不可解かつ奇妙な「優しい男」“そこに恋がある”

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写真=KBS
24日に韓国で放送されたKBSのドラマ「優しい男」は、多少不可解だった。全体的に難解な台詞に背景、そして難しいストーリーでドラマの流れが一貫していた。そのため、一部のネットユーザーたちから「24日の放送に共感できなかった」という不満も出てきた。

そのような反応が、ある面では理解できた。この日のドラマは、息が詰まるような重さでいっぱいだったからだ。特にカン・マル(ソン・ジュンギ)がハン・ジェヒ(パク・シヨン)側から濡れ衣を着せられるシーンは、見守る視聴者の心まで落ち込ませるくらいだった。


「優しい男」不可解だが、共感できる理由

24日、テサングループを手に入れたハン・ジェヒは、カン・マルを窮地へ追い込んだ。カン・マルが過去に“産業スパイ”だったことを理由に、彼がテサングループの機密を売り飛ばしたという濡れ衣を着せたのだ。

「私が保証するけど、今回はあなた、抜け出せないわよ。あなたがそうだという証拠は世の中どこにでもあるけれど、あなたがそうでないという証拠は世の中のどこにもないから。だから、今からでも全部手放して出て行って。あなたが全部手放して出て行ったら、告訴も取り下げるし、知り合いの検察官に頼んで司法処理まで行くのはどうにかして止めてみるから。私はあなたのことを見逃す気は絶対無いけれど、あなたが刑務所に行ってしまったら、あなただけを信じているソ・ウンギ(ムン・チェウォン)とカン・チョコ(イ・ユビ)はどうするの。まあ、残念なことね」(ハン・ジェヒ)

ハン・ジェヒの広言の中、カン・マルが問題を解決する過程としては理解し難い部分があった。テサングループ側が特に法的には問題にしなかったにも関わらず、検察官に自分の昔の過失までさらけ出しながら真実を明らかにする、大変な道を選択したためだ。

ソ・ウンギの行動も視聴者をはらはらさせた。一人でハン・ジェヒの家を訪ね、危機を自ら招いたのだ。分別のないソ・ウンギの行動に、カン・マルの心は休まる間がない。記憶喪失であるソ・ウンギの危なっかしい行動は、見守る人々の心を重くした。


「優しい男」そこには“恋”があった

この日の放送で、ハン・ジェヒ側はソ・ウンギが“脳損傷”を負ったことを確信した。そしてそれをもとに、また違う計略を立てた。ハン・ジェヒの側近のアン弁護士は、“禁治産請求(心神喪失者を保護するため、法律上自分で財産を管理・処理できないものとして後見をつけること)”を行い、ソ・ウンギの財産を法定代理人であるハン・ジェヒ会長へ回す陰謀を図ったのだ。

そのため、今後カン・マルとソ・ウンギがさらなる危機に立たされることが予想される。弱り目に祟り目で、この日ソ・ウンギは放送の最後で、カン・マルに対する記憶を全て失くしてしまった。

このように24日の「優しい男」は、ある視聴者にとっては見るのがつらい内容だった。不可解な台詞、重いストーリー、ソ・ウンギの記憶喪失とそれによる危機が派生され続けていた。“ソ・ウンギの記憶探し”が決して簡単ではないだろうということが分かってきたのである。

「正直言って他の記憶はどうでもいいけど、マルさんとの記憶は取り戻したい。そうしたいの。私達がどのように出会ってどのように恋して、何を話して、何を聞いて、何を夢見たか、私、それを全部思い出したい」(ソ・ウンギ)

しかしなぜだろうか。それにも関わらず「優しい男」には、その“つらさ”を克服する“共感”があった。ほかでもない、恋だった。自分の“恋の思い出”を取り戻したい一人の女性、そしてその恋人のためにすべてを投げ捨てる一人の男性の物語が、感動を呼ぶのである。

「いつか、私に飽きて、私が鬱陶しくなって面倒になったら、私から逃げるんでしょう?」(ソ・ウンギ)
「そんなことない」(カン・マル)
「人の心って、分からないものよ」(ソ・ウンギ)
「僕の心は、僕が知っている。飽きもしないし、鬱陶しくなったり面倒にもならない、絶対逃げも……逃げもしない」(カン・マル)

カン・マルとソ・ウンギ、彼らの切ない会話が長い余韻を残した。

記者 : クァク・ジンソン