「馬医」チェ・ボムホ“同期のチャン・ドンゴンは親指、僕は小指”

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写真=MBC「馬医」、OCN「特殊事件専門担当班TEN」スクリーンショット、映画「道」スチールカット
MBCドラマ「馬医」で惠民署(ヘミンソ:朝鮮王朝時代に設置された官庁・医療施設)の教授チョ・ジョンチョル役を演じている俳優。顔も、声も見覚えがある。しかしどの作品で見たのかすぐに思い出せない、この失礼な記憶力。確かなのは“名助演”として私の記憶の中に残っているということだ。

その俳優の名前はチェ・ボムホ。1964年生まれの彼は、1992年にMBC21期公採タレントとしてデビューした。「馬医」の他にも、イ・ビョンフン監督の作品「白い巨塔」「ヒーロー(HERO)」などに出演した。

ケーブルチャネルOCN「特殊事件専門担当班TEN」では中年のチョン・ウシク局長を、RAIN(ピ)とシン・セギョン主演の映画「リターン・トゥ・ベース」では航空戦の大将を演じた。

汝矣島(ヨイド)MBCで会ったチェ・ボムホの印象は、劇中の姿より若く、強烈だった。公採タレントであるだけに、彼は知り合いとのあいさつに忙しかった。掃除をしていたおばさんも彼に明るい笑顔であいさつをするくらいだった。温かい人間性が自然に感じられる俳優だった。

彼は自身を“端役俳優”だと謙遜しながらも、「僕は大切な人だ」と言った。彼のポジティブなエネルギーにはまってしまった。

「イ・ビョンフン監督のペルソナ?初めて聞いた」

「馬医」で欠かせない助演として活躍しているチェ・ボムホ。これまでイ・ビョンフン監督の様々な作品に出演してきた。彼くらいなら、イ・ビョンフン監督のペルソナと呼ばれても十分だと思って、聞いてみた。

するとチェ・ボムホは「初めて聞いた」と笑い出した。そして「その言葉が似合うのは僕ではなく、イ・ヒドさん、ソ・ボムシクさん、ヒョンシクさん、メン・サンフンさんなどだ」と付け加えた。

彼は内官役で出演したMBC「イ・サン」でイ・ビョンフン監督に初めて出会った。以降「ホジュン~宮廷医官への道~」と「宮廷女官チャングムの誓い」に端役として出演した。「商道-サンド-」では5、6話ほど出演した。

しかしチェ・ボムホは「『トンイ』には出演することができなかった。『イ・サン』に出演した俳優は『トンイ』に出演できないと言われた。ところがイ・ヒド兄さんは『トンイ』にも出演した」とし「知名度やキャラクターなどが足りなかった」と自身のことを評価した。

「実際、僕は『チェ・ボムホは誰々監督の師団』と言われたくて、努力してきた。特定の脚本家や監督の作品に特定の俳優が主に出演するということは、俳優も視聴者も知っている。特定の監督が好む俳優のリストに入りたかったし、そのメリットを享受したかった。しかしそうできなかったから、時には弱い気持ちになる」


「チャン・ドンゴンは親指、僕は小指」

終始チェ・ボムホの謙遜した態度が目立った。彼は、実は過去に自責の念を抱いていたと告白した。“僕は愚かな人”というトラウマは彼が高校に入学する時から始まったという。

「文系の高校の試験に落ちたことで衝撃を受けた。僕は愚かな人だと思った。農業高校に進学し、女子学生たちと遊んだり、タバコを吸ったりして過ごした。大学入学試験で浪人してやっと大学に入学した。国立大学なので演劇映画学科はなかった。食事を提供してくれると言うから、演劇部に入った。その後、学科の勉強はせず、演劇の練習ばかりした。親にずっと親孝行できなかったなと思う。親の期待に応えることができず、いつも悲しませた」

チェ・ボムホは大学を卒業した後、とにかくソウルに向かった。営業、児童用ビデオ制作など、様々な仕事をしながらも俳優になるための努力は続けた。その結果、5~6回の落選の末、やっとMBC21期公採タレントになった。しかし「タレント」にはなれたものの、役者の道はなかなか開けなかった。

「ドラマに出演した僕を見た知り合いは『もうちょっとたくさん出ると思ったのに、終わってしまった』という反応を見せた。僕はなぜこうなんだろう、もっと成功するためにはどうすればいいのか、知り合いの監督や脚本家に認められなければならないと思った。人生の目的は成功すること、人々に認められることだった。しかし時間が経つにつれ、仕事がなくても車がなくても、僕は大切な人だと気付くようになった」

チェ・ボムホがこのような劣等感を持つようになった背景には、トップレベルの俳優になった同期のことがあった。彼の公採タレントの同期はチャン・ドンゴン、パク・チュミ、キム・ウォニなどだ。彼は現在、高い人気を博している彼らを親指に、自身のことをみすぼらしくて小さい小指に例えた。そう言いながらも「指は5本が揃わなければならない。どんな指でも価値はある」と説明した。

チェ・ボムホは「俳優として20年間生きてきた。僕は今、俳優人生のハーフタイムに立っていると思う。残りの時間は前半のように生きたくないと思って、努力している」と覚悟を固めた。

「人の命を生かせる俳優になりたい。端役俳優、エキストラは一つの職業に過ぎない。少し人気がないから、端役だからといって自責の念を持ちたくはない。まだ人生の方向を見つけていない人々の力になれる俳優になりたい。配役は重要じゃない。厳しい環境にいる誰かに手を差し伸べることができる俳優になりたい」

記者 : ソン・ヒョジョン