「勝負の神」東方神起とUV出演も視聴率低迷…なぜ?

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「無限に挑戦」を真似たMBC「僕らの日曜の夜-勝負の神」右往左往の下り坂

今年7月に終了したMBC労働組合のストライキが真っ只中だった頃、「無限に挑戦」は愛される番組の象徴として注目されていた。視聴者は「『無限に挑戦』を観たい」と叫び、労働組合と会社側はそれぞれ違う思惑で「無限に挑戦」の放送延期が及ぼす影響に敏感になっていた。演出を担当するキム・テホプロデューサーの足取りについても色々な話が出た。いちバラエティ番組の力を、あの時ほど実感したことはなかったような気がする。

当時「無限に挑戦」がそれだけ話題となった背景には、通常の人気の他にも理由があった。「ハハ対ホンチョル」編の最終回に対する視聴者の関心が大きかったということだ。同い歳のハハとノ・ホンチョルが、どちらが兄なのかを決めるために「どちらが缶を短時間で開けれるか」「フリースロー」「どちらがコインを速く拾えるか」などのゲームを展開したこのコーナーは、1月28日に韓国で第2回が放送された後、ストライキのせいで第3回が何ヶ月間も延期されることになった。3400人に及ぶ観客が、二人のうち勝つと思う方を選び、もし選んだ方が負けた場合は脱落するという大規模なイベントも同時に行ったため、このコーナーへの視聴者の関心は一層強くなった。対決の結果を最終的にすべて当てた一人が自動車を貰えることになっていたため、更に話題となった。ハハが“達人”キム・ビョンマンに個人レッスンを受け、ノ・ホンチョルがネットで有名な講師の短期速成授業を受けて勝負に備える場面は、このコーナーのもう一つの見所だった。

緊張感のない勝負に視聴者が背を向ける

「無限に挑戦」の1回で終わったこのイベントを、MBCはストライキが終わってから独立した番組として編成した。ストライキ終了から1ヶ月も経たない8月19日に、「勝負の神」が「僕らの日曜の夜」のコーナーとして登場したのだ。観客数は1500人に減らしたが、参加形式は「無限に挑戦」の「ハハ対ホンチョル」編とほぼ同じだった。出演者の勝負は通常2回に分けて放送される。「僕らの日曜の夜」のもうひとつのコーナー、「私は歌手だ2」の視聴率が5%で推移する中、「勝負の神」の初回放送は3.6%(AGBニールセン・メディアリサーチ 全国基準)を記録し、それなりに期待を集めた。しかし、回を重ねるごとに視聴率が低下し、韓国で10月14日に放送された第9回の視聴率は1.9%に止まった。

「勝負の神」の不振は、裏番組の好調ぶりとも関係がある。同じ時間帯のSBS「ニュー!日曜日は楽しい-キム・ビョンマンのジャングルの法則 in マダガスカル」(以下「ジャングルの法則3」)と、KBS 2TV「ハッピーサンデー-男子の資格」(以下「男子の資格」)が人気を集めているためだ。「ジャングルの法則3」は、海外ロケを通じてマダガスカルなどの豊富な見所を提供し、「男子の資格」はメインの合唱団プロジェクトが視聴者の関心を集めている。しかし「勝負の神」の視聴率低下は、このような外的要因だけによるものではない。

何よりも勝負自体に緊張感がないということが問題だ。「無限に挑戦」では「コイン拾い」や「缶開け」などの些細なゲームが、運動競技顔負けの緊張感を作りだしていた。爪が短いハハの弱点を利用するなどの“卑怯さ”に、ユ・ジェソク、パク・ミョンスなどMCのセンスが加わり笑いを誘った。「勝負の神」もこれをベンチマーキングし「ヌンチャクでろうそくを消そう」「涙を早く流そう」などのミッションを登場させたが、「無限に挑戦」に比べるとどこか物足りない部分がある。更に複数の種目が8~10ラウンドという長いスパンで行われるため、観ている方は退屈だ。ゲームの進行が遅いので視聴者は直ぐに飽きてしまう。


対決の“理由”と“報酬”をはっきりしなければ

14日の放送では“韓流スター”東方神起(ユンホ、チャンミン)と“梨泰院(イテウォン)スター”UV(ユ・セユン、Muzie)が体を張った激しい試合を繰り広げるも、視聴率は2%にも至らなかった。大物スターの起用も無駄に終わる結果となった。この対決はスランプに陥っている「僕らの日曜の夜」の希望の星として期待されたが、むしろスランプをさらに加速させた。

それでは脱出口はどこにあるのだろうか。まず、キム・ヨンマン、タク・ジェフン、キム・スロ、ノ・ホンチョル、キム・ナヨンにRAINBOWのジェギョンと俳優のイ・ジェユンなど、7人もいるMCを、どのような形であれ整理する必要がある。MCが多いため、それぞれの役割がはっきりせず、右往左往している姿に不安を感じる。ゲストとして出演する両チームのキャラクターも、対決状況に見合う形ではっきりと設定する必要がある。東方神起とUVの対決を“最強のライバル戦”だとか“世紀の対決”と騒いだが、視聴者にとっては納得し難かった。対決の“名目と理由”“結果に対する罰と報酬”がはっきりしていないためだ。面白さを追求した勝負だとしても、目的がはっきりしていないと視聴者は集中できない。同い年のハハとノ・ホンチョルが「どちらが兄なのかを決める」ために死にもの狂いで勝負に挑む姿は滑稽だが、それなりに説得力があるのだ。

すでにある番組の人気コーナーを、レギュラー番組に拡大編成することは、ある種の冒険だ。“ハハ対ノ・ホンチョル”の勝負は一度は視聴者の注目を浴びたが、それを続けた場合、視聴者が飽きないかをよく検討すべきだった。スランプに陥った「僕らの日曜の夜」を救おうとする焦りと、ストライキ後のMBCバラエティの復活を急ぐ緊急さがあったことは確かだが、緻密な戦略と精巧な準備なしで成功することの難しさを「勝負の神」が証明したと言えるであろう。

記者 : ホ・ジョンユン