「天命」パク・ジヨン&2AM スロン、敵との出会い:SPECIAL INTERVIEW

Kstyle |

KBS 2TV「天命:朝鮮版逃亡者物語」(以下「天命」)は、歪んだ母性と強い父性の激しい対立を描いている。自分の生んだ慶原大君(キョンウォンテグン、ソ・ドンヒョン)の将来のために、皇太子イ・ホ(2AM スロン)を害そうとする文定(ムンジョン)王妃(パク・ジヨン)、そして命が危うい娘ラン(キム・ユビン)を救おうと皇太子を見殺しにしようとする内医院の医官チェ・ウォン(イ・ドンウク)。その狭間で皇太子は、まさに孤立無援の立場に置かれている。全20話のうちの12話、半分を過ぎたこれまで心置きなく笑う姿を見せたことのない皇太子と、カリスマ性を備えた王妃に会った。

参加者:パク・ジヨン、スロン、コラムニストチョン・ソクヒ

(約束の時間より早く到着したパク・ジヨンさんと先に話を始めることに)

チョン・ソクヒ:MBCベスト劇場「沼」のときの演技が印象的だったので、SBSトークショー「話神(ファシン)-心を支配する者」(以下「話神」)での愉快な姿が少し意外でした。そこでまたまもなく“文定王妃”に扮して冷たいオーラを見せていますね。

パク・ジヨン:私ってもともと愉快な人なんです(笑) 主人には仕事が入らなかったらお笑い芸人になってもいいんじゃないと言われるくらいです。キム・ユンチョル監督の「沼」は、一緒に作り上げる感じが強かった作品です。だから、それ以来映画を撮りたいと思うようになりました。ドラマは、特に助演の場合、与えられた役割だけ繰り返すことになるので。役者としては少し悔しい部分です。“文定王妃”には、おそらく他の姿もあったでしょうに(笑)

チョン・ソクヒ:中堅であるにもかかわらず迷惑をかける俳優も多いのに、休む間も演技の勉強を続けていたんですね。

パク・ジヨン:映画を見るのが非常に好きなんです。一日に連続して2本も見たりするんですけれど、そうして見た後は眠れないんです。演じたくて。本も結構読む方ですし。

チョン・ソクヒ:新人のスロンさんと多くのシーンを共演しているんですが、どうですか。

パク・ジヨン:新人と共演すると典型的でない演技が出てくるので、そこがいいです。何より、スロンさんは非常に頑張っています。また、顔立ちが与えるメリットがあるじゃないですか。優しい顔なので、情が移ります(笑)

(スロンさんが到着)

チョン・ソクヒ:昨日山塞に行って来ましたが、和気藹々とした雰囲気でした。宮中ではそうなることがまったくないので。皇太子が笑う姿を、これまで一度も見たことがないですね。

パク・ジヨン:そうなんです。私たちが笑えばこんなに可愛いのに、この笑顔をお見せすることができないので残念です(笑) 皇太子、これから私、文定を踏みにじって成功したとき大きく笑いなさい!

チョン・ソクヒ:ドラマ史上、これだけ長身の皇太子は初めてですよね?

パク・ジヨン:そのうえ、ひげをつけるじゃないですか。でも、それが案外似合うんです。いつも座って演じるので気づかなかったんですが、ある日立っていたらものすごく大きかったです(笑)

スロン:でも、他の方たちも皆長身なのでよかったです。イ・ドンウクさんもそうですし、ソン・ジョンホさんは僕より高いです。

チョン・ソクヒ:初めての時代劇なのでプレッシャーも感じるでしょうが、特に準備したことは?

