俳優チュ・ジンモ ― これは知らなかったでしょう?

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映画『GABI / ガビ-国境の愛-』を見る前に“純情マッチョ”チュ・ジンモを知ろう

包装と皮は彼には逆にやっかいに見えた。よく言われる“彫りの深いイケメン”で、話さなくても漂う“強い男の魅力”はチュ・ジンモのごく一部に過ぎないと思っていた。映画「GABI / ガビ-国境の愛-」を通して観客の前に再び立つ彼に、人々が持っているようなイメージについての説明、あるいは自身の見解を聞いてみた。

今回のインタビューでは彼の表面的なイメージではなく、より深いところを聞いてみようという狙いがあった。つまり、彼を取り囲むイメージの中を探求してみようという趣旨があった。彼も「私を囲んだ皮を破るからかえって気楽だ」と快く心を開いてくれた。映画「霜花店(サンファジョム)-運命、その愛」以後メディアとのインタビューは約3年ぶり。今回は、チュ・ジンモのありのままの姿を調べてみよう。


1.チュ・ジンモは慎重な人?

チュ・ジンモ:慎重というのは、どのように見るかによって違うだろう。私は大きいほど単純に考える方だ。もともと大きくて複雑であるほど口出しする人が多いのではないだろうか。最初にいい感じだと思ったらそのまま行く。例えば作品選定でも、仕事なら前は言われた通りにしていたが、今は信頼の気持ちさえ伝わればすぐに決める方だ。人と人の間でなされることではないだろうか。信頼が重要だと思う。

―それでは、仕事以外の日常生活でもをきっぱりと物事を決める方なのか?

チュ・ジンモ:私は、「何でもいい」という風には言えない。ご飯を食べる時、誰かが「何食べようか?」と尋ねているのに「何でも」と答えるのは礼儀正しくないと思う。ある食堂には「何でも」というメニューがあるくらいだ。特にご馳走してもらう立場なら意思表現をはっきりしなくちゃ。私はメニューに何があるのかを聞いてからあらかじめ決めて相手に話す方だ。

メディアでは初めて公開するが、私は味噌が食べられない。幼い頃味噌の入った食べ物を食べて胃もたれで苦労したことがあって、今でも食べられずにいる。一緒に仕事をする方々、スタッフの皆さんには本当に申し訳ない。この世界で一番良く食べるメニューが味噌汁なのに「申し訳ありませんが、キムチチゲはありますか?」というようにあらかじめ聞いておく。それでも偏食はしない(笑)

私が「何でもいいです」と言ったら制作スタッフはパンが欲しいのか、それともご飯が欲しいのかと悩むはず。酒を飲むときも同じだ。焼酎なのかワインなのかをはっきりしないと、屋台に行くかワインバーに行くかの準備が出来ないと思う。


2.チュ・ジンモには隠された笑いのセンスがある?

チュ・ジンモ:よく言われるが、私はわざわざ人を笑わせようとはしない。だが、なんとなく明るい感じがするのではないか。日常生活の中で愉快さを保ちたいと思う。アメリカの大統領が演説する時、私たちと違う点は何かと見ていたら、オバマ大統領は最初に聴き手の耳を傾けるウィットに富んだコメントを飛ばした。それから引き続き重要で真剣な話をした。私には肯定的な感じがした。

我が国では、ポストによって真剣でなければならないという考えがあるようで、時々固くなったりするが、人は笑える席に限って笑うわけではないと思う。人々が私のことを“重いイメージ”だと言うが、私はどんな気まずい席でも愉快に対応しようとする。個人的な考えだが、大統領に会っても気楽に接することができると思う。

―これまで演じてきた役が強くて暗かったのでそういうイメージが出来たようだ。

チュ・ジンモ:まさにその通り。チュ・ジンモという俳優が演じてきた役は、本当の私とはかけ離れた人物であることを分かってほしい。これまでは、そのような役を主に演じてきたので、逆に私が持っている愉快さを見せられる作品に出演したくなった。私の性格が暗くて重かったら、どうやってこんなに険しい世の中を生きてきだのだろうか。私がじっとしていると人々からは怒っているように見えるようだ。笑顔は心の壁を取り払う。それで笑おうとする。

―私もじっとしていれば「何か悩みでもあるのか」とよく聞かれる。時々家で笑う練習もするが、本当にぎこちない。

チュ・ジンモ:それでも練習した方がいい(笑) 私にも腹の立つ時がある。でも、腹が立つとそのまま面と向かって全部話してしまう。私の今の状態を説明し、イライラしていると言う。これでコミュニケーションが成り立つと思う。この頃は、人前ではにこにこ笑って後では違う話をするのが嫌だ。今になって話せることだが、以前は私が自分のイメージに閉じ込められていて相手が心を開く前にその状況が終わったりした。そうして彼らとは会えなくなった。


3.チュ・ジンモはマッチョ?

チュ・ジンモ:ウーン。いつもマッチョではないが、場合によって筋肉は必要だ。私もある部分ではマッチョの気質があるだろう。ただそれを乱用してはいけない。ただ演技を続けてきて、いつの間にか先輩になったが、後輩の面倒を見るときそのような気質がなければリード出来ない時がある。仕事をする時も同じだ。リーダーの位置に立った時マッチョな姿も必要だ。


4.チュ・ジンモは意外に涙もろい?

チュ・ジンモ:カメラの前ではよく泣く。演技は感情移入することが最優先だから。でも、普段は 感情をよく表わさない。心が子供みたいだ。幼い少年の感性ではなく、少女の感性かな(笑) それでかなり傷ついてきた。それが嫌で男性的な姿が出てくるようになった。

―そのような意味でチュ・ジンモとはいつの間にか打ち解けて、何でも話したいという気持ちにさせる人でもある。兄として、同僚としての話だ。

チュ・ジンモ:いつからか後輩たちが「心を開いて話したい」と言ってくる。その時は静かに話を聞いてから私にも似たような体験があったら、「自分はこのようにしたらこのような結果が出た、でも最終的にはあなた自身が決定することだ」と話す。この様に話をしたので信頼されたようだ。重要なのは、相談されたことはすぐに忘れるようにしなければならないということだ。

私はこれまで先輩たちを見習おうとしていた俳優だった。前だけを見て走ってきたから。ところが、ある記者が「チュ・ジンモさんを見て演技者を志望する人がいる」と話してくれた。エネルギーがパッと上がった。これまで出演した作品からの私のイメージがあまりにも強いという話を聞いてきたが、ロールモデルとして、共に仕事をしたいと言ってくれる俳優がいることは確かに力になる。

そのような意味で、「GABI / ガビ-国境の愛-」で共演したキム・ソヨンさんの飛躍を願っている。心構えや誠実さが今まで共演した俳優の中で最高だ。同じ演技者ながらこのような助言をするのはちょっとあれだが、より深みのある演技を目指すのならば、自分を冷静に眺めながら内面的な演技をする力を持てばより良いと思う。彼女の前向きな姿が良い。

記者 : イ・ジョンミン