「道~白磁の人~」ペ・スビン“朱蒙の女装男性以降2年間キャスティング困難…”

OSEN |


朝鮮時代の“白磁”と言えば浮び上がるイメージは何か。淡泊、素朴できれいなイメージではないだろうか。高麗時代の派手な青磁とは違って清潔できれいな印象を与える白磁は、その素朴さで長らく私たちのそばで一緒に過ごしてきた。

このような白磁の素朴で淡泊な印象を与える俳優が、自身にピッタリの映画を持ってきた。映画「道~白磁の人~」主演俳優のペ・スビンがその主人公だ。

日本統治時代、朝鮮の文化を守るために努力した日本人、浅川巧の話を描いた「道~白磁の人~」でペ・スビンは巧の友人チョンリム役に扮し、観客に暖かい感動を与えている。

4日にソウル、新寺洞カロスキル(街路樹通り)のあるカフェで会ったペ・スビンは「道~白磁の人~」に出演することになった理由を語った。現在忘憂里(マンウリ)共同墓地にある浅川巧のお墓を訪ね、本当に素晴らしい人に出会ったという感じを受けた言う。

「マネジャーが『日本からオファーが入ってきたよ』と言いながらシナリオをくれました。初めて題名を見たときは芸術映画でないかと思いましたが、本当にドラマチックで面白かったです。もともと山登りに行くとき、忘憂里(マンウリ)の共同墓地に行きます。そこでしばしばハン・ヨンウン先生のお墓に行きますが、台本の中の主人公がハン・ヨンウン先生のすぐ側に安置されていました。そこは、独立活動家だけ安置されているところだったので『どうして日本人がここに?』という疑問を抱き、調べ始めました。本当に素晴らしい方でした。シンドラーのリストのような感じでした。台本も面白いし、意味もあると思って出演を決めました」

「道~白磁の人~」を演出した高橋伴明は50本以上のピンク映画を演出し、数々の映画祭で監督賞を受賞した有名な監督の1人だ。そのような高橋伴明監督が「道~白磁の人~」を演出するとき主人公のチョンリム役にペ・スビンを念頭に置いていたという。なぜだろうか。

「監督も公の場でおっしゃっいましたが、私が時代劇に似合う顔なのでキャスティングされたそうです。気持ちはいいものではなかったです。冗談ですが(笑) 日本の巨匠監督であるだけに習うべき点も多いと思いました」

映画は、日本統治時代の韓・日両国の二人の男の友情を描いている。しかし、このような二人の男の友情が観客の共感を呼び起こせるのか。時代的背景が日本統治時代であるだけに、敵国と属国の関係で出会った二人の友情は理解しがたいという反応が出るかもしれない。ペ・スビンもこの点を心配したという。

「心配はしました。韓国人が(日本に対して)持っている基本的な情緒というものがあるでしょう。僕もそのような感情をよく知っていますので、そのような部分が少し心配になりました。ところが、シナリオを見ながらどちらかの一方に偏らないで客観的な見方で見ようとする努力が感じとれました。3.1独立運動など、歴史的な事実をありのまま反映しようとする努力も見えてきましたし。また、監督もおっしゃいました。過去の事実を基に現在を描きたいと。これからこのように映画を撮りながら事実を知らせようとする努力があれば過去が良い方向に進むことができるのではないか。そのような趣旨を聞いて、僕も映画に集中できたと思います」

「道~白磁の人~」は、ペ・スビンの日本映画デビュー作でもある。そして「道~白磁の人~」は、日本での試写会で爆発的な反応を得てペ・スビンの日本進出に青信号をつけた。日本での反応について話し始めると、彼はやりがいがあったという感想を語った。浅川巧を偲ぶ会所属のおじいさんらが、自身の手を握ってありがとうと繰り返し挨拶をしたときやりがいを感じたと語った。

「日本の方々も映画を見ると驚かれると思います。韓国人の私も驚きましたが『このような人がいたのか』と驚かれることでしょう。実は、この映画が作られるまで長い時間がかかりました。7~8年前に企画されました。日本でも浅川巧を偲ぶ会があります。その会の所属のおじいさんが少しずつお金を集めて映画を作るために努力されましたし、結局この映画が誕生しました。最初は、台本が面白くて意味もあると思って参加しましが、その方々が僕の手を握ってありがとうとおっしゃってくれたとき、本当に意味があると思いましたし、やりがいを感じました」

日本の俳優、吉沢悠が浅川巧役を熱演した。有名俳優の織田裕二とそっくりで"リトル織田裕二"とも呼ばれる彼は可愛い容貌と演技で一躍スターになり、数々の作品で演技力を認められ、有望な俳優として期待されている。二人の主演俳優にコミュニケーションの問題はなかったのだろうか。すると、意外にも全く問題がなかったという回答だった。また、釣りなどの趣味を共にしながら本当に親しくなったという。

英語でやりました。 ブロークンイングリッシュみたいに(笑) お互いになんとなく分かりましたね。手振り身振りでコミュニケーションしました。吉沢悠さんも俳優だからか勘が良かったんですね。吉沢さんとは本当に親しくなりました。監督が映画を早く撮る方で、撮影が終わって休む時間に釣りをしながら親しくなりました。本当に国は違っても実の兄弟みたいな感じです(笑)」

いつの間にか40歳近くになった。結婚は考えていないかと聞いたら、まだ考えていないという返事が返ってきた。その代わりに年を取るほど自身がしなければならないことがはっきり見えてくると語る。

「年を取るほど楽になります。やるべきことがはっきり見えてくるし。若い頃に感じたプロフェッショナルとは、熾烈になければならないと思いましたが、今は熾烈になることはあるけど何かを掴むために諦めることができます。余裕が持てるようです」

ポータルサイトで“ペ・スビン”を検索すると、ちょっと変わった関連検索語が出てくる。それは“ゲイ”だ。これについて話しながらMBCドラマ「朱蒙」での女装男性役について聞いたら、その役のせいであまりキャスティングされなかったと大きく笑った後、本当に感謝するとも言った。

「視聴者の方々にそのようなイメージが定着したためか、その後2年間キャスティングされませんでした(笑) そのように長い間記憶されたとのことだから僕は感謝します」

あまりにもに多くの作品に出演してきた彼であるだけに、特にやってみたい役があるのかと聞いたら、ラブコメディに出演したいと言う。見る人とともに笑える明るい役がしたいと小さな希望を語った。

「ラブコメディがやってみたいです。ハッピーなものですね。重いテーマばかりだったので『26年』が終わってからは、軽く遊べられて一緒に笑える作品をやってみたいと思います」

記者 : キム・ギョンジュ