「ヘルタースケルター」沢尻エリカ訪韓“日本では整形と薬物中毒はタブーな問題だ”

TVREPORT |

沢尻エリカ(27)が5年ぶりに大衆の前に現れた。

「別に」発言の問題、大麻疑惑、スペイン男性との不倫、ヤクザとのスキャンダル…。沢尻エリカの前にレッテルのように貼られるあまりよくない修飾語だ。“国民の妹”から一瞬にして悪女になった沢尻エリカは、映画「へルタースケルター」(監督:蜷川実花)で華麗に復帰した。

「へルタースケルター」は2004年「手塚治文化賞」を受賞し、日本を熱狂させた同名の原作漫画を映画化した作品だ。デビュー作「さくらん」で鮮やかな世界観を見せた蜷川実花監督がメガホンをとった。

沢尻エリカは、整形の副作用で苦しむトップスターりりこ(沢尻エリカ)役を熱演し、スクリーンを掌握する。蜷川実花監督の鮮やかな色彩と、沢尻エリカの凄まじい演技力が合わさり、127分が飽きる間もなく過ぎていく。

議論も多く、問題も多かった5年間が過ぎて出会った「へルタースケルター」は、沢尻エリカにとってどのような意味があるのだろうか。彼女は今月17日、韓国の取材陣とのインタビューで「『へルタースケルター』は女優としてとても大きな財産だ」と話した。


沢尻エリカとの一問一答

―「パッチギ!」「1リットルの涙」で見せた清純なイメージとまったく違う。「へルタースケルター」に挑戦したきっかけは何か。

沢尻エリカ:蜷川実花監督とは雑誌撮影のときから縁があった。映画監督としてだけでなく、写真作家・蜷川実花のファンだ。監督が私を撮ると全く違う姿に見える。映画も一緒にやってみたいと思っていたところ、映画のオファーがきた。「へルタースケルター」は女優として新たな挑戦だ。

―演技の変身を試みた感想は?

沢尻エリカ:りりこに出会ったことに感謝している。りりこは私に色々な経験をさせてくれた。これまでできなかった演技に挑戦することができ、私がまだ不足しているということに気づくきっかけにもなった。そして、女優としてワンステップ上に上がったという自信を手に入れることができた。少し強いキャラクターじゃないか。女優としてはとても大きな財産となった。

―映画では、美しさを追求する人間の歪んだ欲望にフォーカスを合わせている。美しさとは何だと思うか?

沢尻エリカ:今の自分の姿に満足するのならば、それがその人にとっての美しさだ。最も自然に自分を見つめて、納得できるときが美しいと思う。整形手術を受けて、自分が満足できる顔になったのであれば、それもまた美しさだ。それぞれ美しさを見つける過程と方法は違う。

―りりこが本当に美しいと思うシーンは何か?

沢尻エリカ:「へルタースケルター」の中でりりこは、様々な美しさを持っていると思う。人工的な美しさもあるし、墜落する過程の中で見せてくれた切ない姿も美しいと思う。エンディングの直前、控え室でメイクアップをする姿も私の目には美しかった。アザだらけになって浴室に倒れている姿も感覚的だった。

―役に対する没頭がすごかった。特に準備したことは?

沢尻エリカ:すごい集中力が必要なキャラクターだった。完璧なボディラインとルックスを持つために絶え間なく準備した。りりこがますます精神的に、肉体的に壊れていくじゃないか。そのようなことを表現するために集中した。そのせいか、撮影後半になっていくほど、どんどん痩せていった。りりこの状況と心境に100%ハマったのだ。

―原作が漫画だ。演じるにあたって難しいところはなかったのか?

沢尻エリカ:漫画は想像しながら読むことができるが、映画は違う。特に漫画の台詞をそのまま肉声で読み上げるととても恥ずかしくなる。そのような部分をどうすれば自然に表現できるかかなり悩んだ。

―性接待、麻薬中毒に関する設定が登場する。韓国では性接待に関する映画が制作されたり、睡眠導入剤プロポフォールの問題も現在進行中だ。日本ではどうなのか?

沢尻エリカ:性接待でトップに上り詰める俳優がいるとも聞く。しかし、みんながそういうわけではない。整形と薬物中毒に関する問題も芸能界で深刻な問題にはなっていない。日本ではこのような問題をタブー視する傾向がある。暗黙的了解が存在するのだ。あえて触れないのだ。

―日本で女性監督の立ち位置はどうなのか?

沢尻エリカ:男性監督、年が離れている男性監督と主に作業してきた。蜷川実花監督は女性が考える美しさを表現した。男性が考える美しさと女性が考えるそれとは違うじゃないか。監督とこれからも映画を一緒にやっていきたい。

―トップスターとして、女優としての悩みにはかなり共感したと思うが。

沢尻エリカ:長く芸能界の仕事をしてきたが、スターとしての意識がない人の中の一人だった。普通の人と同じように生きてきた。人が私のことをどう見ようが関係なかった。りりこはスターの品格を見せようとする。私の場合は、りりことまったく違う。外に行くときも楽な服装で出かける。“演技をする人”が根本であり、“スター”が私も根本ではない。

記者 : キム・スジョン 写真 : チョ・ソンジン