スロン:時代劇の練習を始めたタイミングで「天命」に巡り会えました。何も分からないので、時代背景を含めて色々勉強しました。演じながらパク・ジヨン先輩に隣で色々アドバイスしていただきましたし。

パク・ジヨン:アドバイスも何も(笑) 私は水が流れるようにするスタイルなんで、勉強をしないんです。私の想像力のせいで、後でがっかりするケースがしばしばあるので。それで、台本に忠実に、役に集中します。でも、“イ・ホ”は本当にたくさん勉強して来ていました。実は、新人のときはそれが必要なんです。私も以前はそうでしたし(笑)

チョン・ソクヒ:イ・ドンウクさんがスロンさんのこと褒めていましたが。

スロン:ミュージカル形式のCMでパートナーをやったことがあります。当時の縁がドラマに繋がりました。

パク・ジヨン:縁というのがね。ソン・ジヒョさんと私は釜山(プサン)国際映画祭で会いました。ソン・ジヒョさんに「先輩のファンです。一緒に演技したいです」と言われたんですが、しばらくして本当にそうなったんです。

チョン・ソクヒ:山塞ではキム・ユビンちゃんが可愛がられていましたが、宮中では慶原大君役のソ・ドンヒョン君が可愛がられているでしょうね。

スロン:僕のことを、兄さんと呼ばないで、先生と呼ぶんです(笑) 先日は果物を包んで手紙も書いてくれました。

パク・ジヨン:私にも、スロンさんが深夜バラエティの「SNL KOREA」に出演したけど、見たか聞いてきて、自分は見られない番組だと残念がっていました。

チョン・ソクヒ:「SNL KOREA」に出演したときはどうでしたか?アイドルなのに、プレッシャーはなかったですか?

スロン:僕たちはもうすでに“成人ドル”なんで。それに、度を超えないながらも新鮮な姿を見せられるのが「SNL KOREA」です。あれくらいなら、おかしく可愛く見てくださると思いました。

パク・ジヨン:私にもオファーは来たんですが、影響があまりにも大きくなりそうで辞退しました。私はうまくやりすぎそうなので(笑) ある瞬間、どきっと怖気づいたんです。変でした。他の服を着て、また演技に戻る自信がないんです。「SNL KOREA」は、壊れるというよりは、“あんな演技も可能な人”に見えるようにする番組なんですね。

スロン:そこで一生懸命しないと、かえって馬鹿みたいになるんです。せっかく出演したので。

パク・ジヨン:私も「話神」でそうでした(笑)

スロン:僕はデビューして結構変わりました。2~3年前まではバラエティが人気だったので。どうにかして個性をアピールして生き残らなければならなかったんです。バラエティで人気を集めると、音楽配信ランキングも上がっていました。

チョン・ソクヒ:それはそうとして、ドラマで皇太子があまりにも可哀想です。頼るところがない立場なので。

パク・ジヨン:そうです。でも、私も台本を読んでいて気づいたんですが、時間が経つにつれて感情が着実に蓄積されるキャラクターは、皇太子しかいないんです。

スロン:そうです。柔弱で前向きだったのが、冷静になる姿もありますし。積み重なって変わっていくことが感じられるので、僕もこの役柄が好きです。でも、時代的な事実があるので、王位に就くとしても悲しいことだと皆に言われます。8ヶ月後にはこの世を去る人物なので。

パク・ジヨン:それを意識したらおしまいよ(笑) だから時代背景を予習するのが、必ずしも正解ではないと言ったんです。同情に陥る可能性があるので。役者の人生というのは、容易いものではないんです。“文定王妃”として出演して、台本を見て読んで練習していると、幸せな気持ちがしないんです。こんなことを言ったりやったりしている配役なので、幸せになるはずがないんです(笑)

チョン・ソクヒ:それでは、スロンさんは今ものすごく不幸なはずですが。

パク・ジヨン:そんな感情に、まだ振り回されてはいけませんよ(笑)

スロン:僕はまだそうなる段階ではないです。映画「26年」のときもそうでしたし、今回も憂鬱な役柄ですが、イ・ホという役は、知れば知るほど、見れば見るほど悲しいキャラクターじゃないですか。でもまだ若いからか、このようにストレスが溜まるときは感情的に快感を覚えました。

