映画「ハナ~奇跡の46日間~」その中心にはハン・イェリがいた

OhmyStar |


新人女優ハン・イェリの魅力とは?

映画「ハナ~奇跡の46日間~」の試写会が終わった後、関係者が親指を立てて称賛した女優がいる。新人女優のハン・イェリ(28)だった。

これまでそれほど顔が知られていなかったハン・イェリは「ハナ~奇跡の46日間~」で存在感をアピールし、感動を伝えた。

劇中でハン・イェリは、北朝鮮の卓球選手団でペ・ドゥナと息を合わせるユ・スンボク選手を演じた。いわゆる“遊び人”のような感じの韓国選手とは違い、純粋無垢な田舎娘のような感じを与えるユ・スンボク選手。だが、卓球ラケットとボールを持っている時は、強烈な目つきで誰にも負けないほどの実力を披露する人物だ。

ハン・イェリは、ユ・スンボクを通じて保護欲をくすぐるほどの純粋さを表現した。また、初めて世界選手権大会に出場し、非常に緊張しながらも、その緊張を乗り越えるためにマインドコントロールをするユ・スンボクの繊細な心理を上手く表現した。ユ・スンボクというキャラクターは、ハン・イェリの演技によってより立体的で、魅力的になった。


典型的ではないビジュアルと、深い響きを与える声

実際に会ったハン・イェリは、典型的な美人女優とは違う感じであった。そのためか、より新鮮に思えた。真っ白な顔に、深い目で多く感情を表現することができるビジュアルを持っていた。

ハン・イェリは、そのビジュアルだけでなく、声も魅力的だ。自分の内面の響きと深さを声で表現する女優だった。落ち着いていながらも深い声が、長い間芸術を学んできた彼女の底力を感じさせた。

演劇映画科出身ではなく、長い間、韓国舞踊を学んできたハン・イェリ。幼稚園の時から始め、韓国芸術総合学校の伝統芸術院、韓国舞踊科を卒業するまで、彼女は韓国舞踊に専念した。中学、高校時代にずっとトップの成績を保ちながらも舞踊に励んだと言う。それほど情熱的で執拗に舞踊に励んだが、彼女は自ら「生き様があまりにも熾烈だった」と当時を振り返った。

「舞踊を学ぶほかの友達に比べ、容貌や身長などの面でかなり不利だったので、それを乗り越えるために努力しました。でも、それでますます疲れてしまったようです。大学に進学してからは、疲れ果てて舞踊が楽しくありませんでした」

その時、韓国芸術総合学校の映像院から短編映画への出演を提案され、映画の世界に足を踏み入れることになった。ハン・イェリは「学生同士で小さい映画を作るだけなのに、とても熱情的であったことが印象深かったし、その時の作業はとても楽しくて幸せだった」と語った。


努力する者は、楽しむ者に勝てない

ハン・イェリは、舞踊から映画に領域を広げ始めた。映画の世界に入門したハン・イェリは、早くから独立映画(配給会社を通さず、制作者が直接映画館に売り込む映画)の世界でスターとして認められてきた。2008年、2010年のミジャンセン短編映画祭で二度も演技賞を受賞し、頭角を現した。多様な作品を通じて、活動の領域を広げながら演技力を培ってきたのだ。

「良い女優になりたい」というハン・イェリは「演技の魅力は限りがないようです」と言い「毎回演じる役も、人も違うし、私が少しずつ変わらなければ適応できないので、いつも新しい挑戦をしなければならないけれど、そこがとても魅力的」と答えた。

映画「ハナ~奇跡の46日間~」で「本当に北朝鮮出身の女優ではないのか」と評価されているハン・イェリ。今は何よりも演技すること、そして人々と一緒に仕事をすることを楽しんでいる彼女。孔子は「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」と言った。映画の制作作業そのものを楽しむハン・イェリ。韓国映画界を征服することは時間の問題だと言えば、言い過ぎなのだろうか。これからますます飛躍するであろうハン・イェリの活躍が楽しみだ。

記者 : イ・ジョンミン、チョ・ギョンイ