「紳士の品格」品格を失ってもチャン・ドンゴンだから許せる!

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SBS「紳士の品格」チャン・ドンゴンが“人間”のように見え始めた

「紳士の品格」のジャンルは確かにファンタジーだった。“韓国のイケメン”の代名詞のようなチャン・ドンゴンが片思いをするなんて。しかもその片思いが第5話が過ぎてもちゃんと受け入れられてはいない。

チャン・ドンゴンの演じるキム・ドジンは、脚本家の前作である「シークレット・ガーデン」のキム・ジュウォン(ヒョンビン)のように、イタリアの職人が一つ一つ丁寧に編んだトレーニングウェアを着る財閥ではないが、神様が一般人より丁寧に作ってくれた顔を持っている。そのような顔の持ち主が会うたびに告白をする状況は、朝鮮時代の皇太子が300年の時をタイムスリップするくらいのSFだ。

最初からキム・ドジンは、少女漫画に出てくるような台詞と行動をする人物だった。建築設計事務所の所長である彼は、水漏れの件で訴えると脅迫する発注者に、「韓国を亜熱帯気候に変えた地球温暖化」を責める。自身のカバンのせいでニットワンピースの糸がほつれてしまい、ボトムスを履いていないかのようになってしまったソ・イス(キム・ハヌル)には、街頭販売されていたテーブルクロスを買って体を覆う。隣でジーパンを売っていても構わず、テーブルクロスで作ったスカートに花をつけてくれるのが、21世紀の冷たい王子がロマンスを描く方式だ。

そんなキム・ドジンがすこしずつ変わり始めた。事務所の社員にカップを投げた乱暴な顧客を訪ね、同じくカップを投げつけながら「私たちもお前のようなクソ野郎とはビジネスしない」と言って、契約書を敗ったことまではドラマのような話だったが、この行動によって請求できなくなった設計費のことで、胸の裂ける思いで「2億ウォン~」を叫ぶところからは、現実の話だった。

キム・ドジンがソ・イスのミニホームページの中のビキニ写真を除き見るシーンは、「紳士の品格」の第5話の名場面であった。ノートパソコンのモニター画面が3Dの立体映像でもあるように、上から下をのぞき見るために奮闘するチャン・ドンゴンの萌える表情は、ここ20年間の彼のフィルモグラフィーから見た覚えがない。

実際、チャン・ドンゴンにとってあまりにもハンサムな顔は全ての劇のジャンルをファンタジーに作りあげてしまう主犯でもあった。チャン・ドンゴンがバスケットボールをする(「ファイナル・ジャンプ」)、チャン・ドンゴンが友達の下働きをやる(「友へ チング」)、チャン・ドンゴンが海賊になる(「台風」)、チャン・ドンゴンが大統領である(「グッドモーニング・プレジデント」)物語の中で、キャラクターよりはチャン・ドンゴンの顔が先に目を引いたりした。

そうだった彼が人間らしい姿を見せてきたことで、ファンタジーのようだった「紳士の品格」も、現実味を帯びてきた。チャン・ドンゴンだけではない。少しも乱れのなかったチェ・ユン弁護士役のキム・ミンジョンは、同じ所属事務所の後輩である少女時代のスヨンの前で「Hoot」「GENIE」などの振付けを披露した。

ドラマの主体である40代の男性は、専門職に勤めてファッションと美容にぱっぱと費やすグルーミング族ではなく、食っていくために働くことに疲れた、お腹の出たおじさんの場合が、現実ではもっと多い。あまりにも洗練されたイケメン40代のシティライフを通じてファンタジーを満たすのがロマンチックコメディの宿命だとすれば、かえって紳士を少しつずつ壊して「品格」というタイトルを覆すことで、 「紳士の品格」は共感を得始めると見られる。

勿論、どこまで、どのように壊れるといっても、チャン・ドンゴンだから許せるのだ。

記者 : イ・ヒョンジン