チョン・ソクヒ:東宮殿(トングンジョン、皇太子の住居)の火災のシーンのときはどうでしたか?炎の中にしばらくいたようでしたけれど。

パク・ジヨン:台詞も非常に多かったんです。それで、台詞が少しずつ早くなりました(笑) 産毛が全部燃えたほどでした。脚本家の方たちは、そんなことになろうとは思わなかったのでしょう(笑)

スロン:それでも僕は序盤にそんなシーンがあってよかったです。劇的なシーンのおかげで、一層表現しやすくなったので。


「次の歩みに期待しています」

チョン・ソクヒ:子供の母親として、王妃の心情も分からなくはないですけれど、皇太子が激しく刃向かったりするとすっきりします。

パク・ジヨン:今も寂しいのに、だんだんさらに寂しくなっています。友達が一人もいなくて。

スロン:王妃も実は皇太子とまったく同じ立場なんです。いくら強くても、人間的に近づいてくる人はいない。

パク・ジヨン:いつであれ、力を持つ人よりその周りの人たちが得をするようです。現実もそうじゃないですか。“お金を稼ぐ人と使う人は別”であるように。スロンさんはこれから日進月歩すると思います。悪い役というのはないので。全部積み重なるので、次の歩みに期待しています。「僕は主人公じゃないとやらない。イメージの良い配役じゃないとやらない」と振る舞うことさえなければ(笑) 私は、声が低いのも気に入りました。

チョン・ソクヒ:今ツーショットを見ますと、カップルも可能ではないかと思います。

パク・ジヨン:まさか。以前はそんな役も結構やりました。KBS 2TV「コッチ」(2000年)のウォン・ビンさんから、最近はMBCドラマ「恋愛マニュアル ~まだ結婚したい女」のイ・ピルモさんまで(笑) それでもスロンさんは若すぎます。大人っぽくはありますけれど。正直心配も多かったです。「スロンさんのファンたちがどう思うだろう」と。でも最近は皆、“文定王妃”が生かされて初めて“イ・ホ”も生かされることが分かってらっしゃるんですって?(笑)

スロン:僕たちのファンの年齢層って、そう若くはありませんので(笑) 20代後半から30代前半が一番多いですが、母くらいの年配の方がサイン会に来られることもあります。

チョン・ソクヒ:2AMのメンバーたちも、もうそれぞれの分野での位置づけに成功していますよね?

スロン:はい。最初デビューしたときは、成功するためにお互いに合わせていく部分があったんですが、今は自分で自分を上手く作って表現していかないとと思うようになりました。


「僕たちは苦労だなんて、差し出がましくて言えません」

チョン・ソクヒ:苦労に比べて、視聴率は少し残念ですね。

パク・ジヨン:そうなんです。私は大丈夫です。でも、監督や脚本家の方たち、スタッフたちのことを思うと、残念です。7日間ずっと撮影なので。

スロン:イ・ドンウクさんと山塞のメンバーたちは、全国を周リながら数えきれないほど移動しているので、大変極まりないですね。僕たちは苦労だなんて、差し出がましくて言えません(笑)

パク・ジヨン:1週間に4日を撮影しても、大変だなんて言えません(笑)

チョン・ソクヒ:是非、充実した仕上がりになることをお祈りします。

エピローグ
ドラマでは継母と継息子。互いを殺しかねないほど牙を向いている仲だが、ドラマの外では誰よりも和やかな仲だ。互いに感銘を受けた映画の話を交わし、写真も撮りながらおしゃべり三昧だった。良くない関係にある相手役であるほど親しく、理解しあって初めて良い演技ができるというパク・ジヨンさんの言葉が思い浮かぶ。スロンさんが、本当に心強い味方に出会ったようだ。

文:コラムニスト チョン・ソクヒ

「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。

記者 : チョン・ソクヒ、写真 : KBS、スタジオS カン・インホ