Vo1. ― 「シークレット・ミッション」パク・ギウン“原作と同じリ・ヘランを演じたくはなかったです”

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派手なオレンジ色に髪を染め、ギターを持って北朝鮮のロックを知らせるという北朝鮮のスパイがいる。それは映画「シークレット・ミッション」のリ・ヘラン(パク・ギウン)だ。

リ・ヘランは北朝鮮最高位層幹部の息子である。妾の息子という出生の痛みを抱えているリ・ヘランはこれを隠すためにクールで前向きな姿をわざと見せる。「何事も楽しむことが大切だ」という考え方の持ち主で、死ぬかもしれない訓練さえも楽しんでする偉大なスパイとなった。

一度だけの人生、歴史を築いてみせるという夢を抱いて韓国に潜入したが、彼に与えられた任務はロッカー志望生としてオーディションに合格すること。しかし韓国のオーディションの壁は高すぎる。北朝鮮のロックを見せ付けてやるという夢は遠ざかる。毎度オーディションに落ちる。


「原作と同じリ・ヘランを演じたくはなかったです」

このようなリ・ヘラン役を務めたパク・ギウンは他のキャラクターに比べると、すべての点で目立つ。いくら妾の息子とは言え、野良犬のように生まれて化け物に育てられたウォン・リュファン(キム・スヒョン)や死の峠を乗り越えて北朝鮮史上、最年少スパイとなったリ・ヘジン(イ・ヒョヌ)に比べると、恵まれた環境で育てられた。

身分だけではなく、ルックスからも自由さが感じられる。オレンジ色の衝撃的なヘアスタイルは北朝鮮から潜入したスパイとは思えない。こんなに目立つリ・ヘランだが、ウォン・リュファン、リ・ヘジンと調和しなければならなかった。これは俳優パク・ギウンに与えられたもう一つの任務でもあった。

「いつもくっついている3人ですが、性格などは全然違いますよね。リ・ヘランは目立つ性格とビジュアル、演技をしなければならないけれど、二人と調和を成すべきですから。そのために本当に努力しました。それが一番難しかったですね。アクションとリアクションが重要ですが、もし調和を成すことができなかったら、アル・パチーノのような名優でも演じられないと思います」

キム・スヒョンが演じたドングの場合、原作と100%に近いシンクロ率を見せた。しかしリ・ヘランは少し違う。原作では髪の毛を黄色に染めたが、映画ではオレンジ色に染めた。ヘアスタイルも違う。これに対してパク・ギウンは「原作と同じリ・ヘランを演じたくはなかった」と語った。

「原作と同じリ・ヘランを演じたくはなかったです。それでヘアスタイルも変えました。元々髪の毛は黄色です。しかしコンセプトを決めながらもう一度創造しました。原作付きの映画って多いですよね。あまりにも原作に忠実にしてしまうと、むしろ作品への集中度を落とすと思いました。原作と同じかそうでないかしか見ないですから。原作を生かしつつ、パク・ギウンならではのリ・ヘランを表現しようと思いました。原作のファンから『あんなヘランもいいね』と言われたいですね」

「シークレット・ミッション」はバカなドングに注目が集まるのは当然のことだ。他のキャラクターより繊細に描写されたのもあるが、長い原作を約2時間の映画にしたのも一役買った。しかし「シークレット・ミッション」はウォン・リュファンとリ・ヘラン、リ・ヘジンの3人の物語だ。本当の兄弟のように過ごす彼らの姿を観客に理解してもらうためにたくさんの努力をしなければならなかった。

「長いウェブ漫画を2時間の映画にしたので、少ないエピソードで3人が仲良くなる姿を見せなければならなかったんです。観客が『きっかけもないのに何で仲良くしているの?』と思ったらダメですよね。3人が集まって撮影するときは『このシーンは必ず完璧に演じるべきだ』とか言っていましたね」


「『シークレット・ミッション』楽しんで見てほしいです」

「シークレット・ミッション」を撮影しながらパク・ギウンには新しい趣味ができた。美術大学出身で絵を描くのが趣味だということを皆知っているという。パク・ギウンは今回の映画を通じてギターを学び始めた。映画ではパク・ギウンの穏やかな声とギターの旋律を聞くことができる。

「今回の映画を通じてギターを学び始めましたが、もう趣味となってしまいました。3月に開かれた日本ファンミーティングでもギターを弾きました。さっきもコーヒーショップにギターがあったので、弾いてみました。映画のギターを弾くシーンも僕が演奏したんですよ。新しい趣味ができました。たまに家でテレビを見ながら弾いたりします」

映画を通じて変わったことがもう一つあるとしたら、それは“体重”だ。前作のKBS 2TVドラマ「カクシタル」の撮影終了後の痩せすぎだった姿に比べれば、今は少し太っている。それはパク・ギウンが若く見えるためにわざと体重を増やしたからだ。

「今はまた少し体重を減らしたんですが、『シークレット・ミッション』の撮影当時はわざと体重を増やしました。キム・スヒョンさんやイ・ヒョヌさんとかなり年が離れているので。僕は頬肉を増やすと少し若く見えるんですよ(笑) 弟たちと調和を成すために、わざと増やしたんです。体重差がないと体重調節しやすい方です」

最後にパク・ギウンは映画のPRを忘れなかった。「面白く見られる映画です。気軽に楽しんで見てほしいです」と語った。

「映画でこういうヘランの台詞があるんですよ。『思いっきり遊んで帰る』という台詞のように楽しんで見て帰ってほしいですね。ドラマより映画への評価が厳しいのは事実ですよね。偏見を持たずに見て『面白かったな』と帰ってほしいです」

記者 : イ・ウンジ、写真 : ユ・ジニョン