楽童ミュージシャン「冗談のつもりで作った『足組むな』のおかげでここまで来れた」

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写真=SBS

「K-POPスター2」優勝した楽童ミュージシャン…「番組通じて夢を見つけた」

モンゴルからやってきた兄妹は、まだ面食らったような様子だった。SBS「ニュー!日曜日は楽しい-K-POPスターシーズン2」(以下「K-POPスター2」)の決勝戦で優勝者として名前を呼ばれ非常に当惑していた彼らは、依然として「優勝のために挑戦したわけではなかったので、本当に優勝できるとは思わなかった。今も『どうやって私たちが優勝したのだろう』と思う」と話した。

17日午後、ソウル陽川(ヤンチョン)区木洞(モクトン)SBSで、モンゴルの草原を走り回っていた兄妹は、多くの人たちの期待を一身で受けるミュージシャンになっていた。楽童ミュージシャン(イ・チャンヒョク、イ・スヒョン)は「この間あれこれ打ち合わせもして、人々にも会って忙しく過ごした」(イ・スヒョン)、「まだ完成していない自作曲を作った」(イ・チャンヒョク)と近況を伝えた。

「喧嘩もしたし、泣くこともあったが…『K-POPスター2』もう懐かしい」

楽童ミュージシャンにとって「K-POPスター2」は特別な思い出だ。モンゴルで生活しながらホームスクーリング(学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うこと)の合間に少しずつ歌いながら本格的に音楽を始めた彼らは、この番組を通じて自分たちの道を見つけた。イ・チャンヒョクは「『足組むな』は、本当に冗談のつもりで作った歌だった。実際周りの反応がそれほどよくもなかったのに、それが『K-POPスター2』でこれほど褒めてもらうとは思わなかった」と話した。

「一番愛情がある歌は『足組むな』。僕たちをここまで登らせてくれた曲だと思う。実は、僕たちは人々がこの曲をここまで好きになってくれるとは思わなかった。冗談のつもりで作ったのに、歌詞も褒められたので面食らった」(イ・チャンヒョク)

このようにして明るみに出た「足組むな」以降、「クレッシェンド(Crescendo)」「ラーメンなのか」「魅力がある」など楽童ミュージシャンの自作曲は公開早々大いに愛された。自分たちがそれほどに愛された理由を聞くと、彼らは照れながらしばらく笑い、「音楽を飾りつけようとしたこともない。ナチュラルに歌ったから好きになってくれたのでは」と答えた。

人々からの声援も大きな力になったが、楽童ミュージシャンにとってTOP10と共にした合宿生活は忘れられない記憶である。特に妹のイ・スヒョンは、仲間が脱落する度に涙を流す姿がカメラに映ったこともあった。彼女は「モンゴルでも親しい友だちはいたが、このように心を分かち合った友だちは多くなかった。一緒に合宿しながら大切な友だちになったので、一人一人脱落する度に本当に悲しかった」と打ち明けた。

イ・チャンヒョクも「一緒に生放送のステージを準備したTOP10は、どうしても共感する部分も多いし、一緒に苦労したので互いに大きな力になった。『今は大変でも、後で振り返ってみるとそれが全部思い出になって感謝するようになる』と話したことがあるが、今振り返ってみると本当に大変だったことなどひとつも思い浮かばないし、もう懐かしいほどだ」と回想した。


イ・チャンヒョク「妹のスヒョンと合わないのは、身長」

今だから「またやるとしても楽しくできそうだ」と言うが、生放送コンテスト当時のストレスは、ラーメンを食べたりテレビチャンネルを選んだりという些細なことで兄妹の言い争いを起こさせた。イ・チャンヒョクは「互いの長所と短所をあまりにもよく知っているので、インタビューなどで話したこともある」と話し、イ・スヒョンは「あまりにもずっとくっついてばっかりだったので、ストレスが大きかったTOP3からTOP2まで些細な事でたくさん喧嘩した」と伝えた。続いて「自作曲を作る負担みたいなものもあってか、そのようなものが大きく表現される場合もあった」と付け加えた。

「僕もスヒョンの声は魅力があると思う。そこは褒めたいし。僕と合わない部分があるなら、身長だと思う。本当に身長。いつも僕は苦労するんだ。スヒョンがヒールを履くが、僕は高いヒールは履かせない。『スヒョンの方が大きい』という噂が立っていて悔しい」(イ・チャンヒョク)

