チ・チャンウク「大それた欲は捨てて、演技への欲だけが残りました」

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ミュージカル「Jack the Ripper」ダニエル役…「舞台の上で生きている感じがします」

6月、ミュージカル「その日々」で第7回ザ・ミュージカル・アワードの新人男優賞を受賞したチ・チャンウク(26)。7月末から8月末までは日本でミュージカル「兄弟は勇敢だった?!」を公演し、現在はミュージカル「Jack the Ripper」の公演に邁進している。ミュージカル界のダークホースとして浮上しているチ・チャンウクに会った。

「実はもともとやりたかったのがミュージカル俳優でした。若い頃大学路(テハンノ)の小劇場で初めてミュージカルをやりましたし。一幕劇だったのですが、僕にとっては本当に楽しい作業でした。それから本格的にミュージカル『スリル・ミー』で公に姿を現しましたが、非常に楽しかったです」

キム・グァンソクミュージカルと呼ばれた高品質のミュージカル「その日々」は、チ・チャンウクにも意味深い作品だ。生涯初めてのミュージカル新人賞を受賞することになったからだ。

「3年ぶりにミュージカルに戻った作品が『その日々』だったのですが、作品も成功して新人賞も受賞したので、僕には非常に幸せな公演だったのではないかと思います。作品だけでなく、共演した人たちとのチームワークも最高でした」

チ・チャンウクは「その日々」で、オ・マンソク、ユ・ジュンサン、チェ・ジェウン、オ・ジョンヒョク、カン・テウルなどの俳優と共演した。彼は「僕が一番若かったので、皆よく面倒を見てくれて可愛がってくれた」と伝えた。

チ・チャンウクはミュージカル『その日々』を演出したチャン・ユジョン監督と初めて縁を結び、以降チャン・ユジョン監督が演出するミュージカル「兄弟は勇敢だった?!」の日本公演も共にした。7月30日から8月15日まで、東京のアミューズ・ミュージカルシアターでキム・ドヒョンと兄弟を演じ、舞台に上がった。

「監督を“ママ”と呼んでいます。実は、出会えない可能性もあったのですが、『その日々』を通じて監督に出会えましたし、その縁により『兄弟は勇敢だった?!』でも一緒にすることができ嬉しかったです。『兄弟は勇敢だった?!』もチャン・ユジョン監督が直接書いて演出した作品です。今回の日本公演にご一緒できて嬉しかったですし、新しい経験でした」

愛のために殺人者になったダニエル役「男なら欲が出るはずです」

ドラマ「笑ってトンヘ」「ペク・ドンス」「僕らのイケメン青果店」「蒼のピアニスト」などで視聴者から大いに愛されたチ・チャンウクだ。ハードスケジュールにもかかわらず時間を割いてミュージカルを並行しながら、舞台での感覚を忘れないようにした。

「ミュージカルは、さらに深く考える時間があるところが好きです。生演奏で最初から最後まで押し進むことのできる妙味、そして観客と一緒に呼吸するということにおいて、舞台の上で生きている感じがします」

チ・チャンウクは現在、ミュージカル「Jack the Ripper」の公演に邁進している。「Jack the Ripper」は、永久未解決殺人事件をモチーフにしたライセンスミュージカルで、1888年ロンドンで少なくとも5人の売春婦を殺害した連続殺人犯、ジャック・ザ・リッパーの実話を劇化した。チ・チャンウクは、行き過ぎた愛のために殺人を犯す、外科医のダニエルを演じる。

「台本を読んだ時とても面白かったですし、立体的な役だったので『ああ、これは本当にやってみたい』と思いました。男優なら誰もが挑戦してみたい、魅力的なキャラクターだと思いました。公演を見たらさらに面白かったですし、歌も非常に良かったです。それで、挑戦することにしました。

でも、『その日々』をやりながら練習を一緒に始めたので、どうしても他の方々に比べて練習量が足りず、時間がある度に集中して努力しようとしました。公演をしながらも、細かい部分までさらに掴もうと毎回頑張っています。不安で緊張も結構していますが、人物に集中しようとしています」

2007年、映画「スリーピングビューティー」でデビューし、いつの間にかデビュー6年目を迎えたチ・チャンウク。彫刻のようなマスクに安定感のある演技力で、デビューして間もなく立て続けに主人公の座に名を挙げている。しかし一方で、本人としてはもっと早くスターになれなかったことに対し残念な部分もありそうだった。

「若い頃は凄く大それた欲ばかり持っていたと思います。早くスターになりたいとも思いましたし、成功したいという欲もありました。しかし、時間が経つにつれそのような欲は捨て、自分が自ら埋めていかなければならない、演技への欲だけが残りました。それは、持ち続けなければならないものなので。自分がやらなければならないことを一生懸命やって、『楽しくやっていればいつかはスターになっているだろう』と考えています。入隊する日も近づいていますが、その前にさらに良い作品をたくさんやりたいですし、今後も引き続き弛まぬ努力をし耐えていけたらと思います」


チ・チャンウクにとって最も大切な3つのキーワード

1. 母

「やはり家族が一番大切です。いつも隣で応援してくれる人なので。一緒に暮らしている母が一番大切だと思います。外食が多いですが、それでも時間があれば家で母と一緒に食事をするようにします。どうしても、色々と記事が出たり、噂も立てられる業界にいますので、母が非常に心配します。平凡な俳優も多いのに、大々的に取り上げられた記事を見ると物凄く心配するようです。色々言われて問題になることも多い職業だということで、いつでもどこでも『行動にも、女性にも、飲酒にも気をつけるように』と言われています」

2. 友達

「友達は僕が疲れた時に元気をくれます。会えば皆子供に戻るみたいですね。本当に『ああ、子供の頃みたいに遊んでるな』と思ったりします。高校1年の時の友達によく会います。マネージャーも僕の親友を説得して一緒に働いています(笑) 友達同士で集まれば、ネットカフェでゲームをやることもありますし、ボードゲームをしたりカフェでおしゃべりしたり、とても貴重で楽しい時間です」

3. 演技

「今している演技は、僕の夢であり仕事なのでとても大切です。仕事がなければ悔しいですしどうしようもありません。子供の頃から役者になりたいと思っていたわけではありませんが、突然演技がやりたくて高校3年のときに進路を変えて、演劇映画学科に進学しました。しかし今は、何より大切でやりたい事は演技です。これからもよい姿をお見せしたいです」

記者 : チョ・ギョンイ、写真 : イ・ジョンミン