「金よ出てこい☆コンコン」5年ぶりに再会したヨン・ジョンフン&ハン・ジヘ:SPECIAL INTERVIEW

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2008年、MBCドラマ「エデンの東」では悲恋の恋人同士だったヨン・ジョンフンとハン・ジヘ。二人がMBC週末ドラマ「金よ出てこい☆コンコン」で再開した。夫婦でもあり、そうでもない微妙な関係のこの二人、いや、三人のこれからの展開が気になって仕方ないが、実は、始まったばかりの頃はそこまで期待されていなかった。しかし、回を重ねるごとに次回を待ち焦がれる人がどんどん増え続けているのは、違和感のないストーリー展開とキャラクターに溶け込んだ俳優たちのおかげだ。ドラマ全体を通じて必要のない人物もおらず、演技が下手だと言われる人もいないからだ。すでにドラマは第20話を超えて中盤に差し掛かっており、一人二役を演じるハン・ジヘと、妻のユナと妻の代役モンヒの間で葛藤するパク・ヒョンス役のヨン・ジョンフン。彼らはどんな結末を迎えることになるのだろうか。


「外見は現代劇だが、実は時代劇のフォーマットです」

―期待以上にドラマが好評を得ています。

ヨン・ジョンフン:ありがとうございます。それは、このドラマの外見は現代劇ですが、実は時代劇のフォーマットで作られているからです。王という権力者がいて後宮同士で暗闘を繰り広げ、その息子たちは皇太子になるために競争するような構造です。現実味がないように見えても、見慣れていて興味深いパターンであることは明らかです。悪役にもそれなりの理由があり、かわいそうだが野望を持っています。そのように実際に存在し得るため、共感度も高くなるんだと思います。

―最初は、パク・ヒョンス(ヨン・ジョンフン)という男性を理解できませんでした。自分勝手に妻の代役を作るなんて。そして、お金のためにそれを引き受けるモンヒ(ハン・ジヘ)もまたどうかしていると。しかし、回を重ねるにつれて納得がいきました。演技のためでしょうか?それとも、しっかりした台本のおかげでしょうか?

ヨン・ジョンフン:まあ、演技のためではないでしょう(笑) 監督とたくさん話しています。理解できない部分については相談をします。より気持ちを伝えるためです。感情の処理が単語一つ、言葉一つによって大きく変わってきますので。

―ハン・ジヘさんは今までやってきた役の中で一番よく似合っています。ユナとモンヒ、二人の役柄が全て似合っていることも不思議です。

ハン・ジヘ:多重人格ですか?(笑) 面白いですが、楽ではありません。一人二役、女優としては一旦ビジュアル的に別の人を作ることができるので有利な面があります。放送が始まったばかりの頃、モンヒは大丈夫でしたが、ユナ役は本当に難しいものでした。しかし、今はユナを演じる方が楽しいです。再びユナが登場する予定ですが、緊張感が最高に高まったら良いですね。私はユナとパク・ヒョンスに上手くいって欲しいと思っています。モンヒはモンヒなりに頑張って生きていって。

―しかし、パク・ヒョンスは徐々にモンヒのことを好きになっているじゃないですか?

ハン・ジヘ:お互いに好感を感じている段階です。でも、あり得ると思いませんか?

ヨン・ジョンフン:仕方ないですね。両方とも一緒に暮らすしかないですね(笑) 冗談です。パク・ヒョンスだけを考えると、ユナよりはモンヒを選ぶんじゃないかと思います。しかし、ユナもパク・ヒョンスの過ちによって変わったという設定ですし、結婚という手続きがあったのでユナを選ぶしかないのかもしれません。今まで会ったシーンは、モンヒの方が多いのですが(笑)

―双子なので、これから問題が複雑になりそうですね。脚本家がどのように展開していくか気になりますね。

ハン・ジヘ:私は個人的に、恋人関係でも友達のような関係が良いと思います。さて、どうなるんでしょうか?

