「チング 永遠の絆」チャン・ドンゴン不在の穴を埋めたキム・ウビン“宝石を見つけた”

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前作よりも優れた作品にはならないだろうと思われた続編、その中に“宝石”キム・ウビンを見つけた

“前作より優れた続編はない”というのはよく言われることであるが、実際にもドラマや映画、バラエティまでもこれに反論できる事例は中々見当たらない。

筆者もそのように思っていた。キム・ビョンウクプロデューサーの「ハイキック」シリーズは第1弾の「思いっきりハイキック!」が一番だったし、映画「同い年の家庭教師」も「マイ・ボス マイ・ヒーロー」も本編が最も優れていた。

そのためか、2001年を盛り上げた映画「友へ チング」とは一回り違う後輩の「チング 永遠の絆」に期待する人は多くはなかっただろう。クァク・キョンテク監督が再度メガホンを取ってはいるものの、前作が人々の脳裏に焼き尽いているだけでなく、その時代の“彫刻美男”のアイコンであったチャン・ドンゴンを“役者”へと導いた映画である。

何よりも、私たちは“チング”という単語を聞いただけで「友だちじゃないか」「お前が行け、ハワイ」などのセリフが自然と思い浮かぶことから、「友へ チング」は私達の記憶の中で一定の時代を、そして一定の地域を代表する映画として位置付けられている。

大きな期待をせずに見たからだろうか、「チング 永遠の絆」は、チャン・ドンゴン不在の「友へ チング」を想像すると感じるような“重要な部分が抜け落ちているのでは”という予想を見事に裏切った。前作の釜山(プサン)訛りに続き、今回は蔚山(ウルサン)訛りを巧みに盛り込んだことはもちろん、ユ・オソンという天にいるような大先輩のオーラにも匹敵するほどのキム・ウビンの姿は、10年前の「友へ チング」を思い浮かべて思い出に浸るには十分であった。


懸念されていたキム・ウビン、20代俳優の可能性を示す

この作品の中で際立つのは“韓国の20代男優の中でこれだけ演技が上手い俳優がいただろうか?”と思うほどチェ・ソンフンの役柄をうまく演じ切ったキム・ウビンの演技だ。この作品でユ・オソンやチュ・ジンモの演技力が足りないかもしれないと心配する人は皆無であっただろう。人々の懸念はチャン・ドンゴンの息子役を演じる新人、キム・ウビンだったはずである。

しかしキム・ウビンは、そのような懸念をあざ笑うかのように、見事に彼独自のソンフンを作り出した。ソウル生まれで思春期を全州(チョンジュ)で過ごしたというキム・ウビンは、慣れない片言の蔚山訛りで観客を白けさせることもなく、大げさな訛りで蔚山出身の人たちから耳障りだと言われることもなかった。それこそ適切に方言を操り、映画の流れをさえぎることなく守った。

また、新人とは思えないメリハリのあるセリフ回しで2時間の上映中ずっと映画に集中することができた。キム・ウビンについてよく知らない観客も、映画館から出て「ところで、あのチャン・ドンゴンの息子役、名前は何?」と興味を持つほど彼の存在をアピールするには十分な演技を見せた。

特に映画の後半部分では、イ・ジュンソク(ユ・オソン)が自分の父親(チャン・ドンゴン)を見殺しにした親友だったという事実を知って生じた怒りと、まるで実の息子のように自分を包み込み守ろうとしてくれたジュンソクの誠実さを感じたソンフンの複雑な内面を表現するキム・ウビンの姿は、彼がこれまで見せてきた姿よりも、これから先の俳優としての将来を期待できるものであった。

2013年現在、20代の男優の中でビジュアルと演技力、そしてスター性まで兼ね備えた人物を挙げるとすると誰がいるだろうか。キム・スヒョン、ユ・アインくらいを思い浮かべるだろう。しかし、彼らも20代後半、または30という数字に急速に向かっている。1989年生まれでまだ25歳にも満たないキム・ウビンが見せる限りない可能性を考えると、今から楽しみである。

チャン・ドンゴン不在の「チング 永遠の絆」。チャン・ドンゴンが死んだにもかかわらずチャン・ドンゴンの息子役を演じるキム・ウビン。チャン・ドンゴンという大スターの陰で人々の脳裏にキム・ウビンという新しい名を焼き付ける為に、絶えず積み重ねてきたであろう彼の努力に拍手を贈りたい。

ある者は「『チング 永遠の絆』は前作のヒットと続編というプレッシャー、俳優と監督の間にあった誤解を乗り越えて完成した作品」と言うが、これに一言付け加えたい、「チング 永遠の絆」は全ての懸念を克服し、ヒットとは関係なく“キム・ウビンという俳優を生み出した”と。

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記者 : イ・ソジョン、写真:ロッテエンターテインメント