“R&B Daddy”キム・ジョハン「新しい挑戦を夢見る」

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日差しの眩しい5月のある日、ソウル麻浦(マポ)区上水洞(サンスドン)にあるカフェ。そよ風の中で、キム・ジョハンさんとワイングラスを交わし始めました。不本意ながら、“酔中(お酒に酔いながらの)インタビュー”になったことになります。彼は「設定もなくこのようにいきなり(酔中インタビューを)やるのは初めて」と言っていました。街中を歩く人達が彼に気づいて挨拶すると、彼も目で挨拶をする余裕を見せました。「真っ昼間からお酒かよ」と苦言を呈する、弘大(ホンデ)ではめったに会えなさそうな意外な人物にも会うことができました。お酒の強いキム・ジョハンさんのせいで、翌日まで少しきつかったところはありましたが、一層率直なインタビューが出来たことが慰めになりました。これから、その日の話を伝えます。

写真=Soul Family

フルアルバム発売を前にシングル「また恋をしましょう」を披露

“R&B Daddy”キム・ジョハンを待ち焦がれていた人たちなら、14日にリリースされた「また恋をしましょう」は「え?本当にキム・ジョハン?」とも思える曲だろう。ミディアムテンポに明るい歌詞、ラップまでこなした「また恋をしましょう」は、重い雰囲気で歌う憂鬱な曲ではない。先に日付を決めて作業したというキム・ジョハンは、「また恋をしましょう」を「新しいチャレンジで、コースメニューのアペタイザー」と紹介した。

「前の曲(『恋に落ちたい』)が寂しすぎる曲でしたから、続けて同じような曲を歌いたくはなかったです。ずっとお肉だけ食べるわけにはいかないじゃないですか。バランス合わせです。音楽が変わりました。今は、前のエナジーとは違うので、格好つけるよりは人々を勇気づける歌が歌いたいです。自分では“有名な新人”と考えています」


“人生は挑戦”……R&B Daddyの音楽観を尋ねた

“幸せ”という感情を子供っぽくなく盛り込もうと務めたというキム・ジョハン。彼は「間もなくリリースするフルアルバムがディズニーワールドなら、『また恋をしましょう』はディズニーランドの最初の扉」と説明した。「変わることになった特別なきっかけがあったのか?」との質問にキム・ジョハンは、目の前のエスプレッソカップを指しながら「半分なくなっているか、それとも半分入っているか」と聞き返した。「幸せを探すには、『半分なくなっている』と思ってはならない。それは欲だ。『半分入っている』と思えばさらに幸せになる」という言葉が続いた。

「僕は言葉通りのR&B歌手です。独自のスタイルの音楽を、さらにディープにお見せしたいという心があります。アーティストとしてのキム・ジョハンの姿もお見せしたいですし。遊園地に行ったら、面白いものも、怖いものもありますよね。僕もそうなんです。昔のものを捨てるってわけじゃありません。逆に、そこに付け加えるんです。大いに悩んだので、後悔はありません。生きることが楽しいときもありますが、寂しいときもあるじゃないですか。今は幸せな一時をお見せしたいんです。どんでん返しもなくてはつまらないですよね。これが最初のシーンですから」

4月、UN世界平和祈祷カンファレンスに参加するために香港を訪れたキム・ジョハンは、ホテルが大きな火災に遭ったのを見て、悟るところが多くあったという。「世の中の最後を見たような気がした」と表現したほどだ。自分の場所と役割についても振り返ることになった。“R&B Daddy”というニックネームに確信と自信を得たという彼は「自信はそのまま責任になる」と話し「これまでその責任から逃れようとしていたようだ。これからは悪く言われても自分の人生は自分が作っていく」と伝えた。

続いて彼は「人生は挑戦だ。告白しない限り、愛も結婚もできないように、歌も挑戦だ」とし、「同じ曲にメロディーを少し、歌詞を少し変えるだけで新しい曲を作ることもできるだろうが、それではいけないと思う。『また恋をしましょう』は本当にいいところから綺麗なメロディーが出てきたし、一つ一つ丁寧に修正を加えた」と話した。


“マラソン”中のキム・ジョハン「本来の僕を見せてくれって?」

キム・ジョハンは6月23日と24日の両日、ソウル梨花(イファ)女子大学サムスンホールでコンサート「Johan’s Soul Party」を開催した。この日も昼遅くからバンドとの練習があると打ち明けたキム・ジョハンは「社会では一つの目的を持ってすべてを注ぐ人に出会うことはあまりないが、僕のために、自分自身のために努力する人たちに本当に感謝したい」とし、「公演も好きだし、公演後の打ち上げも好き」と述べた。

「8ヶ月の間に3曲を発表するなんて、アイドル並のテンポでは」とふざけるキム・ジョハン。「前のような兄さんが見たい」という人たちもいるが、彼は「暖かい歌を歌いたい」と話しなからも、すぐ「僕がどこかへ行ってしまう訳ではないから、またそういう部分もお見せできるだろう」と付け加えた。

「10年を見据えて今回のアルバムを作りました。『また恋をしましょう』はちょうど10%、イントロと言えます。音楽には人生が盛り込まれているじゃないですか。『期待して欲しい、いいものをお見せするから』という言葉を残したいです。50m競走ではなくて、マラソンじゃないですか。シンガーソングライターで、かつプロデューサー、そしてアーティストのキム・ジョハンの姿を、着実にお見せします」

記者 : イ・オンヒョク