ペク・ジニ「『金よ出てこい☆コンコン』が代表作?とりあえず“保留”」

OSEN |

女優ペク・ジニは、最近放送終了したMBC週末ドラマ「金よ出てこい☆コンコン」で、女優として確実に一歩成長したように見えた。MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ハイキック3~短足の逆襲」(以下「ハイキック3」)で何か悔しそうに見える、どこまでも幼い少女のように見えた彼女が、残酷な“シーワールド(嫁と姑の対立)”に直面した涙もろい嫁となった。自らもたくさんの変化があったはずだ。彼女は今回の作品について、とても意味深いものだったとしながらも、自身の代表作として挙げることは躊躇った。自らが「堂々としていないから」という謙虚な答えが返ってきた。

ドラマは放送終了したがまだ実感が無く、台本を持って撮影しに行かなければならないような気がすると話した彼女は「今まで撮った作品は先輩方が少なく、同じ年頃の出演者が多かったが、今回初めて多くの先輩方と作品に出演した。そこで最初から最後まで緊張しながらたくさん学んだと思う」と伝えた。多くの先輩方と出演したドラマだったからこそ、それだけ学べる点が多かったという。

劇中、政略結婚で財閥家の嫁になったモンヒョンを演じた彼女は、この作品でファン層がさらに広くなった。周りの反応を尋ねてみると「『ハイキック3』の時も街で気づいてくださいましたが、今回ほどではありませんでした。スーパーやレストランで『頑張って』と応援してくださり、本当に嬉しかったです」と答えた。

モンヒョンを演じながら大変なことも多かったはずだ。実際モンヒョンと似ているのかとの質問に彼女は「演技をしていると自分も知らない間に、そのキャラクターと似てしまうようだ。似たものを求めるので、境界が曖昧になる時期が来る」という女優らしい(?)答えを聞かせてくれた。

「演技をするという考えではなく、ある瞬間、自分も知らないうちに『モンヒョンになっているんだな』と思う時があります。そうすると正直自分でも驚きます。『あ、私がここでこうすることもできるんだ』と。不思議ですよね。モンヒョンとしてイ・ヘスク先輩に叱られるシーンがありますが、本当に号泣しました。とても母に会いたかったです」

「作品を終えるたびに、私が誰なのか、キャラクターと区別して改めて自分自身に戻る時間が必要です。短くて2週間、長くて1ヶ月ほどかかります。どうやって自分に戻るのかって?旅行が良いです。最近『花よりおじいさん』を見ているとヨーロッパに行きたくなりました。私は芸能人の友達よりも、小学校や高校の時の友達と会うことが多いです。幼い頃の友達に会うことで早く本当の私に戻れるような気がします」

結婚もしていない24歳のお嬢さんが間接的に恐ろしいシーワールドを経験した。これに対する感想を聞くと彼女は「簡単ではなかった」とそっと笑った。

ペク・ジニは“シーワールド”の後遺症で胃炎になり、ご飯をまともに食べられないほどだったという。この作品で結婚観がしっかりと確立されたという彼女は「愛される家、そして私を好きになってくださる家に嫁がなければならないということが、身に染みて分かりました。その前までは確固たる結婚観を持っていたわけではありませんでしたが、経済的に余裕があるかどうかはさて置き、愛し合える家に嫁がなければと思いました。気まずくなく、のびのびと明るいところに行かなければならないと思います。幸せになるためにした結婚が不幸になってはいけないじゃないですか」としっかりとした考えを語ってくれた。

続いて「それでは、いつ結婚したいのか」との質問に「仕事をしていると寂しい時が多く、いつも私の傍にいてくれる人が欲しいと思っている(にっこり)」と答えるも、「しかし、相手がいませんね」と付け加えた。

ドラマで夫婦を演じたパク・ソジュンとの甘いロマンスで交際説も出回った。「現実ではないが満足しながら撮った」とする彼女は、パク・ソジュンととても仲が良さそうだと思うという言葉に笑顔を見せた。「私たちの顔が似ているそうです。すべてのシーンがほとんど一緒だったので、本当に親しくなりました。ご飯もよく一緒に食べましたし」

劇中の3人の若手男子俳優の中で、実際にパク・ソジョンが理想のタイプなのかとの質問には「難しい。それでも義理を守り、私の夫を選ばなければなりませんよね」と賢く答えた。

一緒に撮影した出演者とも仲が良かった。「ハン・ジヘ姉さんを物凄く不思議に思ってしまうのは、モンヒとユナを演じる時に、まったく別人だったからです。ユナでいるときはほとんど話しません。でも、モンヒでいる時は本当のお姉さんのようです。先輩の方々にも本当に感謝しています。ハン・ジニ先輩からはアドバイスもたくさんしていただき、キム・ジヨン先輩は本当の祖母のように面倒を見てくださいました。チェ・ミョンギル先輩は目を見るだけで涙が出ます。本当に母のようで、苦労しているように見えたので」彼女はいつの間にか涙目になった。

今回の作品でペク・ジニに代表作ができたと言う人もいる。今まで映画とドラマで多くの作品に出演したが、今回は確実に世間に彼女の顔を刻むことができた作品であるからだ。しかし、ペク・ジニはとりあえず“保留”にした。自身への未熟さを感じ、心残りがあるためだという。

「心残りがあります。代表作に掲げるほど、自分に堂々としていません。たくさん愛されたのは事実ですが。もっとも愛着を感じる作品かって?私にとってはいずれも貴重です。『金よ出てこい☆コンコン』もそうで、映画『僕たちはバンドゥビ』は初めての作品で、『フェスティバル』も記憶に残っていますし、最近の『怖い話2』もそうです。本来の私を取り戻しながら撮ったことを覚えています」

これからの休息期間にボランティア活動に赴く計画という彼女は、休むことはあまり好きではないと言いながら「何でも一所懸命に演じる」と語った。ペク・ジニの激情ロマンスも期待して良いのかと尋ねると「もちろんです!」と答えた。今まで見せたものよりは、これから見せるものの方が多い女優であることは確かなようだ。

記者 : チェ・ナヨン