ドラマの中の“片思い”彼らにも言いたいことはある

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他人はみんな愛し合っているのに…一人で心を痛めるキャラクター

春。万物が再生すると言われる春。それに加え、“ピンク色のムード”もあちこちから生まれるという、“春”である。

しかしここに、まだ心だけはシベリアのまっただ中にいるような人たちがいる。他の人はみんな恋をしているのに、一人で切ない思いを抱え込んでいる彼ら。その傾向も様々で、どうにかして“可愛さ”を維持している人もいるかと思えば、ある人は片思いのせいで酒に溺れ、またある人は「どうせ自分のものにならないのならば、あなたを壊す」と宣言する。ここで思い浮かぶ、適切なセリフを一つ。「一度でもいいから幸せになりたいのに!どうして!どうして幸せになれないの!」こう叫びながら、彼らの切ない物語を伝えてみようと思う。もちろん楽しく笑ってもらおうと書いた記事だ。しかし、ほろりと涙が出るのはなぜだろうか。

写真=MBC

MBC「スタンバイ」のキム・スヒョン(放送局プロデューサー、キム・スヒョン)

職業は合格。立派な放送局の正社員のプロデューサーで、有名アナウンサーであるパク・ジュングムが出演する番組を作っているところを見れば、実力も認められているようだ。顔?きれいだ。それに気さくな性格。これなら、“完璧な女”と呼ぶことができる。

しかし、恋愛面に問題がある。大学時代に一目惚れしたリュ・ジンヘン(リュ・ジン)アナウンサーに首ったけのスヒョンは、ジンヘンの結婚発表記事を見るなり、酒を飲んで「全く不釣り合いなカップル」とアクプル(悪質な書き込み)を投稿し、導師に成りすましたリュ・ギウの言葉を信じて疑わず、愛するジンヘンの髪の毛を掴むに至る。「夢はロマンチック・ドラマだったのに、どうして現実はお笑い番組なの!」というスヒョンに出会うことがあれば、このひと言は是非言ってあげたい。「ファイトだよ!」と。

―実際に付き合うとしたら?

少し不器用で突拍子もないところもあるが、このような相手なら早く捕まえた方がいいのではないだろうか。ジンヘンが「キムプロデューサー、可愛いとこあるじゃん」と微笑んだように、少しだけ心を開いて受け止めれば、相手はいつまでも献身的な“僕だけの彼女”になるはず。癒してあげるといって階段から転がる人は、そうそういない。脇毛は剃ればいいことだし、肥やしは綺麗に洗い流せばいいわけだから。

写真=SBS

SBS「ファッションキング」のチョン・ジェヒョク(大手アパレル企業取締役、イ・ジェフン)

キム・スヒョンプロデューサーが“可愛い片思い”の段階に留まっているならば、チョン・ジェヒョク取締役はもう少し危ない“一方的な愛”の綱渡りをしている。若くして大手企業の取締役まで上り詰め、顔までハンサムときているので、この方もやはり条件面ではかなう者はいないと言えるが、たった一つのものを自分のものにできなかった。他でもない、イ・ガヨン(シン・セギョン)である。

綺麗で能力もある恋人のチェ・アンナ(少女時代 ユリ)がいながらもよそ見をした点で、男性陣から非難されても言い訳できないであろうが、仕方がない。「愛は動くもの」と言うではないか……。とにかく、この男の愛は、冷たい誹謗と熱い情熱を行き来している。ある時は「孤児の高卒工場働き」とガヨンをバカにしたかと思えば、またある時は泥酔してみんなの前で「イ・ガヨン、愛してる!」と叫ぶありさまだ。

―実際に付き合うとしたら?

この“掴み所がない”点が、ドラマでチョン・ジェヒョク取締役を一層魅力的にしていることは否めないが、もし実際にこのような人がいたら……。答えは「さぁ」である。ある日は暖かかったのに、その次の日は冷たく一変する“彼氏”なら、作家視点で見ない以上、本音が掴めないはず。限りない愛情で更生でもさせない限り、遠く険しい恋愛が予想される。恋愛での駆け引きを好む人ならともかく……その楽しさも長くは持たないだろう。

写真=KBS

KBS 2TV「赤道の男」チェ・スミ(現実主義の画家、イム・ジョンウン)

ここまでくると、片思いや一方的な愛を超えて“愛憎”に近い。確かに、スミはイ・ジャンイル(イ・ジュニョク)を愛している。しかし、初めての出会いから、間違いがあった。ジャンイルが彼女を、金持ちの令嬢だと勘違いさえしなかったなら、或いはその勘違いが事実だったならば、二人はうまくいくこともできたはずだ。しかし、事実を知ったジャンイルは、彼女を冷たく切ってしまう。

時が経ち画家として成功してからも、スミは妙なことにジャンイルへの執着を断ち切れない。前述の二人のようにスミも、どこに行っても引けを取らない人物なのに、だ。愛が深まり過ぎて病になったわけである。さらには、「自分のものにできないならば、他の人のものにもならないように壊したい」と言う。昔、ソヌ(オム・テウン)の視力を奪った“後頭部殴打事件”を絵で残した理由は、そこにあったのだ。“殺人未遂”という現実をジャンイルの前に突き付け、彼を“メンタル崩壊”状態にまで追い込んだのも同じ理由からだ。

―現実に付き合うとしたら?

できる限り遠くへ逃げた方がいい。その愛が100%本当だということは疑う余地もなく、一方では同情心を煽る面があるのも事実である。だが、あなたの身の上はもちろん、自分自身にも危険を及ぼす人物だ。ジャンイルを縛りつけようと描いたスミの作品が“韓国最高の検事”と言われたジャンイルを身動きできなくしているではないか。特に、昔何か悪いことでもしでかした人なら、さらに注意が必要だ。いつその現場を目撃したと言って現れるか、知ったことではない。さらに常に用意周到なため、将来を見据えあらかじめ証拠まで収集しているかもしれないからだ。

記者 : イ・ミナ