ZE:Aのシワンさん、ごめんなさい。“真剣に”書くしかなかったんです。

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写真=クォン・ウソン

「太陽を抱く月」から「赤道の男」「スタンバイ」まで…“演技ドル”ZE:A シワン

人の人生を180度変えるほどのターニングポイントは、ある日突然訪れる。そしてそのチャンスを掴むか、掴めないのかは、全てその人生を生きていく人次第だ。チャンスが訪れたことに気づく賢明さとそれを逃さない瞬発力。その両方を持っている人は、“賢い”といえるだろう。

ZE:Aシワンの第一印象は、“本当に賢い”ということだった。「大学さえ進学すればなんでも出来る」という大人の真っ赤なウソに騙され、高校3年間勉強ばかりしていた。その後、“高校4年生と変わりない”という現実と向き合い、他の道を歩んで行く決心をした。タイミングを逃さなかったわけだ。

“チャンス”まで掴んだ。ある歌謡祭に出演して可能性を認められ、故郷の釜山(プサン)から一人で上京し、厳しい練習生生活を経験した。そしてアイドルグループZE:Aのメンバーとして デビューすることに成功した。

2012年、シワンは、俳優としてのまた別のチャンスを掴んだ。MBC「太陽を抱く月」のホ・ヨム(ソン・ジェヒ)の子役はただ始まりに過ぎなかった。21日放送されるKBS 2TV「赤道の男」のイ・ジャンイル(イ・ジュニョク)の子役と4月放送予定のMBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「スタンバイ」まで。シワンはいつのまにか最も注目される“演技ドル”の一人になった。

写真=クォン・ウソン

“演技初挑戦”なのにここまで……ひょっとして演技を習っていたのでは?

「一人でトレーニングを受けることに対する負担ですか?僕は、適応が早い方ですね。以前しばらくオーストラリアで過ごした時も楽しかったし。デビューした後、仕事で海外に行っても生活や食べ物など、すぐ慣れますね。外国にもすぐ慣れるから、釜山からソウルに来て適応するのは、うーん……」

これまでバラエティ番組で“練習生の哀歓”についてはよく耳にしてきた。彼も練習生時代があったので、“厳しかった”と話すだろうと期待して投げた質問だった。だが、返事は予想外だった。その根底には「まだ足りないことが多い」という謙虚な心があった。

「太陽を抱く月」による人気について話す時も同じだった。シワンは、「歌手として知名度が高くなかったのが逆に演技に役立ったようだ。(演技は)初めてだから非難されても直していく姿勢を見せようと思ったが、それ以上の反応を得た」と恥ずかしげに言った。

「最初の反応を見て、残りの部分で不手際がばれたらどうしよう」と心配したと言うシワンは、最後まで立派な演技を見せた。

「演技を習ったことがない」という言葉が信じられないほどだった。それで、「実は演技を習ったのにそうでないふりをしているのではないか」という疑問を提起した。彼ははっきり答えた。

「いいえ(笑) 歌手になったのも、実は最初に“芸能界”についての常識がなかったからです。テレビに歌手がたくさん出るから、『あれくらいになって成功するのだ』と思っていました」

「それで『太陽を抱く月』の撮影初日、本当に負担が大きかったです。歌手として活動していただけで、ドラマの撮影現場の雰囲気を経験したことがなかったので。周りから「よそ者に対する既得権意識のある人がいるかも知れない」という話を聞いて心配もしました。でも、キム・ドフン監督が演技だけに集中出来るよう配慮してくれました。僕は演技をするのが初めてなのに、役柄について意見を出せばいつも相談に乗ってくれました。おかげで自信をもって自分の話が出来たと思います」

写真=クォン・ウソン
しばらくの間「歌手として向き合うカメラと演技者として向き合うカメラは違う感じがする。歌手として舞台に出る時は『まるでカメラを捕って食うように』見るべきだが、演技をする時はカメラが俳優を(画面に)収めてくれるから、もっと気楽だ」という話で演技の楽しさを表現したシワン。彼は「演技のことはよく分からないが、僕でない僕を表現しようとするのなら、それが(演技には)マイナスになると思う」と言い、これからもずっと演技がしたいという思いを語った。

それはただ「活動範囲を広げたい」という軽い気持ちからではなく、より良い人になるため、ある程度は欲を出せる人の熱望が盛り込まれていた。デビュー初期に話題になった「読んでいた自己啓発本の一ページ一ページに自分の考えを書いておいた」という逸話を聞いてもこのような考えが読み取れる。

「意欲はありすぎても、なさすぎても良くないと思います。意欲がないと発展もないだろうと思うし、意欲がありすぎだと何を得ても満足出来ないから。その基準を明確に定めるのが賢明だと思います。僕ですか?僕はまだ僕の持つ能力より意欲の方が多いみたいですね(笑)」

自然に彼の未来が気になった。この賢い人は果たして10年後どんな35歳になっているのだろうか。しばらく悩んだ後、シワンは、「今周りにいる人々だけは失いたくない」という願いを語った。ここには、自身が活動しているZE:Aについての愛情も含まれている。

写真=クォン・ウソン
最後に逸話を一つだけ紹介する。インタビューの場所を離れながらシワンは、「あまり真剣に見られたくない」という言葉を残した。もちろん、服が好きだった母の影響でファッションに興味があり、普通の青年と同じく、悩みの一つくらいは持っていて、「ドラマの初回放送を見てほしい」と可愛いポーズで取った写真をSNSに掲載するユーモアも備えた25歳の青年。やはりシワンだ。だが、あえて“真剣に”書く。彼を“特別な人”として認識させる理由は、その真剣さを否定出来ないためだ。

「これからZE:Aとして活動出来る時間は、長くても数年くらいでしょうね。その後それぞれ何をしていてもお互い応援し合い、気持ちよく会えればいいなと思います。僕も10年後には何をしているか分かりませんが……メンバーとの関係を維持しながら今よりはもっとよいポジションに立っていたいですね。それが金とか名誉を意味することではありませんが。

僕は、器の小さい人だと思います(笑) それで、ファンの皆さんが望む“完璧な姿”を見せる自信はありません。ただ、今僕がしている仕事を頑張って、最大限皆さんに満足していただける姿に近づけようと努力することが僕の最善だと思います。それでも、変わらず僕に惜しみない声援と、感心を持ってくれる皆さんにはいつも感謝していると申し上げたいですね」

写真=クォン・ウソン

記者 : イ・ミナ