BEAST、4Minuteなど…K-POP全盛期におけるグローバルマーケティングのすべて
OhmyStar |
“スターを育てる神の手”CUBEエンターテインメントのグローバルマーケティングチーム
K-POP歌手の海外活動が一般化されるにつれて、各芸能事務所には重要なチームが作られた。グローバルマーケティングを担当するチームだ。多くの人々がグローバルマーケティングに関心を持つが、その業務の詳細は明確に知られていない。
スターの後ろで、スターが輝くように手伝う芸能界従事者を地道にインタビューしてきた「OhmyStar」では、韓国国内だけでなく、海外でもスターが実力を発揮できるように努力するグローバルマーケティングチームのメンバーに会い、“グローバルマーケティングのすべて”について探ってみた。
CUBEエンターテインメントのグローバルマーケティングチームのイ・ヨンス(27)さんは、カナダで心理学を専攻し、韓国の芸能界に関心を持つようになった。日頃から音楽好きだったイさんは、BEASTとG.NAの海外活動を手助けしている。
4MinuteとBTOBを担当するパク・デウォン(25)さんは、アメリカで大学に通っていた時も、CJとViacomでインターンをした経験を持つ。マーケティング心理学を専攻した彼は、知り合いの紹介でCUBEエンターテインメントに入ることになった。
第1章 ― 芸能事務所の「グローバルマーケティング」とは?
―基本的な質問からします。グローバルマーケティングチームの業務は何ですか?「海外と関連したほぼすべての業務だと思ってください。グループ名を決めて、英語のアルバム紹介をチェックするなどの些細なことから、海外活動契約や海外の作曲家から受けた曲を検討することも私たちの仕事です。海外ファンの問い合わせに応えたり、イベントをの告知も私たちがします。特に、海外ツアーの時は、最初から最後までずっと一緒です」
―韓国語以外の言語で行われる仕事には、いずれもイさんとパクさんが関わっているということですね。イさんとパクさんが思うグローバルマーケティング業務の長所は何ですか?
「海外では私たちがCUBEの顔です。マスコミも、マネジメントもこなす必要があるため、すべての分野に詳しくなければいけません。他の部署では学べないことを多く学べます」
―スターと関連のある仕事だから、多くの人々から誤解される部分もあると思いますが、周りの反応はどうですか?
「『格好いい。いつも芸能人としゃべって遊ぶの?』と聞いてくる友達もいますが、実は私たちの業務は芸能人とは大きく関わりがありません。人々が思うように派手な仕事でもありません。ファンが捨てたゴミを拾う場合もありますから。当初は『なんで私はこんなことをしているのだろう』と思ったりしました」
―それでは、働きながら一番やり甲斐を感じた時はいつですか?
「人々に会う時、関係者に会う時にやり甲斐を感じます。この前、YouTubeのグローバルマーケティング総責任者の方々に会いましたが、私が比較的若いにも関わらず、CUBEの代表として行ったので、その方々に会い、ビジネスについて話をすることができました。壁を感じることなく、多くの人々に出会うことができて嬉しいです」(パク・デウォン)
「私は私たちが進めるプロジェクトが成功した時にやり甲斐を感じます。実は、私たちの仕事は、漠然と思ったことを現実化するために動くものなのです。冒険心と意気込みを持って働くことができます」(イ・ヨンス)
第2章 ― 会社、アーティストとの初めての出会いは?
出社と退社時間はあるが、その時間をはるかに越えて仕事が終わる場合が多い。特に、海外の関係者と連絡を取るためには、時差を考慮する必要があるため、残業が多い。しかも、会社にすべてをかけて熱心に働く文化が存在する韓国だ。長い海外生活の後に韓国の会社に入社したため、韓国の組織文化に適応するのは容易ではないはずだ。―入社した時、組織文化に適応するのが大変だったのではないですか?カルチャーショックも少しはありませんでしたか?
