「乱暴なロマンス」放送終了…視聴率以外の全てを得た!

TVREPORT |

写真=KBS 2TV「乱暴なロマンス」スクリーンショット
KBS 2TVの水木ドラマ「乱暴なロマンス」(脚本:パク・ヨンソン、演出:ぺ・ギョンス)が23日の放送を最後に、視聴者に別れを告げた。敵対する仲だったムヨル(イ・ドンウク)とウンジェ(イ・シヨン)が初めてキスを交わし、永遠の愛を誓うというハッピーエンドだった。

ムヨルとジョンヒ(少女時代ジェシカ)を精神的に苦しめてきたストーカーの家政婦は(イ・ボヒ)は、犯行現場で逮捕され、ムヨルに「勝手に愛してごめんね」と薄気味悪くも真心のこもった告白をした。真犯人が捕まったことで、妻スヨン(ファン・ソニ)をかばうために、ムヨルのストーカーを自ら名乗ったドンス(オ・マンソク)の疑いは晴れた。しかし、ドンスとスヨンが帰郷を決める姿から推測されるだけで、ドンスの誤解が解けるシーンは描かれなかった。

そしてジョンヒはムヨルとクールな別れのあいさつをして、イギリス行きの飛行機に乗った。ムヨルを嫌っていたコ・ジェヒョ記者(イ・ヒジュン)はムヨルを主人公にした本を書くために取材に熱を上げ、ドンア(イム・ジュウン)とキム室長(カン・ドンホ)は少し変わっているけれど、お互いにぴったりの恋愛に夢中になっている。母の浮気で崩壊したウンジェの家族たちは、過去を忘れ新しい未来を作るために努力している。放送序盤で登場したムヨルを誘惑しようとした女も、オーディションを受けながら自分の夢に向かって走っている。

家政婦によって命を失ったユニ(ホン・ジョンヒョン)以外は、「乱暴なロマンス」の登場人物がすべて変化と痛みを経験し、一回り大きくなった。

今年1月14日から放送スタートとなった「乱暴なロマンス」は、単純で無知な野球選手ムヨルと、男勝りな女性SPウンジェが偶然に出会い、ムヨルの周りで起きる事件を経験しながら、互いへの思いが憎悪から理解へ、理解から愛へと変化していく様子をコミカルかつ興味深く描いた作品だ。

しかし、同じ日に放送が始まったMBC水木ドラマ「太陽を抱く月」との競争に負け、視聴率に苦戦していたのは事実だ。それでも「乱暴なロマンス」は、視聴率がすべてではないことを認識させ、シーズン2の製作を求める声が殺到するほどコアなファンを作った。


俳優たちの個性満点の演技

「乱暴なロマンス」でなくてはならない理由をひとつだけあげるとすれば、俳優たちの体当たりの演技ではないだろうか。

前作であるKBS 2TV月火ドラマ「ポセイドン」で終始一貫した暗い姿で作品とともに沈没したイ・シヨンは、「乱暴なロマンス」で自分の特技であるボーイッシュでコミカルな魅力で視聴者を虜にした。ドラマの序盤か見た目、話し方、表情、歩き方などが男のような女性SPを完璧に表現し、前作でダメージを受けたイメージを刷新することに成功した。

イ・シヨンと同じく、前作のSBS週末ドラマ「女の香り」で悪い男のイメージで女心を揺さぶったイ・ドンウクも、「乱暴なロマンス」では忘れていた自分のコミカルな魅力を存分に発揮した。彼は、変わり者のムヨルを完璧に演じ、ウンジェとの息の合ったコンビプレーをした。

男女主人公以外にも「乱暴なロマンス」に出演した俳優たちは皆、それぞれのキャラクターに溶け込む演技力で視聴者を引きつけた。


ユニークなキャラクターの集まり

「乱暴なロマンス」は主人公ならびに助演、端役にまで特別なエピソードを与え、生き生きとしたキャラクターを完成させた。ウンジェ、ムヨル、ジョンヒ、ドンス、スヨン、ケビン・チャン(イ・ハンイ)、ユ・ヨンギル(イ・ウォンジョン)、ドンア、ジェヒョ、チャンホ(チャン・テフン)、ユニ、家政婦など「乱暴なロマンス」の登場人物は、漫画のように個性的なキャラクターばかりだ。

また、ウンジェの家族がブルーシーガールズ(野球球団)の熱狂的なファンになった理由、ドンアが本の物語にはまった理由、ジェヒョがムヨルをいじめるようになったエピソード、ユニが何の恨みもないムヨルを刺激する理由、ジョンヒが躁うつ病になった理由、家政婦がムヨルに執着するようになった理由など、登場人物たちの行動にはすべて理由があった。

このように「乱暴なロマンス」は、キャラクター一人ひとりを脚本家が丹精こめて作り上げ、その痕跡が至る所に見られる。


興味深いストーリー展開

このドラマは俳優たちの個性の強い演技やユニークなキャラクター、一風変わったストーリーの展開方法などで、従来のドラマでは見られなかった新しい雰囲気を作り出した。

目の敵だった男女が何だかんだと言っているうちに恋に落ちる物語は、これまでに数えきれないほどたくさん、ラブコメディジャンルで取り上げてきた素材だ。しかし「乱暴なロマンス」はところどころにスリルのある要素を盛り込み、退屈させないストーリー展開を進めた。

しかし、物語が後半に行くほど恋愛要素が著しく減り、スリルのある内容を重視するようになった。そのため、「乱暴なロマンス」の意図していた物語の軸を失ったようで残念だ、という指摘もあった。

そんな「乱暴なロマンス」の後続番組には全4話の連続ドラマスペシャル「普通の恋愛」が放送される。

記者 : イ・ウイン