「10人の泥棒たち」のキャラクター、突拍子もないあだ名はどこから?

OhmyStar |

映画「10人の泥棒たち」には、豪華なキャストの面々のように個性豊かなキャラクターの名前が特徴だ。犯罪全体を計画“マカオ・パク”、金庫破りのプロである“ペプシ”、いつもガムを噛んでいる“ガム”などが代表的な例。

映画で各キャラクターは、世界最高のダイヤモンドを盗み出すために集まった泥棒たちであるだけに、実名でなくこのようなあだ名でお互いを呼び合い、確認する。さらりと聞き流すこともできるだろうが、語感から匂う妙な感じが気になった。このようなあだ名は何に由来しているのだろうか。

映画を演出したチェ・ドンフン監督がこの疑問に答えた。なお、チェ・ドンフン監督と言えば、これまで「ビッグ・スウィンドル!」「タチャ イカサマ師」「チョン・ウチ 時空道士」などで派手なアクションと映像美を披露してきた人物である。

この映画には、オールスターと言えるほど豪華な俳優陣が大勢集まった。キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンンジェ、チョン・ジヒョン、キム・ヘスク、オ・ダルス、キム・スヒョンなどチェ・ドンフン監督の念願だった俳優たちが全員出演したのだ。それだけ、その名に相応しい強いキャラクターたちも勢揃いしている。

12日午前、映画「10人の泥棒たち」の制作報告会がソウル小公洞(ソゴンドン)のTHE WESTIN CHOSUNで開かれた。この場でチェ・ドンフン監督は映画のキャラクターのあだ名について「劇中のキャラクターが観客の記憶に残って欲しいと思った」と自分の意図をはっきり述べた。出典も由来もそれぞれだが、繰り返して聞いていると観客の頭の中に残るだろうという意図があった。

チェ・ドンフン監督によると、映画の中心人物の一人で犯罪全体を設計するマカオ・パク(キム・ユンソク)は、クウェート・パクから来たようだ。クウェート・パクと言えば、韓国で1980年代に人気を博したドラマ「ワンルン一家」で俳優のチェ・ジュボンが演じたキャラクターだ。クウェートキラーと呼ばれるサッカー国家代表パク・ジュヨン選手をクウェート・パクと呼ぶこともあるが、マカオ・パクもこのチェ・ジュボンのクウェート・パクから由来したあだ名だ。

劇中のペプシはキム・ヘスが演じるキャラクター。プロの金庫破りのペプシは、その姿も魅惑的だが、実はペプシは監督とスタッフたちが過去キム・ヘスが恋愛していた頃、彼女を称する別称だった。一種の隠語だったとも言える。

イ・ジョンンジェのポパイというキャラクターは、ただ以前から監督が使いたかった名前だったそうだ。一種の念願でもあったが、劇中で韓国の泥棒たちの親分格であるために、それに相応しい名前を付けたことになる。いつもガムを噛んでいるキム・ヘスクの“ガム”キャラクターは、監督が床に張り付いたガムを見て思いついたあだ名だ。

綱渡りの達人イェニコールは、チョン・ジヒョンのキャラクター。名前から携帯の商標が思い浮かぶが、やはりそれだった。チェ・ドンフン監督は「商標名なのでそのまま使うことはできないし、もともとは犯罪があると聞けば『はい!(イェ!)』と言って駆けつけるという感じから付けた」と由来を述べた。

多少素っ頓狂な理由から付けられたあだ名もあった。例えば、何か訳ありのようなオ・ダルスのアンドリューという名前は、ただ実存するイギリスの王子の名前。また末っ子のキム・スヒョンが演じるザンパノは、イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の映画「道」(1953)でアンソニー・クインが演じた役柄の名前から持ってきた。

個性豊かなキャラクターの名前に相応しく、各俳優はそれぞれの役のアクションを代役なく実際に演じたという。キム・ヘスは密閉された空間で潜水を、キム・ユンソクとチョン・ジヒョンはワイヤーを付けて高空落下を自ら披露した。緊迫したアクションとドラマで観客の目と心を盗む覚悟を示した映画「10人の泥棒たち」は、7月25日に韓国で公開される。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン