェ・ナヨン