Vol.1 ― さらば!「応答せよ1997」:SPECIAL INTERVIEW

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農薬のようなドラマ、tvN「応答せよ1997」

KBS2ドラマ「ドリームハイ」は、“農薬のような女”という流行語を残した。田舎くさいサムドン(キム・スヒョン)が、いくら払い落とそうとしても払い落とせない恋心から、ヘミ(miss A スジ)にこぼした愚痴だ。偶然か必然か、「ドリームハイ」の制作チームとのキャストミーティングの時、ソ・イングクは訛りを使う田舎くさいキャラクターが一人いるのも面白くないかという提案をしたという。望んでいた「ドリームハイ」への出演は果たされなかったが、その代わり、“農薬のようなドラマ”であるtvN「応答せよ1997」で、釜山訛りで言う主人公のユンジェ(ソ・イングク)役を演じて、名実共にスターになった。オーディションブームを巻き起こした「SUPER STAR K」の初優勝者だが、スターと呼ぶほどではなかったソ・イングク。彼が訛りで全国を虜にするとは。人間万事塞翁が馬、人生の禍福は転々として予測できないようだ。

その通りだ。農薬のようだという表現がこれほどよく似合うとは。1時間の間、笑わせたり、泣かせたり、これほど人を狂わせるドラマは滅多にない。刺激的な内容だらけのドラマが溢れている中、悪役もなく、陰謀や罠もなく、裕福な室長や本部長さえいないドラマがこれほど面白いとは。しかも、本放送を見て、再放送を繰り返して見ても、第1話から再度見始めても飽きない。飽きるどころか、気付いていなかったことがどんどん目に入ってくる。ドラマは終わったが、このブームは長く続くだろう。

ドラマに弾みがつき始めると、いろんなマスコミからの電話が殺到した。人気の秘訣はなんですか、長所を話してください。私がこのドラマの好きな理由について夜更かししてまで話しても話し足りないくらいだ。でも、話を始めている以上、その中でいくつか触れてみようと思う。

第一に、二人の子供の母である私としては、シウォン(Apink チョン・ウンジ)とその母(イ・イルファ)、この母と娘の関係が何よりも好きだった。いや、厳密に言うと、シウォンに対する母親の態度が羨ましかった。自身の子に望むことのない母親、子供がただ自身のそばにいるだけで十分な母親だから。大事な子供を亡くした辛い経験があるからか、娘に何かと注文したり、叱ることがまったくなかった。私を含め、母という人は、なぜこの大切な真理を忘れているのだろう。子供は存在するだけで親孝行であるという事実を。そして、自分の子だけを重んじるのではなくて、他人の子も、自分が生んだ子と同じく大事に思う、本当に心の温かい母親ではないか。シウォンが誰よりもポジティブな性格を持っているのは当たり前だ。このような母親が育てた子が捻くれているはずがない。

第二に、今となってはドラマはもちろんのこと、現実の世界でも関心を見せない“兄弟愛”を取り扱ったことが嬉しい。過去には米ドラマ「Rich Man, Poor Man」を皮切りに、兄弟愛を取り扱った映画やドラマが多かった。今はいつも兄弟間で財産を巡って争っている内容だが、韓国のテレビでもチェ・スジョンとペ・ヨンジュンが兄弟だったKBS2「初恋」の時までは、兄弟同士の絆を大事にしていたようだ。あ、そうだ。言ってみれば「初恋」も1997年度の作品だった。とにかく、女性の私としては分からない感情だが、弟のユンジェと電話で話している途中、いきなり電話が不通になると、服まで逆に着てしまうほど急いで走ってきた兄のテウン(ソン・ジョンホ)が、弟の安否を確認してやっと安心する姿を見て、“まさにそれが兄弟愛だな”と思った。シウォンを長らく待ってきたが、シウォンへのユンジェの気持ちを知った後、テウンが折れて“兄が悪かった”というメールを送った。そこに、シウォンの両親世代のストーリーまで加わって、内容はもっと深くなった。

第三に、男性が男性を愛する性のアイデンティティ問題。実際、これまでテレビがこの部分を開花させることに大きな役割を果たして来た。「セックス・アンド・ザ・シティ」「フレンズ」のような米ドラマから、ソン・チャンウィとイ・サンウがカップルとして登場し話題になった「人生は美しい」に至る間、私たちの思いは随分変わっている。だが、「人生は美しい」を見る間、ずっと偏見を捨てよう、先入観を持ってはいけないと思ったが、正直、依然としていささか好まない気持ちは残っていた。理解しようと努力はしたが、完璧に理解したとは堂々と話せなかったということだ。だが、不思議なことに、ユンジェに自身の感情を打ち明けるジュニ(INFINITE ホヤ)を見るときはそのような距離感がまったく感じられなかった。ただ、単純に人が人を好む感情として受け入れることができた。制作チームがキャラクターをうまく作ったのか?それとも俳優が持っている特別な魅力によるものか?あまりにも興味がわいて、直接ジュニ役を演じたホヤ君に会いに行った。しかも台風「サンバ」が上陸して豪雨が降っていた日に。

文:コラムニスト チョン・ソクヒ

「NAVER スペシャルインタビュー」では、今話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。

記者 : チョン・ソクヒ