ハン・ヒョジュのターニングポイントは今!…「ファイヤー・ブラスト」が残したもの

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ギリシャ文字の1番目と2番目の文字であるアルファとベータを合わせて、アルファベットという言葉ができたという説を思い浮かべてみる。またアルファは「始まり」を、オメガは「終わり」を象徴する言葉でもある。それではベータは?よく分からない。とにかくインタビューを通じて、スターの始まりと終わりを全て知り尽くすことはできない。実際、映画の話だけでもギリギリな時間だが、新しいことが無いのも事実だ。そこでスターの周辺の話をしてみたいと思った。誤解はしないように。排他的(韓国語でベータと発音が同じ)ではなく、ベータ的だ。スターに対する格別な愛情を盛り込んだという意味でもある。もちろん、映画の話も登場する。/編集者注

1年ぶりに、また恋の話だった。しかし前回より気楽で愉快な恋だった。約1年前にソ・ジソブと「ただ君だけ」を通じて色濃いロマンスの余韻を残したハン・ヒョジュが、レモン100個を一気にかじったような爽やかさで戻ってきた。「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」を通じて。

「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」でハン・ヒョジュのキャラクターは、実力と美貌を備えた医師、つまり、プライドが高く、何一つ不自由していない、スーパーウーマンだった。自身の感情に正直で、明るい人物。だからと言って傍若無人なわけではない。幼い頃のトラウマという、はっきりとした理由で医師になったため、他人への格別な愛情も持っている、温かい都会の女性でもある。

写真=ORMピクチャーズ

「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」を通じて、女優ハン・ヒョジュが得たものは?

映画「王になった男」と複数のCMを一緒にしていた時に「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」に出会った。比較的自身が演じるキャラクターに影響されるようだと、ハン・ヒョジュは当時を思い返した。親しい仲でないと、自身の考えや感情を表現しない性格だと言っていたが、カメラのCMと「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」で多彩な表情を見せながら、自身もかなり明るくなった時だったようだ。

演技の楽しみを感じている時のようだという質問に、ハン・ヒョジュは彼女ならではの笑顔で「そう全部映画に盛り込まれていたみたいでした」と、嬉しそうに答えた。「まるで自分の体にぴったりの服を着た感じ?」と例えながら質問した。映画「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」を通じてハン・ヒョジュにどのような変化が起きたのか。

「このように気楽に楽しく演技したことはないと思います。ロケもサークルの旅行に行くような感じでした。監督がそのような雰囲気にしてくださった面もあります。私が欲張りで、頑張らなければというプレッシャーを感じていることを、見抜いてくださったと思います。監督が私に、何もしなくても良いと、心配する必要はないとおっしゃったのです。最初は『何だろう?あの底知れぬ自信は』そのように思ったりもしたんですが(笑) 監督が気楽に接してくださったので、スタッフの方とも友達のように撮影できました」

このような撮影現場は初めてだったという。人々と馴染み、気兼ねなく接する方法を身に付け、演技へのプレッシャーも失くすことができたそうだ。だから気楽に恋人を演じることもできた。


「女優だからと言って常にイメージチェンジする必要はないと分かりました」

ハン・ヒョジュはライジングスターから名実共にスター女優として成長する途中である。2003年にデビューしてから、もちろん更に成長する必要のある位置にいるが、大衆性の面で十分に認知度を上げている女優の1人だ。そのような視線を意識したからか、ハン・ヒョジュは今まで自身を苦しめる時間が多かったと告白した。

「演技への欲求は今まで本当に強かったと思います。私の能力以上のものを欲しがりました。自分への基準が高く、それだけの結果が出ないとがっかりしていました。出来ないのは仕方がないことなのに、自ら責めたりしてスランプになり、苦しみました。

今回の作品を通じて楽しくやっていく方法を身に付けました。本当に楽になりました!人々の視線にも慣れましたし。演技がうまいという言葉?その基準は曖昧でしょう?不安に思うより楽しむのが一番だなと思いました。映画もドラマも撮影時間は本当に短いです。長くても3、4ヶ月?その時間にどのように臨むのかによって、自分にとって思い出になることも、そうでないこともあります。

価値のある時間の過ごし方を身に付けたと言いましょうか。女優だからといって常にイメージチェンジする必要はないということが分かりました。できる部分を精巧に整え、表現するほうが良い時もあるのです」

同じ恋の話であるが、だからこそ「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」より「ただ君だけ」の時が本当に残念だったと言うハン・ヒョジュ。自身にとって敏感な時期でもあったそうだ。撮影現場では1人で隠れていたり、演技をする時は始めて演技をするみたいに震えたり、緊張したという。楽しみながら演じる方法をその時も知っていれば、どうだっただろうか。もちろん視覚障がい者であるうえ、心に傷を受ける女性の役なだけに簡単ではなかっただろう。そう考えると、悟りもまた自然に訪れるものだ。今の姿がやはり、もっとも適切なハン・ヒョジュの姿ではないだろうか。


ハン・ヒョジュの幸福追求権を見習おう「毎日ありがとうと言います」

インタビューのかなりの時間を演技の話に割愛するほど、ハン・ヒョジュは仕事熱心だった。これからは濃い恋もした方が良いのではないかと訊ねると「まず、そのような人が現れて欲しい!」と笑っていた彼女だった。

「ミスのように私が積極的に変われる人であれば良いと思います。私は多少消極的なようです。度胸もありませんし、そして仕事が多いので。常に働いていましたし、本当に頑張っていると思います。恋についてはそれだけ頑張れるかなとも思いました」

もちろん恋には時期が無いということをハン・ヒョジュも知っていた。時間があるからと言って出来ることではないと言うが「早めに結婚をするにはもう遅い」とし「自我を探し、たくさん経験して、恋を探すのも悪くない」と思ったという。ここで参考までに、ハン・ヒョジュの理想のタイプとは?理想と言うのは大げさだが、「第一印象で惹かれる人よりは、時間が経つほど惹かれる人が良い」と語った。ここで「もしかして私?」と聞くと「異性でも同性でも関係ない」と一線を引く余裕を見せた。

仕事と自分自身のケアが最近のハン・ヒョジュのテーマだった。愛と言っても、ここには他人と共に自分自身への愛も含まれていた。誰もがそうであるように、自分自身を愛してこそ、他人も愛することができるのではないか。

「前は心の中に引っかかることがあっても見過ごしたが、今は自分自身をきちんと省みます。『引っかかる?何が引っかかる?引っかかるのであれば、あえてしなくても良いのでは?』のように。最近スケジュールが多くて、疲れますが、毎日感謝しています。今までは常に褒めてもらいたかったし、うまくやりたかったです。思うように行かないと自分を責めたりもしました。実は最近の社会の雰囲気がそれを促す面もあると思います。実はそこまでする必要もないのに、本人が求めることをすれば良いのに、すべてのことを競争にしてしまうからです」

幸せ。ハン・ヒョジュはこれについて「今、この瞬間が幸せだと言うのは贅沢だし、ただ今が良いので感謝している」と答えた。とても平凡に見えるが、実はこの言葉、心の中から思わないと言えない言葉でもある。これが内面が成長しているハン・ヒョジュから学ぶべきことだ。感謝する方法である。

「目を閉じる時3回、目覚めてから3回、ありがとうと言います。本当に些細な行動ですが、そうすると一日が違います(笑)」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル