「同窓生」BIGBANGのT.O.P、長かった制作期間“僕の全てが丸裸にされたような感じだ”

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今や“俳優”という肩書にも馴染んできた「同窓生」BIGBANGのT.O.P
なまじイメージチェンジを図るよりも、得意なものに挑戦したかったというT.O.P。歌手という肩書と共に、俳優という肩書にも既に馴染んできた彼が、長い間考えた末に選んだという初の主演作「同窓生」で人々の前に立った。長い時間悩み、製作期間も長かった。それほど全力を尽くした彼の「同窓生」。その全貌が気になる。

―T.O.Pの名が一番前に出た最初の映画ができたが、感想は。

T.O.P:腹が立つ。

―腹が立つ? 予想もしなかった答えだが。

T.O.P:どうして腹が立つのか分からないことにも腹が立つ。神経が過敏になっているせいか、何かが込み上げてくるような気持ちが続いている。映画のせいではなく、状況のせいだと思う。緊張もしているし、ドキドキする複雑な感情に自分が耐えられないようだ。また、数ヶ月もかけて取り組んだ作品を2時間で見せなければならないことも正直言ってプレッシャーだ。映画2本は撮影できるであろう時間をかけてこの映画1本を撮ったので、僕の全てが丸裸にされたような気がする。そのためか、何故か恥ずかしく、神経が敏感になっているようだ。

―しかし、VIP試写会での反応は良かった。賛辞もたくさん受けたようだが。

T.O.P:その後、1時間くらいは腹が立たなかった(笑) 「真実が見えたようだ。苦労したことが分かる」という言葉を聞いた時、正直嬉しかった。努力を尽くしたアクションについて面白かったをいう言葉をかけて下さったことに感謝している。

―自分の目から見て俳優T.O.Pの姿はどう映ったのか。表現したかったものを全て伝えられたと思うのか。

T.O.P:僕は自分自身を非常に冷静に見る方だ。長い間作品に取り組み、頭の中でキャラクターのイメージを描きながら演じたので100%客観の視点からは見ることができなかったが、僕が登場するシーンだけは冷静に見ようと心掛けた。惜しいところは無かったと言えば嘘になるが、最善を尽くした作品なので観客にも楽しんで欲しい。

―前作「戦火の中へ」を始め、ドラマにも出演したが、「同窓生」はT.O.Pの初主演作だ。プレッシャーは感じなかったのか。

T.O.P:リ・ミョンフンを演じるために準備しなければならないことが多かったので、しばらく悩んだが出演を決めた以上、プレッシャーより責任感の方が大きかった。プレッシャーを感じたまま演技をすると映像にそのまま映ってしまうので、できる限りプレッシャーを取り除こうと努力した。完全に役と同化したかった。

―悩んだ末に「同窓生」を選んだ決定的な理由は?

T.O.P:「同窓生」に出演を決めるまでそれほど長い時間はかからなかった。この作品に参加するべきかどうかより、第一印象というものがある。ドラマ「IRIS -アイリス-」で殺し屋役を一度演じているので、僕がまた殺し屋を演じることになれば新鮮に見えないような気がした。だから役柄について悩んだが、作品の構造が違うし、自分が一番得意な分野だと思ったのでこの作品を選んだ。

―アクションシーンから北朝鮮の言葉の訛りまで、映画の98%の割合を占める文字通りのワンマン映画だ。リ・ミョンフン役は大変ではなかったか?

T.O.P:当然、大変だった。目に見えるアクションよりも目に見えない感情を表現することが特に難しかった。「同窓生」は実際にはフィクションのファンタジーであり、リ・ミョンフンは架空の人物だ。それでも観客にはノンフィクションだと思わせるくらいのリアル感を伝える必要があった、僕が本物のリ・ミョンフンになるために、役について色々質問した。そして、自分の演技を通して観客を納得させなければならないという気持ちで撮影に挑んだ。その結果上手く撮れたかは分からないが(笑)

―セリフが少なく、表情と眼差しで全ての感情を表現しなければならなかった点について、どうだったのか。

T.O.P:本当に辛かった(笑) 言葉で表現できれば、どうやったって説得力が生まれる。でも、言葉を発してはいけないシーンが多く、沈黙しなければならないことが本当に大変だった(笑) アドリブでセリフを言ってみたり、監督の了解を得て元々無いセリフを自分で考えてみたりもした。複雑な心境を目で演じることがこれほど難しいとは思わなかった。全身の感覚を尖らせ目で語ろうとすると、もどかしいし、本当に目玉が飛び出そうな瞬間もあった(笑)

―最も大変だったシーンを選ぶとしたら。

T.O.P:韓国に来たリ・ミョンフンが高校に通い始めるが、そのシーンが一番大変だった。少年スパイのリ・ミョンフンにとって学校はもしかすると最も恐ろしい場所かも知れない。セリフもあまりない上、不安やぎこちなさまで全ての感情を眼差し一つで表現しなければならなかった。学校に適応してもいけないし、不安になり過ぎてもいけない……その時の感情シーンは本当に難しい課題だった。

―映画でリ・ミョンフンは、妹のために命をかけるが、実際のT.O.Pも命をかけるほど大切なものはあるのか。

T.O.P:もちろん家族と答えるべきだが、実は僕は自己犠牲の精神に溢れた人物ではない。本当にそうだ(笑)

―スタートは歌手からだったが、いつの間にか俳優としてのT.O.Pに世間も慣れてきた。始めたばかりの頃と今とで変わったことは?

T.O.P:責任感を持つために内面的にさらに冷静で成熟した人間になろうと努力している。全てのことを難しく考えたりはしないが、軽く考えたりはしないようにしている。だから感情面で変わったと思う。

―クールなT.O.Pはたくさん見てきたが。崩壊するT.O.Pの姿はいつ見ることができるのか。

T.O.P:それは僕も気になるところだ。正直「同窓生」のシナリオを最初見た時は悩み、“イメージチェンジをしなければ、違う役をやりたい”とも思ったが、悩んだ結果、下手にイメージチェンジをはかるより、同じスタイルを最後までやり通すのも悪くないのではと考えた。それが「同窓生」を選択した理由だ。次の作品では自分を投げ出す役を演じられるかも知れない。しかし、そうなっても中途半端な選択はしないつもりだ。自分を完璧に投げ出す準備ができているか、必ずやりたいと思う役を演じることになった時、迷わず選択できると思う。

―俳優として必ず演じてみたい役柄は?

T.O.P:特にない。役柄への欲もない。シナリオを見る度に違うだろうが、見た瞬間惹かれたら良い。キャラクターや出番の割合は重要ではない。映画やドラマで1分、2分のみの出番だとしても魅力が感じられるなら躊躇わずにやると思う。

―観客に「同窓生」をどのように見てもらいたいか。

T.O.P:映画館はお金を出して見る場所だ。そのお金が無駄になったと思われなければ嬉しい。そして、個人的には映画館から出た観客が「T.O.P、頑張ったね」という一言を言ってもらえるなら120%満足だ」

記者 : チョ・ヨンギョン、写真 : ショーボックスメディアフレックス