ノ・ジフン“謙虚なアイドルではなく堂々としたアーティストに”

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青少年サッカーの韓国代表としてグラウンドを駆け回った。ワールドカップに出場するのが一番の夢だった。怪我をしてからは、二度とサッカーシューズを履かなかった。運動をしながら口ずさんでいた歌をちゃんと歌ってみたかった。そうでもして、新たな希望を抱きたかった。最後の挑戦でMBC「偉大な誕生」に出演し、“オーディション出身歌手”というタイトルを獲得した。新人歌手ノ・ジフンのことだ。

TOP8で止まった最初の挑戦

「偉大な誕生」でバン・シヒョクメンター(良き指導者)の目につき、TOP8まで上がった。生放送のステージに初めて上がったが、音がずれるなどのミスをし疾走は止まった。脱落する直前に前所属事務所との契約やシングル発売について世の中に明かされた。幸い、潜在能力を高く評価してくれたCUBEエンターテインメントに所属することになった。そして、苦労は終わると期待していた。

しかし、心が安らかだった時はデビューするまで一日もなかった。1年6ヶ月の間、デビューステージを夢見て、歯を食いしばった。自分を閉じ込めていた殻を破り、20年以上の人生で気づかなかった自分を再発見した。歌とダンスの練習に邁進した。疲れて苦しくなるたびに本を手に取った。おかげでヒーリングも可能だった。投資した時間の分だけ、得たものが多かった。

歌手RAIN(ピ)を超える、その日まで

デビュー曲「罰を受けてるのかな」を準備しながら悪い男について研究し始めた。ステージの上で歌い、ダンスを踊りながら同時に悪い男のキャラクターに変身する。優しそうな顔で、NOとは言えなかったノ・ジフンが愛する女性を冷たく突き放す冷血な男に変わった。いきなりの変化に驚く周りの人々の反応が楽しい。

「RAINを超えられる」という所属事務所代表からの絶賛が嬉しかった。RAIN先輩と一緒に名前が呼ばれること自体が光栄だ。プレッシャーより、責任感が大きかった。期待が大きくなるほど、自分を厳しく鍛錬させる。立てた目標は必ず達成しなければならないという欲求が沸き起こる。アスリートの経験からしても、適度の緊張がより良いプレーを作ることを知っている。

実力派アーティスト、堂々としたノ・ジフンへ

まだやるべきことが多い。歌唱力にフォーカスを合わせた歌、甘くて愛情が感じられるステージ、セクシーで肉体美溢れる姿も見せなければならない。ミュージックビデオで初めて挑戦した演技も細かく準備をした。毎晩、眠る前に次の日を思い浮かべてみる。運動していた時から、イメージトレーニングを習慣のように繰り返している。おかげで突発的な状況への対処に優れている。どんなことが起きても自信がある。

同じ世代とは違う23年間を生きた。若くして親を亡くし、一生の目標が一日にして崩れてしまった。歯を食いしばって立ち上がった時、違う道が見えた。不可能はないという自己暗示で今まで走ってきた。すべてのことには必ず理由があると信じている。謙虚さを言い訳に雰囲気に流されていくアイドルは拒否する。実力を備えて堂々とした魅力で勝負するアーティストになる。それが、ノ・ジフンが今を生きている理由だ。

記者 : キム・イェナ、写真 : チョ・ソンジン