「勿論、韓国の企業は海外企業のように自由ではありません。上下の秩序も固いです。『注意すべきこと』についていろいろ言われていて、ある程度の予想はしていました。そのおかげか、それほどカルチャーショックは感じませんでした。でも、うちの会社はかなり自由な雰囲気でいいですよ」(イ・ヨンス)
「当初は母親から『韓国に来ないで』と言われました。私は思うことを全部話すタイプですから。インターンをしたときも、なぜその業務をすべきか、説明してもらいたいと思いました。そうしないと次のプロセスを理解できないからです。でも韓国では無条件で『やれ』と言いますね。でも、入社してみたら、友達から言われたこととはかなり差がありました。会社の人はいつも意見を聞いてくれるし、信頼してくれます」(パク・デウォン)
―担当するアーティストとの初めての出会いはどうだったのでしょうか。
「ただその年頃の男女でした。思ったよりスターであることを意識していないようでした(笑)」(イ・ヨンス)
「私は本(CUBEエンターテインメントのホン・スンソン代表が書いた『今止まるとスポットライトはない』)を通じて、1人ずつ学びました。4Minuteメンバーの名前を覚えておらず、叱られて勉強したりしましたけど(笑) 本当にただの女の子のようです。可愛い妹?でもステージの上では別人になりますね。アーティストであることを感じます。二重の生活をしているという感じでしょうか」(パク・デウォン)
第3章 ― 彼らが思うK-POPの魅力は?
PSY(サイ)の「江南(カンナム)スタイル」が動画サイトYouTubeを通じて、偶然にも海外に進出し、アメリカのビルボード「Hot100」の1位に近づいているが、K-POPは以前から地道に広がっていた。このようにK-POP歌手が他の国で人気を得ている理由はなんだろうか。―実際、K-POPのために作られたチームですよね。イさんとパクさんが見ているK-POPの人気要素は何ですか?
「最初はK-POPブームに対して韓国で膨らませたことかなと思いました。カナダにいる時に高等学校でしばらく働いていましたが、そこでは中東や黒人の生徒たちがほとんどでした。私に対し『韓国の人?』と問い、「韓国歌手が好き」だと話してきました。とても不思議でした。小さい都市の子たちがK-POPを知っているなら、本当にブームになっているのだと思いました。インターネットが発達したことで起こったブームですね。異なるものを求め、異なるものを見たがる全世界の10代の人々には、振付やビジュアルの面が大きく作用したようです。ポップだけを聞いていた子たちが新たなものを求めるようになったのは、。K-POPアイドルのユニークなビジュアル、歌、振り付けにはまるようになったからだと思います。K-POPが好きな子たちは、単に一つのグループより、K-POPそのものが好きです」(イ・ヨンス)
「先立ってJ-POPが流行りましたが、K-POPは確かにそれとは異なるコンセプトにパフォーマンス、歌が武器です。しかも、その中心はアイドルグループです。自分と同世代の格好いいアイドルの登場に、より魅力を感じるのですね。先ほど(イ・ヨンスさんの)話があったように、K-POPは単に音楽だけではなく、文化や人そのものまで含む概念です」(パク・デウォン)
第4章―グローバルマーケティングに携わる人になるためには?
―最近、多くの人々がグローバルマーケティングという分野に関心を持っています。特に芸能事務所のグローバルマーケティングチームのメンバーになるためには、どんな素質を備えているべきですか?「最も重要なことは言語です。そして、“芸能人”ではなく、“芸能界”に関心を持つべきです。また、人々に会って関係を作り、それを維持するのが最も重要な業務なので、良い対人関係も必要です」
―グローバルマーケティングチームの次世代の人材になりたがる人々にアドバイス一言お願いします。
「海外で大学を卒業した後、何をしようかな”と悩んでいる中、K-POPブームに乗って次の選択肢として(この分野に)入ろうとする留学生が多くいます。でもそれは間違っていると思います。関心がなかったら、来ないほうがいいです。関心があって、成し遂げたいことを明確にするのが最も大事だと思います」(イ・ヨンス)
「勿論、英語も大事です。しかし、英語は会社に入るための第一関門です。自分を成長させるためには文化を知らなければ」(パク・デウォン)
―最後に今後の計画について話してください。
「歌手は“思い出”を与える点から一人の人生に影響を及ぼせる職業だと思います。人々の思い出になれるアーティストを制作、企画するのが私の夢です」(イ・ヨンス)
「私はこの会社で“4Minute”というブランドを完成させたいと思います。彼女たちをもっと大きなステージで注目されるようにしてあげたい。魅力的なアーティストであるだけに、そのバリューを伝えるつもりです」(パク・デウォン)
記者 : イ・オンヒョク