イ・ビョンホン&チェ・ジウ vs ハリウッドスター、カジノ広告の勝者は?

TVREPORT |

写真=パラダイス、セブンラック広告イメージ
韓国の広告市場は自国のモデルを好む。トップスターへの羨望の度合いが強く、スターを使ったマーケティングが大きな効果を生むためだ。韓国のスターがCMではっきりとしたライバル関係の構図を形成し、様々な業種のCMに同じスターが出演することが多い理由でもある。

もちろん、例外はある。韓国のカジノは、自社のモデルとして必ずしも韓国のスターを起用するわけではない。外国人専用のカジノはパラダイス・カジノとセブンラック・カジノが代表的で、2社とも政府の許可を受け、合法的に運営している。

政府がカジノ運営を許可したのは当然、外貨のためだ。ラスベガスとマカオが自国に莫大な利益を与えているように、韓国のカジノも海外観光客をターゲットにしている。もちろん、アメリカやマカオなどに比べて規模は小さいが、飛躍的な成長を見せている。

韓国カジノ、日中の顧客を誘惑する広告戦略とは?

カジノの特性上、訪問客は中・上流層がほとんどであり、アジア地域のVIPや観光客または韓国に居住している外国人向けに運営している。韓国カジノ観光協会によると、カジノの市場は2005年から現在まで毎年訪問客数が増加しているという。

パラダイスとセブンラックを訪れる顧客はほとんどが日本人と中国人である。興味深いのは韓流ブームが起き始めたころ、カジノ市場も共に成長したということだ。特に、2008年に観光客が増加し、カジノのVIP客も増えたことが知られている。

顧客数が増え、常連客も増えた。継続的にマカオを訪れる顧客のように、韓国のカジノも常連客を獲得するために努力している。そのため、高級化戦略は必須であり、上流層の楽しい趣味というイメージを作ることがポイントだ。

パラダイスとセブンラックも高級なイメージを掲げている。モデルはカジノの顔だが、しかし、両社がモデルを決める方式はまったく異なる。パラダイスの歴代モデルは計2人で、二人ともハリウッドスターだ。初代モデルはピアース・ブロスナン、2代目はロバート・デ・ニーロだ。

セブンラックの歴代モデルも2人で、初代はイ・ビョンホン、2代目はチェ・ジウだ。モデルからも分かるように、アジアの顧客のために韓流スターを起用した。だが実際には、ロバート・デ・ニーロやイ・ビョンホン、チェ・ジウがカジノの広告を撮影したことは広く知られてはいない。カジノ広告が、屋外広告や予告イメージに限定されているためだ。

しかし、2社の競争は熾烈だ。カジノ業界の二本柱であるパラダイスとセブンラックは広告の歴史が短いにもかかわらず、ライバル関係を形成している。それぞれハリウッドスターと韓流スターを起用し、差別化を図ったのも競争を証明している。


パラダイス…ハリウッドスターでVIP客をターゲットに

パラダイスが、韓流スターの出演料を上回るハリウッドスターを起用した理由は何だろうか。パラダイスの関係者は「外国人専用カジノの顧客はすべて外国人だ。国内で宣伝する必要はない」とし、「そのため、モデルも自然にハリウッドに目を向けて考えるようになった。私たちにとって韓流スターはあまり意味がない」と伝えた。

この関係者は「韓流スターではなく、グローバルスターを起用した方がいいと判断した」とし、「韓流スターだからといって、すべての顧客が彼らを知っているわけではない」と説明した。主な顧客は日本と中国から来た40~50代の上流層だが、彼らがチャン・グンソクや少女時代のような韓流スターをすべて知っているわけではないということだ。

また、「私たちの顧客が好むスターは、80年代の映画でよく見られた俳優だと判断した。そのためピアース・ブロスナンとロバート・デ・ニーロをモデルとして起用した」と付け加えた。

ハリウッドスターを起用したことには政治的な理由もあった。関係者は「中国、日本、韓国はいつでも政治的な摩擦が起きる可能性がある。そのとき、モデルが韓流スターであれば、問題が生じるかもしれない。グローバルなイメージを持つハリウッドスターはそのような問題を防ぐことができる」と説明した。

関係者が明かしたパラダイスの年間訪問客は35万人から40万人。昨年は3500億ウォン(約244億円)の収益を上げた。特にVIP客が収益に重要な影響を与えるため、厳しくモデルを選んだ。ニューヨークまで赴いてロバート・デ・ニーロに直接会ったのは単純な理由からではなかった。

セブンラック…韓流スターで様々な年齢層にアピール

パラダイスとは逆に、セブンラックは韓流スターを起用している。イ・ビョンホンはピアース・ブロスナンと競合し、チェ・ジウは現在、ロバート・デ・ニーロと競合している。セブンラックが、パラダイスとは逆に韓流スターをモデルとして起用した理由はなんだろうか。

セブンラックの関係者は「独自の調査委員会を設け、好感度を調査した結果、韓流スターがいいと判断した」と伝えた。中国と日本の顧客がほとんどだが、中国の顧客がますます増加しているため、中国で知名度が高いモデルが必要だった。

関係者は「イ・ビョンホンもいいモデルだったが、中国では知名度が高くなかった」と話し、「一方、チェ・ジウは中国で様々な活動をしており、知名度も高いため、イ・ビョンホンの代わりにチェ・ジウを起用した方がいいと判断した」と明かした。

関係者によると顧客のほとんどが、チェ・ジウが誰なのかはっきり知っていたという。韓流ブームが起こり、韓流スターがポジティブな影響を与えているという。売り上げに直接影響を及ぼすわけではないが、知名度を高めることに役立ったと伝えた。

もちろん、ハリウッドスターを考えなかったわけではない。しかし、40~50代の顧客だけでなく、すべての年齢層に効果のあるモデルを選んだ方がいいと判断した。関係者は「最近、中国人の顧客が増えたのは事実」とし、「日本と中国の市場の両方にアピールできるモデルがチェ・ジウだった」と明かした。

記者 : キム・ジヒョン