ハ・ジウォン&ぺ・ドゥナの「ハナ~奇跡の46日間~」第2の「私たちの生涯最高の瞬間」となるか?
TVREPORT |
1991年、日本千葉で開かれた世界卓球選手権大会。ひとつのチームになるのが金メダルを取るよりも難しかった、史上初の南北単一卓球チーム、KOREAは46日間という短い間、理念と思想の差を乗り越え、ただ優勝を目指して走るしかなかった。あの日の感動がそのまま溶け込んだ映画「ハナ~奇跡の46日間~」(監督:ムン・ヒョンソン、制作:ザ・タワーピクチャーズ)が5月3日の公開を控えている。しかし、この映画、どこか見覚えがある。分かるようで分からない妙な気分にとらわれていると、頭の中でかすかに浮かぶ映画がある。それは、ムン・ソリ、キム・ジョンウン主演の「私たちの生涯最高の瞬間」(監督:イム・スルレ)だ。トップクラスの演技力を誇るハ・ジウォン、ぺ・ドゥナと実話を武器にした「ハナ~奇跡の46日間~」が果たして「私たちの生涯最高の瞬間」の栄光を受け継ぐことができるのか、見てみよう。
女優たちの汗とヒューマンスポーツ映画
最近の韓国映画にはスポーツをテーマにした作品が頻繁に登場している。しかし、恋愛とコメディ、アクションドラマが主流となっている韓国映画界でスポーツジャンルはまだ劣勢であるのが現実だ。しかし、それを打ち破った映画がある。2008年に公開された「私たちの生涯最高の瞬間」だ。この映画は女優たちの活躍で400万人の観客を動員し、初めてスポーツ映画を成功させた。「私たちの生涯最高の瞬間」はムン・ソリ、キム・ジョンウン、キム・ジヨンなどがメインとなり、2004年のアテネオリンピックで名勝負を繰り広げた女子ハンドボール選手たちの実話を描いた。当時、女優たちはハンドボール選手を演じるために、厳しい練習をこなし、肩が脱臼するなど、怪我が相次いだ。しかし、そんな条件下でも彼女たちはそれぞれのキャラクターを完璧に演じきった。「ハナ~奇跡の46日間~」も、ハ・ジウォン、ぺ・ドゥナ、新人のハン・イェリ、チェ・ユニョンまで卓球選手に変身するために、ヒョン・ジョンファ卓球国家代表監督の指導のもと、6ヶ月間練習した。苦労を経験したことのない、キレイな女優たちが汗に濡れたトレーナーを着て、足の爪が抜けるケガをするなど、自ら苦労を買って出た映画だ。
実話の力“リアリティ”が観客のこころを掴む
2004年のアテネオリンピック、女子ハンドボールの決勝戦、韓国対デンマークの試合。当時、デンマークはオリンピック2連覇を達成した強い相手であるだけに、ホームグラウンドかのような審判の判定まで加わり、言葉の通り、闘魂が必要な相手だった。これまで非人気種目だったハンドボールは「私たちの生涯最高の瞬間」のおかげで、人々の関心を集めることができた。それに比べて「ハナ~奇跡の46日間~」は1991年の千葉世界卓球選手権大会を背景にした映画だ。21年が過ぎた2012年、あの日の記憶が薄くなった30代と、まったく経験のない10~20代観客にちゃんとアピールできるだろうか?懸念とは違い「ハナ~奇跡の46日間~」には「私たちの生涯最高の瞬間」とは違う力がある。それは、南北分断という共通の恨の情緒だ。恨の情緒を持っている韓国の観客に、これほど魅力的なテーマもないだろう。今月4日「ハナ~奇跡の46日間~」の実際のモデルであるヒョン・ジョンファ女子卓球国家代表チーム監督は「『私たちの生涯最高の瞬間』よりもリアリティがある」と自信をあらわにした。
個性のある中古新人の登場
「私たちの生涯最高の瞬間」と「ハナ~奇跡の46日間~」には目立つ新人も鑑賞のポイントの一つである。「私たちの生涯最高の瞬間」では、天然で純粋なゴールキーパーのスヒを演じたチョ・ウンジとハンドボールの実力が高い若手選手ミンジ役のチャン・ボラムが注目を浴びた。彼女たちは主演に負けないほどの個性あふれるキャラクターで、映画が公開されてから多くの関心をうけ、演技力が認められた。「ハナ~奇跡の46日間~」では北朝鮮の咸鏡道(ハムギョンド)出身の選手ユ・スンボク役を演じるハン・イェリと北朝鮮のチェ・ギョンソプ(イ・ジョンソク)選手と恋に落ちる韓国選手チェ・ヨンジョン役のチェ・ユニョンが登場する。ハン・イェリは独立系映画で並々ならぬ実力を持った実力派俳優。彼女は初めての商業映画「ハナ~奇跡の46日間~」で完璧な北朝鮮の方言を使い、同僚から絶賛されたそうだ。また、チェ・ユニョンは2009年4月に放送されたKBS 2TV「ザ・スリングショット~男の物語」で短役をはじめ、様々なドラマで脇役を演じた中古新人だ。映画では、昨年公開された「マイ・ブラック・ミニドレス」では助演として出演した経歴があり、今回「ハナ~奇跡の46日間~」で可愛い脇役でイ・ジョンソクとのロマンスに挑戦した。
ムン・ヒョンソン監督の初めての演出作「ハナ~奇跡の46日間~」が第2の「私たちの生涯最高の瞬間」となり、ヒットとなるか期待される。「ハナ~奇跡の46日間~」は5月3日、観客に向けてサブを入れる。
記者 : チョ・ジヨン