―5年前、MBCドラマ「エデンの東」でも恋人同士でしたね。その時もかなり複雑な関係でしたが、歳月が過ぎて再会した感想は?

ハン・ジヘ:あ、その当時の写真を見ましたが、ヨン・ジョンフンさんは今よりだいぶ痩せていました。

ヨン・ジョンフン:今はもう年だからです。そう、年だから!そして、あの時は無理にダイエットをしていました。

ハン・ジヘ:今でも十分素敵ですよ。余裕があるというか…?


「3人で意図していたわけでもないのに、全てが異なります」

―それぞれ違う3カップルが話題ですが、お互いにライバルとなるのでしょうか?

ヨン・ジョンフン:慌ただしくキャスティングを受けて、撮影を開始しました。それで、初対面の時はよく分かりませんでしたが、撮影をしているうちに、キャスティングがとても良かったと思う瞬間がありました。3人で意図したわけでもないのに全てが異なります。ファッションも、性格も、演技も。イ・テソンさんが一番面白く、みんなを笑わせてくれます。パク・ソジュンさんも本人が貫こうとするスタイルがありますし。

ハン・ジヘ:(ヨン・ジョンフンを見て)俳優同士で愛し合い過ぎじゃないでしょうか(笑)

ヨン・ジョンフン:欲張らず、お互いにアドバイスをしたり相談もします。励まし合ったりもして。

ハン・ジヘ:競争するよりも、お互いに相手役がうまくやって、好評を得ればと思っています。

―でも、末っ子カップルのことがもっと好きだったりしませんか?劇中でグルだから。

ヨン・ジョンフン:末っ子カップルですか?毎日話しています。本当に付き合っちゃえと(笑) そんな部分でも本当の兄弟みたいだと思います。長男や三男は似ていて、次男が若干異なる雰囲気じゃないですか。僕とパク・ソジュンさんは気さくな面がありますが、イ・テソンさんはシックな面があります。キャンプシーンも全部アドリブで撮影しましたが、息がぴったり合っていました。

―モンヒは、実家まであって相手をする人物が多いですよね。

ヨン・ジョンフン:そうです。僕もモンヒさんの家族と一人ずつ会い始めていますが、もうこれ以上会いたくありません(笑)

ハン・ジヘ:ドラマの出演者が17~18人います。私はもう全員と会っているので、どちらの事情も全部知り尽くしています(笑)

―ハン・ジヘさんがMBC週末ドラマ「メイクイーン」が終了してすぐに、また週末ドラマを始めると聞いて心配していました。一人二役でもありますし。

ハン・ジヘ:私はむしろ「メイクイーン」をしながら物足りなさを感じました。私はその前に1年ほど休んでいたため、本当に頑張ってやりましたが、十分に休んでから頑張る人より、ずっと演技をしていた人、つまり勘を失わなかった人のほうが上手いと感じました。しかし、そうやって一度苦労を味わったおかげで、週末ドラマの特徴に詳しくなりました。今回は3ヶ月休んでからオファーをもらいましたが、週末ドラマが自分の手の中にあるように感じています。

ヨン・ジョンフン:週末ドラマの専門家になったわけね(笑)

ハン・ジヘ:その通りです。「金よ出てこい☆コンコン」が最初はみにくいアヒルの子でしたが、白鳥になったじゃないですか。誰も期待していませんでした。しかし、若い世代から年配の方まで幅広く面白いと言っていただき、楽しんでもらえているので嬉しいです。これからもっと頑張らないといけません。

―何よりキャラクターの成長が見えていいと思います

ヨン・ジョンフン:まだ、嵐が吹き荒れていていません。

ハン・ジヘ:早く吹き荒れて欲しいですね。

ヨン・ジョンフン:そろそろ吹き荒れると思います(笑)

―二人ともバラエティ番組にも出演しました。ヨン・ジョンフンさんはシーズン4では抜けましたが、ケーブルテレビXTMの自動車番組「TopGear KOEA」をシーズン3まで司会を務め、ハン・ジヘさんは先日からStoryOnの「100人の選択」の司会を務めています。感想をお聞かせください。

ハン・ジヘ:私はまだ始めたばかりなので…けど、ヨン・ジョンフンさんは上手でしたね。

―自動車について造詣が深いようですが、お金もたくさん使ったんじゃないですか?