「私が聞いても兄の曲は新鮮で、本当にいいと思う。短所は……どうしても自分のカラーが強いので、私が兄に意見するとその場でカットされてしまう部分がある。それはあんまりだって」(イ・スヒョン)

にもかかわらず兄妹はこの過程を一緒に耐えながら互いにかけがえのない力になった。生放送進出直前に酷評された時を“危機の瞬間”に挙げた彼らは、チームとして出演しながらメリットが多かったと話した。イ・チャンヒョクは「兄妹なので、相性もよかったし、他人ではできない話もすることができた」と話し、イ・スヒョンは「後になってから兄が女性宿所に引っ越してきて一緒に暮らしたが、それが一番力になった」と感謝の気持ちを表した。

「私たちを見るだけで癒されたらなと思う」

昨年1月に初めて作曲を始めたというイ・チャンヒョクは「最初は知り合いの兄さんがやっているのが素敵だったので、遊び半分で始めた。先輩の10CMの『愛は喫茶銀河水で』をモチーフに最初の作曲をした」と話した。そしてミッションを受け取ると「この歌手、誰?」というほどで、マイケル・ジャクソンが属していたグループジャクソン5もミッションを通じて初めて知ったという。

だから、イ・チャンヒョクはこれからの活動において色々悩んでいる。専門的な音楽の勉強をすべきか悩み始めたのもこのためだ。何より彼は作曲に対して「真剣だ」と熱意を示した。休みの間また自作曲を作っているという彼は「優勝して面食らった気分や嬉しい気持ちを自作曲に盛り込もうとしている」と話した。

自分たちが経験している状況を題材に曲を作るというイ・チャンヒョクは「一番短いのは(作曲に)5分、普通は平均30分から45分くらいかかる」と話した。短時間で曲想を思い浮かべ、それを書き写して初めて自分が表現したかった感じをそのまま伝えられるというのが理由だ。「天才じゃないか」とからかうと、「今でもそんなこと言われると恥ずかしいし、身の置き所がない感じがする」と謙遜した。

「色んな曲を作りたい。自分の作曲パターンは3回くらい変わったが、自作曲1番から20番までの初期の曲は全部純粋でポップな感じの自作曲。その次は『錯視現象』のように、少し音楽的な雰囲気を入れた。その次は、『ラーメンなのか』『クレッシェンド』のように大衆的な部分を取り入れようとした。僕が好きでやっているので、題材に欠けるということはない」(イ・チャンヒョク)

「道で誰なのか気づいてもらえるし、お店ではサービスもしてもらえるので嬉しい。賞金をもらったら靴を買いたいと言ったが、それはプレゼントしてもらえたので、今は洋服を買おうと思う」と言うほどまだ若々しい彼らだが、番組を通じて夢を見つけたと話すときは、これ以上にないほど真剣な表情だった。今や、さらに遠くの未来を見据えているのだ。

イ・チャンヒョクは「これからさらなるご声援で見守っていただければ、より良い自作曲でお会いすることができると思う」と声援を願い、イ・スヒョンは「生活に多くの変化があり、不便な場合もあるがそれさえも感謝している」と感謝を示した。続いて「チームとして多くの方に愛されているので、今後もこの体制でやろうと思う。TOP2の時ゲリラ公演をしたが、その時反応も良かったし、惜しい部分もあったので、ファンの皆さんの顔を近くで見ることができる公演をぜひやってみたい」と力強く話した。

「僕たちが一番重要に思っているのは、『歌う時僕たちの考えを伝えることができたらいいな』という事。実際、僕の考えをできるだけ盛り込んで書いているので、生放送のコンテストでも(自分が書いた)歌詞が多かった。自作曲に自分の考えを取り入れ、皆でそれについて話し合い、その人たちが経験していなくても、それを一緒に理解して、一緒に歩いて行きたいと思う」(イ・チャンヒョク)

「私たちを見るだけで癒すことができる、そんな歌手になりたい。また勉強のせいでやりたいことができない人たちがいたら、聞いてもらいたい話がある。少しでもやりたいことがあったら、挑戦してみてほしい。私たちも『K-POPスター2』をやりながら音楽が好きになって夢を見つけたケースだから」(イ・スヒョン)

記者 : イ・ミナ