「紳士の品格」キム・ドジンよりはチャン・ドンゴンだけが見える

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写真=SBS

完璧な条件でスタートした「紳士の品格」

26日に初回が放送されたSBSドラマ「紳士の品格」の主人公、キム・ドジン(チャン・ドンゴン)。まるで彫刻のような外見に、いつでもどこでも、彼がいるところをランウェイに変えてしまうかのような最高のイケメンにも関わらず、40年間独身生活を送ってきた。

“女心放火犯”というあだ名にも関わらず、彼の傍に女がいない理由はただ一つ。「稼いだお金は自分だけのために使う」という信仰に忠実に生きてきたからだ。自分しか知らないので、冷たく神経質な毒舌家になるのは当たり前のこと。建築を専攻した工学者らしく、全ての原因と結果を、電卓をたたいて判断することを好み、恋心でさえも数学の公式のように解けると信じている。

そのような彼が、運命のように一人の女性に出会った。まるで脚本家キム・ウンスクの前作、SBS「シークレット・ガーデン」のキム・ジュウォン(ヒョンビン)が、キル・ライム(ハ・ジウォン)に初めて出会った時のように、ソ・イス(キム・ハヌル)に一目ぼれしてしまったドジン。しかし、彼女は自身の友人であり、事業パートナーのイム・テサン(キム・スロ)に惚れている。テサンにはすでに美しい恋人ホン・セラ(ユン・セア)がおり、イスはセラのルームメイトであるほど、二人は親しい仲である。

ドジンの日ごろの癖で、この状況を電卓をたたいて判断すると、これは“とんでもないシチュエーション”である。高校の倫理教師が、全てを備えている“生きているダビデ像”のドジンの代わりに、友人の恋人に恋をすることすら理解不能だ。また、ドジンが唯一電話番号を聞きたがっていた二人の女性が、実は同一人物だったという“繰り返される偶然を通じた縁”の強調は、原因と結果を重視する工学専攻者にとっては解けない謎だ。

写真=SBS

どうしてもキム・ドジンより、チャン・ドンゴンが先に見える

「シークレット・ガーデン」で韓国ラブコメの歴史に大きな足跡を残したキム・ウンスク、シン・ウチョルコンビ。一世を風靡した彫刻のような美男子チャン・ドンゴンとラブコメの女王キム・ハヌルの共演。ここに、チャン・ドンゴンをサポートしてくれるキム・ミンジョン、キム・スロ、イ・ジョンヒョクなど、美中年の後押しまでもある。工学的に電卓をたたいてみると「紳士の品格」は「シークレット・ガーデン」に次ぐ、“アメージング”な作品になるはずだ。

しかし、初回であることを考慮しても、「紳士の品格」は40歳を超えてもなお、多くの女性の王子様の座を維持しているチャン・ドンゴンだけが見えるドラマだ。耳にすんなりと入るキム・ウンスクのセンスのいい台詞と、40代男の恋物語にも関わらず、暗くなく、さっぱりとした展開と映像が目立つのも事実である。しかしそれだけでは「シークレット・ガーデン」を超える画期的なラブコメを制作するには程遠い。

ドラマの全ての成功要素がうまく混ざっているが、「シークレット・ガーデン」がドラマを超え、ブームになるまで進化を遂げたのは、演じたヒョンビンを越えた“キム・ジュウォン”の役割が大きかった。「紳士の品格」のドジンもまた、キム・ジュウォンに劣らない能力と外見を備えている。

しかし「紳士の品格」からは、「シークレット・ガーデン」でジュウォンとライムが最初に出会ったときのトキメキが未だ感じられない。その理由はなんだろうか。主人公役のチャン・ドンゴンがすでに結婚したから?それともドジンという役自体が、ヒロインにとっては友人のテサンに負けてしまっている悲運のケースだから?

ドラマでイスの目に最も輝かしく映るはずのドジンが見えず、40歳を超えても彫刻のようにかっこいいチャン・ドンゴンだけが見えるのは、キム・ドジンの波乱万丈な恋愛を通じて視聴者から共感を得ようとする「紳士の品格」が克服すべき課題ではないだろうか。恋と同じく、ドラマにもまた完璧な答えは存在しないものだから。

期待とは裏腹に反応が分かれている「紳士の品格」に、全く希望が無いわけではない。公式では到底説明できない偉大な“キム・ウンスクマジック”があるからだ。時間が経つほど威力を増していく“キム・ウンスクマジック”が、今は地味な「紳士の品格」に、どのような強烈なトキメキを与えてくれるのか見守るのも悪くはないだろう。

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記者 : クォン・ジンギョン