「赤道の男」イ・ジュニョク vs イム・ジョンウン、これが本当のドラマだ

TVREPORT |

写真=KBS 2TV「赤道の男」スクリーンショット
直球勝負で同時間帯視聴率最下位から1位に躍り出たKBS 2TV水木ドラマ「赤道の男」が回を追うごとに勢いを増している。

現在ドラマの中盤に差し掛かっているところだが、同ドラマの歩みには迷いがない。毎回最後の追い上げをしているかのように、登場人物の対立と番狂わせをたっぷり盛り込み、視聴者の視線を独占している。放送6週目の最後を飾る第12話では、中心人物のソヌ(オム・テウン)とジャンイル(イ・ジュニョク)、そしてノシク(キム・ヨンチョル)が揃った。探索戦に本格的な対立の序幕を開け、興奮して持っているカードを見せてしまったジャンイルは、2回戦でスミ(イム・ジョンウン)と対立した。この日描かれたジャンイルの姿は、なぜ彼が視聴者の間で“壊れるのが専門”と言われているのかを証明した。


【攻撃力】ジャンイル ★★☆ vs スミ ★★★★★

「赤道の男」の6週目の主人公はなんと言ってもスミだ。幼いソヌを海に突き落とし、その場を去るジャンイルの姿を絵にしてジャンイルを驚かせたスミが、ついに持っているカードを全て出して見せた。13年ぶりの再会にもかかわらず依然として自分を見下し、冷たく接するジャンイルに憤り、当時のジャンイルの過ちを描いた絵を見せ、彼を追い詰めた。「私、その日、そこにいたのよ」この台詞で決定的な攻撃をしたスミは、自らを罪人と名乗り「再捜査が始まれば、警察に話すつもり」と話し、ジャンイルを激しく動揺させた。

一方、ジャンイルの攻撃は意欲だけが先走ってしまった。最初からソヌだけを気にして、スミの存在を忘れていたジャンイルは、言葉だけでスミを怒らせた。「絵の中にいるもう一人に先に見せるべきだったかな?」と話すスミを「お前、しつこいよ」と非難した。ジャンイルの攻撃は、暴言と悪口が全てであった。問題の絵を「ソヌに見せるがいい」と無謀な発言をしながらも「僕がほしいのか?」「お前の好きにしろ」など、諦めたような発言で感情的になった。


【防御力】ジャンイル ★ vs スミ ★★★☆

抜群の攻撃力を見せたスミが、ディフェンス面でも優位に立った。そもそも最初からスミには弱点がなかったのだ。ソヌが友人に裏切られたにも関わらず、黙っていたという罪悪感を除けば、精神的にも追い詰められそうな要素は持っていない。高校時代からずっと自身を見下すジャンイルに過剰な反応をするのは、彼を愛しく思っているからだ。ジャンイルに「好きではない」と答えていた彼女だが「警察に言えば良かっただろう? なぜ言わなかった?」という質問には「あんたが可哀相だったから」と答え、依然として彼を想っているということを示した。悪女である前に、恋に落ちた一人の女性としてジャンイルの冷たさに反応したのだ。

ジャンイルが“壊れるのが専門”と言われているのは、周りの人々の攻撃に毎回これといった防御を出来ずにいるためだ。ソヌには見え見えの嘘を、スミには前述した暴言で一貫しているだけだ。スミが過去の過ちに言及し、追い詰めてくるにも関わらず、これといった対策もなく感情的に対応している。そんなジャンイルにノシクは「これでソヌに勝てるのか?」と疑問を感じていた。それでもジャンイルに星を一つ与えたのは、周りが敵だらけであるにも関わらず耐えてみせる精神力を持っているからだ。

本格的な勝負はこれからが本番だ。作品の力だけで同時間帯の1位に躍り出た「赤道の男」が“赤道のマジック”を見せることが出来るのか。その活気溢れる一歩に視聴者の関心が高まっている。

記者 : イ・ヘミ