「光と影」最終回…“反面教師”として記憶に残るドラマ

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※この記事にはドラマ「光と影」の結末に関する内容が含まれています。

有名な脚本家、視聴率1位が全てではない…俳優たちの好演だけ残った

殺しても絶対殺されない不死鳥のようだったチャン・チョルファン(チョン・グァンリョル)は、ついに虚しく死んでしまった。彼が犯してきた悪行に対しては、何の処罰も受けないままだった。彼を死に至らせたのは、チャ・スヒョク(イ・ピルモ)の拳銃一発だった。

3日に韓国で放送されたMBC「光と影」(脚本:チェ・ワンギュ、演出:イ・ジュファン)は、64話に渡って描かれてきた大きな対立構造をそのように終わらせた。残りは決まりきっていた。チャン・チョルファンを暗殺してから自殺したチャ・スヒョクを哀悼するシーンが少し流れた後、次からはカン・ギテ(アン・ジェウク)が勢いよく成功するシーンが決まった順番のように描かれた。

イ・ジョンへ(ナム・サンミ)は、奇跡的に歩けるようになった。映画「同行」は興行的には失敗であったが、好評を得て映画祭で女優主演賞と作品賞を受賞した。ユ・チェヨン(ソン・ダムビ)は、武器ロビイストという職業を学ぶために海外へ向かった。伝説の拳であるチョ・テス(キム・レハ)は幸せな家庭を作り、子ども思いの優しいパパになった。一言で言えば「めでたし、めでたし」ということだ。

だが「めでたし、めでたし」のような結末の中で、ただ笑うわけにはいかない。“暗かった現実の中での、華やかなショービジネスの姿”を見せるという企画意図はなくなり、主人公のカン・ギテの成功ストーリーだけ残った。派手な衣装などは見所だったが、熾烈な人生を生きていたカン・ギテや、チャン・チョルファン、チャ・スヒョクなどから“感じられるもの”は探せなかった。ドラマ全体に渡って展開されたチャン・チョルファンの悪行を思い出せば、3日の結末は取り急ぎのものであり、不自然な印象まで受ける。

いずれにしても、「光と影」は長らく記憶に残るドラマになりそうだ。「スター脚本家を妄信してはいけない」という話の一例として取り上げられるだろう。また、「視聴率1位が全てではない」という話の強い根拠になりそうだ。結局、全64話という長期に渡って放送された「光と影」から人々が得たものは、アン・ジェウク、チョン・グァンリョル、ソン・ジル、アン・ギルガン、キム・レハなどの輝く演技力、ソン・ダムビやナルシャ(Brown Eyed Girls)など、歌手出身女優の可能性だった。

「光と影」の最終回の視聴率は、19.6%(AGBニールセン・メディアリサーチの全国基準、以下同様)だった。同時間帯に放送されたSBS「追跡者 THE CHASER」は13.5%、KBS 2TV「ビッグ~愛は奇跡~」は8.1%だった。

記者 : イ・ミナ