Vol.1 ― 放送終了「ハートレスシティ」視聴率だけでは評価できない韓国初のノワールドラマ

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※この記事にはドラマ「ハートレスシティ ~無情都市~」の結末に関する内容が含まれています。
写真=DRMメディア、JTBC
JTBC月火ドラマ「ハートレスシティ ~無情都市~」は韓国のドラマとしては初めて“アンダーカバー” (諜報活動のための潜入行為やスパイを指す) を前面に掲げたノワールアクションラブストーリーとして注目を集めた。

どんでん返しを繰り返すストーリーと人物間の緊張感溢れる対立がお茶の間を虜にした。韓国で初めて試みられたノワールドラマは、多少破天荒でありながらも、マクチャンドラマ(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)とは違う路線を歩み始めた。

視聴者を一気に虜にしたどんでん返しのストーリー

30日午後に韓国で放送された「ハートレスシティ ~無情都市~」(脚本:ユ・ソンヨル、演出:イ・ジョンヒョ)の最終回は、“博士の息子”シヒョン(チョン・ギョンホ)とミン局長(ソン・チャンミン)の死で幕を下ろした。二人の死は予想を超える展開だった。このように、「ハートレスシティ ~無情都市~」は毎回驚きのどんでん返しを繰り返した。

第1話のシヒョンは、麻薬組織の一員でチョウル(キム・ビョンオク)の部下にしか見えなかった。しかし彼は、実はミン局長が送ったアンダーカバーだった。シヒョンの命を狙ったドクベ(チェ・ムソン)も、シヒョンの右腕だったギチョルも警察だった。意外な人物がアンダーカバーであることが明らかになり、視聴者は“メンブン”(メンタル崩壊)状態になった。

お互いに信頼できない状況の中で繰り広げられる人物同士の対立は、緊張感を高めて面白さを倍増させた。視聴者を一気に虜にするどんでん返しのストーリーで、毎週「ハートレスシティ ~無情都市~」の放送を待ち望むマニア層を増やしていった。

視聴率は残念、しかし…

「ハートレスシティ ~無情都市~」は、視聴率だけで考えてみると失敗したドラマだ。同作の視聴率は平均1%で、総合編成チャンネルであることを考慮しても決して高い数値とは言えない。視聴率の面では大きな結果を得られなかった。しかし、視聴率だけでこの作品を評価することはできない。

地上波との同時間帯対決という不利な条件のせいで本放送の視聴率は低かったものの、「ハートレスシティ ~無情都市~」はポータルサイトのリアルタイム検索ワードランキングの上位に着実にランクインしていた。これは「ハートレスシティ ~無情都市~」に対する関心が高かったという証拠である。

「限りない愛」が記録した総合編成チャンネル史上初の2ケタ視聴率に比べれば1/10にもならない数値ではあるが、若い層には大きな影響力を及ぼした。ドラマに登場したセリフは流行語として広がった。

ドクベの“~分かりましたか”、ヒョンス(ユン・ヒョンミン)の“真情”、ジンスク(キム・ユミ)の“明心宝鑑しなさい”など、各キャラクターの特徴を活かした流行語は、ネット上の書き込みなどでもよく見られるほど高い人気を博している。「ハートレスシティ ~無情都市~」はノワールジャンルが、映画ではなくドラマでも十分通じるという可能性を提示した。

「ハートレスシティ ~無情都市~」の後番組としては、ブランドバックが欲しいのではなく、ブランドバックを制作したいという夢に向かって走る一人の女性のサクセスストーリーを描いた「彼女の神話」が放送される。8月5日の午後9時50分に韓国で第1話が放送される。

記者 : ファン・ソヨン