【映画レビュー】「新しき世界」チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェの3人を見るだけで!

OhmyStar |


“ノワールの教科書”パク・フンジョン監督の映画「新しき世界」で3人が引き受けた役割

映画「新しき世界」がマスコミに初公開された後、専門家からの好評が殺到している。チェ・ミンシクとファン・ジョンミンという代表的な実力派俳優と、ビジュアルにおいては10年以上、チョン・ウソンと肩を並べ、数多くの女性の憧れとなったイ・ジョンジェの組合せという事実だけで、観客と専門家の両方から期待された。

公開された「新しき世界」は、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェの演技のキャリアとビジュアル、演技の組合せが自然に相乗効果を出し、注目を浴びた。

ベテラン刑事役のカン課長役のチェ・ミンシク(C)サナイピクチャーズ

“配慮”のチェ・ミンシク

チェ・ミンシクは映画で、韓国最大のヤクザ組織に警察イ・ジャソン(イ・ジョンジェ)を組員として潜り込ませ、数年間にわたって彼を利用して情報を得る刑事カン課長役を演じた。ベテラン刑事であるだけに、凄腕の人物だ。

しかし、チェ・ミンシクはカン課長を演じながら、主にイ・ジョンジェとのコンビプレイで自身のオーラを前面に出すよりは底に敷くことで、イ・ジョンジェの呼吸を活かした。

チェ・ミンシクの配慮のお陰で「情事」「太陽はない」「イルマーレ」「オー!ブラザーズ」など、ロマンス映画または、コメディ映画で1990年代に人気を博したイ・ジョンジェにとって、「新しき世界」はターニングポイントになる作品となった。

ヤクザチョン・チョン役のファン・ジョンミン(C)サナイピクチャーズ

“狂気”のファン・ジョンミン

映画「甘い人生」でイ・ビョンホンに向かって卑劣な笑みを浮かべながらナイフを振り回していたファン・ジョンミンを覚えている人が多い。その時のファン・ジョンミンは、主演イ・ビョンホンに負けない殺伐とした存在感で、長く観客の脳裏に残り続けた。

ファン・ジョンミンが昨年成功した映画「ダンシング・クィーン」に、お人よしの弁護士として出演したことに続き、今年は映画「新しき世界」を通じて、180度変わった強烈な姿で戻って来た。映画「甘い人生」よりいっそう義理堅く芯の強い男でありながらも、極限の状況で爆発的な狂気が露になるヤクザとして出演した。

ヤクザに扮し、自身と数年間一緒にヤクザをして来たイ・ジョンジェを本当の弟のように可愛がり、強い義理を見せるが、自身の利益に反する勢力に対しては狂気の目を向け、本音をむき出しにする。

警察としてヤクザの世界に潜入したイ・ジャソン役のイ・ジョンジェ(C)サナイピクチャーズ

“中心”のイ・ジョンジェ

本人自らもチェ・ミンシクとファン・ジョンミンの間でどう生き残るべきか心配したというイ・ジョンジェは、映画「新しき世界」を通じて新たな転換期を迎えたと言っても過言ではない。

警察側から自身を統制する刑事チェ・ミンシクに足を引っ張られ、険しいヤクザの世界でスパイとして生きていくしかない殺伐さ。ここに自身への限りない義理を見せている兄貴のようなヤクザ、ファン・ジョンミン。

その間で葛藤するイ・ジョンジェを見ていると、観客さえも冷や汗が出るほどだ。イ・ジョンジェは2時間と言う映画の上映時間を通して、自身の中心をきちんと守り、状況ごとの微妙な感情を観客に見事に伝えた。

警察としての任務を任されているが、次第に非情になる男たちの世界で、仕方なく自身も生き残るしかないということを悟って行く役割を見事に演じた。荒々しく吹き出す狂気はなかったが、エリート警察またはヤクザのようなイメージで映画の中心をうまくキャッチした。

一言コメント:映画「新しき世界」は、3人の俳優の演技の組合せと、それぞれの演技のトーンをじっくり観察するだけでも、見事な“ノワールの教科書”のような感動を伝える。

記者 : チョ・キョンイ