「主君の太陽」意図した記憶喪失がさらに切なかった理由とは?

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写真=SBS「主君の太陽」スクリーンショット
記憶を失った男と男の記憶を消そうとする女の切ない恋だった。しかし、お互いの愛だけは守ることが出来なかった。

19日に韓国で放送されたSBS水木ドラマ「主君の太陽」(脚本:ホン・ジョンウン、ホン・ミラン、演出:チン・ヒョク)第13話では、チュ・ジュンウォン(ソ・ジソブ)を助けるためにテ・ゴンシル(コン・ヒョジン)が自分の魂を霊媒師に売った。供物になることを選んだのだ。心停止によって魂が体から抜けたチュ・ジュンウォンの魂を戻すために自分の魂を捨てた。

意図された記憶喪失だった。恋愛ドラマでは定番の“意図せぬ”記憶喪失とは確かに違っていた。記憶を消そうとした女性の気持ちがそのまま表現されたのだ。愛する男のために自分を捨ててまでしてあげられる最後の愛として、テ・ゴンシルは痛みを隠して自分の魂を売るしかなかった。

おかげでチュ・ジュンウォンの魂は再び体に戻った。チュ・ジュンウォンの命をついに救うことが出来たのだ。しかし、テ・ゴンシルに関するすべての記憶を失い、視聴者を切ない気持ちにさせた。さらに、テ・ゴンシルと一緒にしていたことに対し「僕がこんなに無駄なことをやっていたのか」と話し、テ・ゴンシルを傷つけた。

しかし、テ・ゴンシルはチュ・ジュンウォンが絶対に自分の姿を見ないようにするためにチュ・ジュンウォンを避け始めた。チュ・ジュンウォンの目を避けるためにキングダムのショッピングモールまで辞めたテ・ゴンシルは徹底的に隠そうとした。特にテ・ゴンシルはチュ・ジュンウォンの記憶を完全になくすために努力した。

しかし、チュ・ジュンウォンの記憶に亀裂が生じ始めた。自分も知らないうちに足が勝手にテ・ゴンシのいる所へ向かおうとするのを感じたり、童話「あらしのよるに」を見ながら、何かを思い出したりもした。また、ハンナ(ファン・ソニ)がかけてきたネックレスを見て、動きが止まるなど恋愛模様の火種を少しずつ起こしてきた。

チュ・ジュンウォンには変化が現れていた。失読症を持っていたチュ・ジュンウォンは事故の後、デスクの上に置いてあった本が全部読めるようになった。そのため、チャ・ヒジュ(ハン・ボルム)との縁がついに切れたのではないかという視聴者の推測もあった。チュ・ジュンウォンが文字を読めなくなったきっかけがチャ・ヒジュであったため、チャ・ヒジュがチュ・ジュンウォンを手放そうとしているのではないかということだ。

そして、放送の終盤には、チャ・ヒジュがテ・ゴンシルの元を訪れ「体を貸して」と要求する姿が描かれた。彼女は真犯人を捕まえるためにテ・ゴンシルの体を借りたいと話した。その瞬間、チュ・ジュンウォンがテ・ゴンシルのもとを訪れた。チャ・ヒジュと向かい合わせになっているテ・ゴンシルの肩を掴んで自分に振り向かせたチュ・ジュンウォンは「『あらしのよるに』でお互いを確認するための暗号だ。君は誰なんだ。テヤン(太陽)なのか」と尋ねた。

まっすぐにテ・ゴンシルを見つめるチュ・ジュンウォンと困惑したようなテ・ゴンシルの表情が最後を飾った。彼らの恋愛模様に対する関心を最高潮に高めたラストだった。“意図せぬ”記憶喪失ではなく、“意図された”記憶喪失の中にいるチュ・ジュンウォンが失った記憶を取り戻し、再びテ・ゴンシルと恋に落ちるかに関心が集まっている。

記者 : ムン・ジヨン