女はいつもスパイ!?<ロミオとジュリエット>のようなラブストーリー真骨頂「ラブ・ミッション」

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第一話の冒頭、ミッション遂行のために拳銃を手にスタジアムの中をひた走る女スパイ、ミョンウォル(ハン・イェスル)。韓国エンタメファンであれば、映画『シュリ』(1999)のクライマックスシーンを思い出すに違いない。そういえば、北朝鮮のスパイが韓国・国家情報院の職員にアプローチするという内容の『シュリ』も、キム・ユンジン扮するスパイは女性。南北分断国家の韓国でスパイを題材にした作品は多かれど、ハン・ソッキュ主演の映画『二重スパイ』(2003)でもスパイ役は、女優のコ・ソヨン。1954年に制作された北朝鮮スパイが韓国の大尉と恋に落ちキスを交わすという、当時としては衝撃的な内容の古典的名作『運命の手』でも、スパイは女性(ユン・インジャ)だった。

そんな韓国のスパイドラマの醍醐味といえば、物語の軸となるラブストーリーの駆け引きだ。任務と割り切って男に近づく女スパイと、そうとは知らずに一人の女性として愛情を覚える男性。しかし、いつしか互いに惹かれ始め――。
美しい女スパイが、ミッションと本当の愛の狭間で苦悩していく過程。まるでロミオとジュリエットのような、阻まれた恋は、いつの時代のスパイドラマでも普遍のものである。韓流スターを北朝鮮に連れて行くという任務を担うミョンウォルと「オレ様アイドル」カンウの、イマドキな設定の恋でも、またしかり、だ。

そんな中、着目すべきもう一つのポイントは、スパイものの恋の行方は時代を映し、変化していく、ということ。たとえば、『シュリ』『二重スパイ』の時代には、当然の如く悲劇のラストが待っていた。それから約10年。休戦状態が今も続く中、民間での交流がわずかに芽吹き始めた南北関係。『ラブ・ミッション -スーパースターと結婚せよ!-』は、従来とは異なる先の読めない展開となっていて、見る人を惹きつける。

ところで、なぜ女スパイなのか。それは、女スパイならではのセクシーさやスタイリッシュなファッションなどで見せ場を作るという制作者の意図があると同時に、韓国には「南男北女」という言葉があり、「男は南=韓国がイケメン」で、「女は北=北朝鮮が美しい」といわれていることも無関係ではないだろう。ミステリアスでクールビューティーな北朝鮮の女性は、スパイがはまり役というわけだ。さらに歴史を紐解くと、古くは1988年の大韓航空機爆破事件の金賢姫から、最近では2010年にソウルの地下鉄幹部と北朝鮮の女スパイの「恋」が事件として韓国で話題になったことも。実在する女スパイの“恐さ”を知っている韓国人にとって、女スパイというキャラクターは、ドラマに強烈なリアリティーを加えるのであろう。

(文:ライター・翻訳家 桑畑優香)

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記者 : Kstyle編集部