2012年、韓国映画 vs ハリウッド映画の戦いはまだまだ続く

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写真=アウラピクチャーズ、ショーボックス、NEW、ロッテエンターテインメント
2011年下半期にトム・クルーズが出演した映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」が大ヒットし、韓国映画「マイウェイ 12,000キロの真実」と「パーフェクト・ゲーム」など、期待されていた作品が大ヒットに失敗した一方、2012年頭からは韓国映画が大ヒットを続けた。しかしハリウッド映画「アベンジャーズ」の勢いは凄まじかった。

韓国映画の大ヒットは、旧正月の連休に公開された映画「ダンシング・クィーン」と「折れた矢」から始まった。ファン・ジョンミンとオム・ジョンファが主演を務めた映画「ダンシング・クィーン」は、主婦たちの熱い支持を受け、一気に興行成績1位となった。配給会社のCJエンターテインメントは、昨年観客700万人以上を動員した映画「サニー 永遠の仲間たち」の成績を上回ると期待していたが、期待以下の観客400万人を動員した。ありふれたストーリーだったにも関わらず、多くの観客に面白さと感動を与えた作品だった。

映画「折れた矢」は、予想を見事にひっくり返した映画である。メディア配給試写会の当時、高く評価された作品だったが、大手配給会社と組めなかったため、この映画は失敗してしまうとの意見が多かった。しかし、公開されて興行成績1位を記録し、観客341万人を動員した。“石弓事件”をモチーフにした映画「折れた矢」は、これまで大ヒットしてきた映画とは程遠い内容の作品だったが、国民的俳優アン・ソンギと助演俳優の好演と安定したストーリー展開、実話を映画化しただけに緊張感溢れるストーリーで観客から高く評価され始めた。ついに映画は大ヒットし、司法府に非難が集中した。そのおかげで忘れられていた“石弓テロ事件”は再び世間の注目を集めた。さらに13年ぶりに復帰したチョン・ジヨン監督への関心も高まった。チョン・ジヨン監督は、民主統合党常任顧問だった故キム・グンテを題材にした映画「野蛮な時代」の撮影を最近終えた。「野蛮な時代」も実話を元にした映画である。

「折れた矢」が大ヒットした後、映画「悪いやつら」が大ヒットに続いた。チェ・ミンシクとハ・ジョンウの出演だけで期待を集めたこの作品は、R指定映画のブームにさらに火を付けた映画でもある。ハ・ジョンウはこの作品で、誰からも認められる30代の人気俳優となり、「サラインネ(生きていたんだな)」という釜山(プサン)訛りのセリフも流行させた。さらにキム・ソンギュンとクァク・ドウォンなど、名助演俳優は「犯罪の戦争」で存在感を放つことができた。釜山を背景に政治界、司法府そして暴力団の癒着を描いたこの映画は468万人の観客を魅了した。映画「アベンジャーズ」に次ぐ2012年上半期の興行成績2位となった。

「折れた矢」の大ヒット後、キム・ミニの好演が話題となった映画「火車」(観客242万人動員)が破竹の勢いで動員を続けた。その後、映画「建築学概論」はまさに大ブレイク作となった。観客410万人を動員し、韓国恋愛映画史上で最大の観客を動員したこの映画は、初恋ブームを巻き起こした。70年代に大学に通っていた観客は、大学時代の思い出をもう一度思い出し、街中には展覧会の「記憶の習作」が流れた。ヒロインのソヨンの子役を演じたスジ(miss A)は、映画「建築学概論」で特に30代の男性の熱い支持を受け“初恋の象徴”となった。また、ナプトゥクというコミカルなキャラクターを見事に演じたチョ・ジョンソクも一躍スターとなった。

映画「建築学概論」の後は、ハリウッド映画「アベンジャーズ」である。長期間海外映画が興行成績のトップを維持することになった「アベンジャーズ」の勢いは凄まじかった。観客705万人を動員し、2012年上半期の最高記録を打ち立て大ヒットとなった。

「アベンジャーズ」の次にランクインしたのは再び韓国映画である。ロマンチックコメディ「僕の妻のすべて」は、観客の口コミで1ヶ月以上人気を維持し、6月末である現在も興行成績上位3位にランクインしている。現在、累積観客数421万人である映画「僕の妻のすべて」は、映画「アベンジャーズ」と「悪いやつら」に次ぎ、2012年に公開された大ヒット作ランキング3位となった。

このように2012年上半期の韓国映画界は、韓国映画が凄まじい勢いを見せた。それにも関わらず、ハリウッド映画「アベンジャーズ」は依然として強かった。上半期にはまだ多くの映画が公開を控えているため、7月も韓国映画と海外映画との競争は激しいと見られる。

6月28日には「アメイジング・スパイダーマン」が公開された。続いて7月5日にキム・ミョンミンが主演を務めたパニック映画「ヨンガシ 変種増殖」が、19日には「ダークナイト ライジング」が公開され、日には「10人の泥棒たち」が公開される。7月も韓国映画は大ヒットを続けられるのか、それとも「アベンジャーズ」を超える海外作品と競争することになるのか。韓国映画業界に対して高い関心が集まっている。

記者 : ペ・ソニョン