“いじめ説”T-ARA ファヨン脱退…コアコンテンツメディアが見逃した側面

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写真=コアコンテンツメディア
T-ARAがデビュー以来最大の危機を迎えている。所属事務所のコアコンテンツメディアのキム・グァンス代表が、内輪もめの原因としてファヨンを挙げながら契約解除という強硬手段に打って出たが、これまでメディアと世論は所属事務所の予想とは違う方向に流れている。

一方的に契約を解除されたファヨンは同情されているが、T-ARAには非難の声が上がっている。つまり、脱退するファヨンが非難されるのではなく、自分のメンバーを守れなかった所属事務所とT-ARAのメンバーに非難が集中している。

29日には「ティジンヨ(『T-ARAに真実を求めます』の略語、T-ARAのアンチカフェ名)」が作られた。ファヨンを巡ってのメンバー同士の“いじめ説”に対する真実を解明するために作られたこのネットサイトには、二日間でなんと9万人が加入したという。

また、キム・グァンス代表がファヨンの契約解除を発表した30日には、ファンヨンを応援する6300人のファンがT-ARAのファンクラブから脱退した。そして、9月11日に蚕室(チャムシル)で開催予定のコンサート「Jewelry box」の予約をキャンセルする人も相次いでいる。会員数4万人を超えるT-ARAのファンクラブ「ミスティック」は、ファヨンの契約解除後ファヨンのファンカフェに変わった。

T-ARAメンバーのウンジョンが出演する「私たち結婚しました」と、出演予定作の「蒼のピアニスト」から降板すべきだとの声も高まっている中で、リュ・チョルミンプロデューサーはファヨンを支持する文章をTwitterに掲載したが削除し、軽率だったとの立場を示した。

写真=ファヨン Twitter

3年前の2009年、ナム・ギュリのSee Ya脱退騒動…キム・ヨンジ、イ・ボラムとの不仲説が発端

しかし、ファヨンの脱退騒動は新しいものではない。すでに3年前にこれと類似した騒動があったためだ。それは、2009年に起きたナム・ギュリのSee Ya脱退騒動だ。当時ナム・ギュリは、See Yaのキム・ヨンジ、イ・ボラムとの不仲説が出てからすぐにSee Yaを脱退した。そして専属事務所との契約問題で訴訟が起きた。

当時ナム・ギュリとトラブルのあった所属事務所の代表もキム・グァンスだ。ナム・ギュリとキム・グァンスの訴訟は、30日のファヨン脱退騒動で“キム・グァンス平行理論”が今も適用されていることを物語っている。“キム・グァンス平行理論”と呼ばれる理由は、3年前もSee Yaのメンバーが口を揃えてナム・ギュリを非難したためだ。メンバーは、当時See Yaから脱退したナム・ギュリを“相手にしたくないメンバー”と激しく非難した。

3年が経った今もT-ARAから脱退したファヨンは、所属事務所からメンバーおよびスタッフに迷惑を掛けた問題児として非難されている。3年前ナム・ギュリに向けられた非難はSee Yaメンバーの個人的な暴露だったことが異なるだけで、現在ファヨンが所属事務所から受けている非難とかなり似通ったパターンだ。

写真=イ・ジョンミン
また、平行理論だけでなく、社会科学の観点から見てもコアコンテンツメディアが見逃したもう一つの側面がある。それは、“アンダードッグ効果(選挙で劣勢だと伝えられると、同情票が 集まるなどの効果の意)”である。誰が見ても今の状況の弱者はファヨンで、強者はコアコンテンツだ。万が一、コアコンテンツの暴露通りファヨンのせいでT-ARA全体のチームワークにひびが入り、スタッフに迷惑をかけたことが事実だとしても、人々はコアコンテンツを支持しない確立が高い。

なぜかというと、すでに“ファヨンいじめ説”でファヨンは、同情に値する弱者として認識されているためだ。30日にコアコンテンツの発表が出る前に“ファヨンいじめ説”が表沙汰にされなかったとすれば、T-ARAへの非難は今のように大きくはならなかったはずだ。

“ファヨンいじめ説”は、所属事務所が暴露したファヨンの突飛な行動の事実如何とは関係なく、ファヨンを“強者”の前に立った“弱者”に思わせた重要な要因になった。人々は、“ファヨンいじめ説”によってコアコンテンツという強者が、ファヨンという弱者に負けないでほしいと思っていることを過少評価したのだ。

事実の因果関係は重要ではない。人々にはすでに30日前から“アンダードッグ効果”が出ていた。所属事務所は自らの発表とは関係なくファヨンを支持する人々が増え、応援のメッセージを送っていることを見逃した。

ファヨンに勝ってほしいと思うアンダードッグ効果が表れたもう一つの理由は、ちょうど3年前のナム・ギュリ騒動からの“学習効果”だ。当時ナム・ギュリを非難したSee Yaは、音楽業界から姿を消したが、ナム・ギュリは役者として生き残った。

今T-ARAに向けられた非難は、アンダードッグ効果と学習効果から起因する。人々は決して甘くない。3年前にあったナム・ギュリ騒動から得た“学習効果”がまだ残っている上、ファヨンいじめ説が表沙汰になっている中で、キム・グァンス代表の脱退宣言が出た。ファヨンではなく、T-ARAが非難されていることは、間違いなくこれまでの“アンダードッグ効果”を予想できかかったためだろう。人々は、今もファヨンという弱者がコアコンテンツという強者に勝てるよう応援している。

記者 : パク・ジョンファン