ヨン・ジョンフン:たくさん使いました(笑)

ハン・ジヘ:私の場合、実は容易なことではありません。撮影が多い週に「100人の選択」の収録が始まると心配で眠れなくなります。台本を6つずつ手にしていなかればいけないので、楽にはなれませんが、計画通り、意図した通り自身の道を歩いているような気がして、胸がいっぱいです。いつか輝く日のために、今はいくら大変でも我慢しなければいけません。

―年を取ることが悪いことばかりではありません。番組の司会も年を取って結婚して、安定感が生まれるから出来るわけですから(笑)

ハン・ジヘ:演技もそういった経験がないと、感情や表現には限界があるはずなので、きっとこれから役に立つと思います。

―例えば、夫の家族や自身の家族との微妙な葛藤を、結婚した人はよく知っていますからね。

ハン・ジヘ:そうですね(笑) 最近は、結婚してからより活発に活動される方が多いですね。

―誰がいましたっけ。同じ年頃の人ではハン・ジヘさん以外は思い出せませんが。

ハン・ジヘ:(しばらく考えて)ハン・ガインさん!ハン・ガインさんがいます(笑)

―二人が本当の夫婦のように見えてハン・ガインさんを忘れていました。

ハン・ジヘ:大成功ですね。今は作品の姿で見られるのが嬉しいです(笑)

ヨン・ジョンフン:何を言ってるんですか!(笑)


「後で後悔したくないじゃないですか?」

―ヨン・ジョンフンさんは「TopGear KOREA」を見て感じましたが、趣味が本当に様々ですね。これはきっと演技にも役立っているのでは?

ヨン・ジョンフン:演技に役立てようと始めたわけではありませんが。チャンスがある時に色々とやってみようと考えています。一つのことを始めると最後までやってみる性格でもあるし、出来るまで努力もします。大学に通っている時、写真の勉強をしました。モーションピクチャーに興味があったんです。現場でも、カメラ監督といつも仲良く過ごしています(笑) やっているうちに話が大きくなって、写真の個展を開いたり、それに関連する仕事をしたりもしました。もともと機械が好きなんです。写真以外にも役に立つものは多いでしょう。後で後悔したくないじゃないですか?「若かった時にやってみれば良かったのに」「あの時からやっていれば、もっと上手くやれたのに」と考える先輩たちがたくさんいました。

―ハン・ジヘさんをはじめとする俳優たちを現場で見ていると、この角度だったらもっと良い絵になるとか、そんなことも考えたりもしますか?

ヨン・ジョンフン:僕の見ている観点と、ハン・ジヘさんが考えている観点は、たぶん違うと思います。僕は格好良く映ったり、綺麗に映ることより、気持ちが込められてかが重要だと思います。行動そのものが格好良く表現されるべきで、ビジュアルが格好良いというのはあまり重要ではありません。例えば、キム・ミョンミンさんを見ると、イケメン俳優と比べるとハンサムではないかも知れませんが、演技をした時にその役柄を世界で一番格好良く表現しますよね。僕はそんな俳優や、そんな絵が好きです。

―今回のドラマの映像は気に入っていますか?

ヨン・ジョンフン:はい、もちろんです。苦労して色々と気を使っていただいています。しかし、それはカメラ監督の仕事なので、俳優たちは各自の場所で頑張らないといけませんね(笑)

―ドラマが楽しくなるためには、次回の展開が気にならなければなりません。そんなシーンが多くて素晴らしいと思います。期待を裏切らずに発展する、良いドラマです。今日はお時間頂きまして、ありがとうございました。

文:コラムニスト チョン・ソクヒ

「NAVER スペシャルインタビュー」では、今話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。

記者 : チョン・ソクヒ、写真 : MBC、スタジオSカン・インホ、イギムプロダクション