ノ・ジフン“二度と現れないアーティスト”でありたい

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「偉大な誕生」以降1年6ヶ月の準備を経てデビューしたノ・ジフン

この男を見ると、チョコレートが思い浮かぶ。限りなく甘そうだが、若干の苦さを残しているためだ。最初の出会いは比較的甘いものだった。1年6ヶ月の練習の末にデビューを控えた彼は、大いに興奮していた。しかし、プロの世界へ一歩を踏み出した後、改めて会った彼は以前とは違う姿だった。過去を振り返り、今後の人生を設計する彼の姿からは、真剣さが感じられた。23歳の終わり際に、新しい挑戦を始めた歌手ノ・ジフンに会った。

「デビューショーケース以降、本格的に活動が始まった」と話を切り出した彼は、与えられた状況を楽しんでいた。MBCのFMラジオ「シンドンの退屈打破」では、おじさんパンツに鼻水扮装をして、弘大(ホンデ)でベルトを持って上下に動かすベルトダンスを踊れという耐え難い罰ゲームまで受けたが、彼は「タイトル(デビュー曲の題名『罰を受けてるのかな』)通りになるのかな」とただ笑っていた。彼にプロのアーティストとして初出演した音楽番組の楽屋の雰囲気を聞いてみた。

「楽屋に入るまでは少し浮かれていたが、楽屋に入った瞬間先輩アーティストたちのオーラを感じた。『プロの世界に入った』という感じが強くした。決して容易いところではないと思った。キム・ジャンフン、キム・ジョングク、EPIK HIGH、K.will先輩たちと楽屋を一緒に使わせてもらったが、息が詰まる思いだった(笑) 先輩たちに色々とアドバイスもしてもらった」

この1年6ヶ月の間、毎日充実していたが、厳しい時もあった。“デビュー”という二文字がとても遠く感じられたからだ。ノ・ジフンは「文字通り、スランプのような感じだった」とし「肉体的にも精神的にも厳しかったが、周りの友だちのように酒を飲んで遊びながらストレスを解消することはできなかったので、主に本を読んだ」と打ち明けた。彼のオススメの本は、惠敏(ヘミン)法師の書いた「止まれば初めて見えるもの」で、たくさんの癒しを受けたとのことだ。


ステージの上では“セクシーな”悪い男、現実では…?

MBCオーディション番組「偉大な誕生」に出演するまでは、彼をそんなにセクシーだとは思わなかった。彼のステージを見た知人たちも「元々こんなにセクシーだったのか」という反応だったそうだ。“悪い男”というコンセプトがとても似合っていたが、ノ・ジフンは「実際に恋愛をする時は、優しい方だ。ただ意外性が好きなので、思いもよらないイベントを開いたりする」と伝えた。

しかし、副作用もある。記念日に合わせて“サプライズ”キャンドルイベントを行うため、恋人にわざと別れ話を持ちだしたそうだ。彼女に涙を流させた後、彼女の友達に頼んで学校の運動場に呼び出してもらい、キャンドルイベントを開いたという。より大きな感動を得るための方法だったとしても、下手したら本当に分かれる可能性もある話だ。

「コンセプトのせいで『ワガママそう』『うわべだけのように見える』などといった誤解をされる」というノ・ジフンは「僕には二面性があると言われた。笑わないと強く、黒いオーラが出ているが、笑えば意外な気がしていいと言われた。二面性のある自分の姿が気に入っている。年下も、年上の女性の心もつかめると思う」と満足していた。

実際彼には、年上の女性ファンが多い。彼のファンたちはノ・ジフンを「ジフンさん」と呼び、必ず敬語を使うそうだ。ノ・ジフンは「プレゼントも主に健康食、ブランド品、ベルトなどが多い。シンセサイザーをもらったこともある。平凡でない、特別なものをと言ってプレゼントしてくれた。ファンがそう思ってくれるように、僕も平凡でない、特別なアーティストにならなければと思う」と話した。

「偉大な誕生」当時、悪質な書き込みに悩まされて心理治療まで受けた彼だが、最近も悪質な書き込みを読まずにはいられないという。褒める書き込みをみると、かえって不安になるそうだ。「RAIN(ピ)とSE7EN先輩を乗り越え、PSY(サイ)先輩やジャスティン・ビーバーと肩を並べるワールドスターになりたい」という彼は、「たゆまず努力すれば、世界的なスターになれるのではないか」と微笑んだ。

「“二度と現れないアーティスト”ノ・ジフンでありたい。関係者の人たちからも、『ノ・ジフンのような人?次はもう二度と現れないだろう』と言われたい。究極の目標は、他人を立ち上がらせる人物になることだ。お手本になれて、希望を与えられる存在になりたい」

記者 : イ・ジョンミン、イ・オンヒョク、写真 : イ・ジョンミン