オ・ジホ ― どうせならいっそ、ラブコメの巨匠になりたい

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初回放送が10%だったMBCドラマ「僕の妻はスーパーウーマン」は11話になって24.2%(ニールセン調べ)という視聴率を打ち出した。この記録は、初回放送から2倍を越える数字である。そしてこの数字は、ドラマ自体の最高視聴率記録を更新した。放送環境の変化で、ドラマ視聴率が以前とは異なる昨今、「僕の妻はスーパーウーマン」はストーリーが中盤に入った今でも次の展開を期待させてくれる、滅多にない素晴らしい作品だ。このような人気の秘訣は“マクチャンドラマ”(非現実的で無理やり作った感じのドラマ)と呼ばれている感情の起伏が激しいなど強烈な人物設定ではなく、リアルで細かいエピソードを適材適所に組み合わせた作品構成にある。これに加えて、独特ながらもイキイキとしたキャラクターは「僕の妻はスーパーウーマン」を成功に導いた決定的な要因である。そのなかでもオ・ジホが演じるオン・ダルスは、頭は良いが社会性が乏しい人物だ。その性格のおかげで、悪気があってしたわけではない行動に、かえって周囲に迷惑をかけてしまう状況を作ってしまっている。

21日、MBC経営センターで、そんなオン・ダルスを演じているオ・ジホの記者会見が開かれた。彼はオン・ダルスを「生活面では似ている性格」だけれども、「仕事の面ではまったく」オン・ダルスとは違うと話した。

―「僕の妻はスーパーウーマン」の人気の高さに実感はあるのか

オ・ジホ:ドラマが上手くいっているのは、食堂に行くととても実感できる。もっともっと食べてくださいと、次々と用意してくれるから。周りのみんなも面白いと言ってくれた。今までやってきたドラマで視聴率20%を超えた経験がなかったから、とても不思議な気分だ。けれど、みんなが楽しんで見てくれているので嬉しい。


「ラブコメディの巨匠になりたい」

―この作品の人気の秘訣はなんだと思うか

オ・ジホ:女性はもちろん、男性も楽しく見ることのできる作品だからだと思う。普段あまり見ることのできないサラリーマンの日常が描かれていて、周りでは男性がとても面白いと言ってくれる。それに、キャラクターのバランスがよく取れていて、さらに面白さを増すようだ。

―撮影現場の雰囲気はどうなのか

オ・ジホ:台本読みの時から雰囲気は良かった。KBSドラマ「花より男子」が終わったから視聴率が上がるだろうと予想はしていたけど、それ以上に視聴率は好調で、雰囲気はさらに良くなった。多分、最終回までこの調子で行くのではないだろうか。(笑)


―しばらくの間コミカルな役を演じている。イメージが固定されてしまうことに恐怖感はないか

オ・ジホ:演じている時の恐怖といえば、視聴率だけだ。そして僕は誰かを笑わせようと演技をしているわけではない。自分のイメージが大きく崩れる役でもなく、キャラクターの性格の中で僕ができる限りの演技をしている。昔、同じような演技ばかりをしていた時は「もう少しくだけた演技をしてみるのもいいかもしれない」とよく言われていた。コミカルな役を演じるようになって6年ほど経ったけど、どうせならいっそ、ラブコメディの巨匠になりたい。(笑)また違う姿が見せられるチャンスはきっとある。


―年を重ねるごとに「子持ちの役」も演じるようになった

オ・ジホ:今回で3回目になる。KBSドラマ「人生よ、ありがとう」で初めて父親役を演じたけど、その時は役がプレッシャーとなってしまい、子役の子にも優しくできなかった。申し訳ないと思っている。その後KBSドラマ「シングルパパは熱愛中」では未婚の父親役を演じた。MBCドラマ「ファンタスティック・カップル」で甥役として共演した子役の子とは、連絡を取り合う仲になった。「僕の妻はスーパーウーマン」でジョンウォン(パン・ジュンソ)は、娘役だけど一人の役者として接している。本当に演技が上手い。最高の女優だ。(笑)


―撮影中、一番記憶に残っていることは何か

オ・ジホ:漢江(ハンガン)の鉄橋に上がるシーンだ。実は漢江鉄橋が映画「漢江の怪物」以外は撮影許可が下りなくて、春川(チュンチョン)で撮ったシーンだ。実際に鉄橋に上がってみると、座る場所も立つ場所もなかった。加えて、人間がもっとも恐怖を感じる高さと言われている11メートルだったので、本当に怖かった。ドラマの中でも初めてジエ(キム・ナムジュ)に嘘をついて、そこから事件が発生するシーンだったから、特に記憶に残っている。


「チョルホ兄さんとのサウナシーンには秘密が隠されている」

―共演したキム・ナムジュに対してはどのような感情を持っているのか

オ・ジホ:よく世話をしてくれる姉のように思っている。だけど、兄のような一面を見せる時もある。新人の時に共演した大先輩でスターだったから、未だにどう接していいのか困っている。だから、ナムジュ姉さんの演技は僕なんかではとても評価できない。しかしナムジュ姉さんは今回のようなドラマの演技は初めてだから、撮影が始まる頃、僕は生意気にも一言アドバイスをした。「コミカルに演技しても、全然構いませんよ、姉さん」と。近くで演技している姿を見ていると、驚かされっぱなしだ。

―男性キャラクターたちがそれぞれ人気を得ているが、演じたかった役などはあったのか

オ・ジホ:(ユン)サンヒョン兄さん。白いズボンがあれほど似合う社長がどこにいるだろうか。(笑)上司だけど圧力的ではなく、とても自由な姿が魅力的だ。(チェ)チョルホ兄さんも一緒に撮るシーンが多いけれど、時代劇で見ていた時はこんなに面白い人だとは思わなかった。元々、リハーサル中にあまり笑わない方だったけれど、チョルホ兄さんといたら笑わざるを得ない。サウナのシーンを撮る時も、撮影1時間前に知らせてくれと言って、一人バナナと卵を持ってきて運動していた。(笑)その上、カメラの前方に座って、どうやったら体がもっと大きく見えるのかって作戦を練っていた。

―では、それに対してオン・ダルスの魅力が劣っていると思うか

オ・ジホ:オン・ダルスの魅力を探すことはできない。社会性のなかった彼が、妻の協力で変わりながら着々と仕事をやり遂げていく。そうしているうちに、妻の干渉が段々と負担になってくる。そんな姿を見て、嫌な奴だと思う人もいるかもしれない。けれど、それが男の成長だと思う。徐々に自分のことを自分で解決できるようになっていく。

―しかし、オン・ダルスは他の女性に想いを寄せる不倫男だ

オ・ジホ:最近、そんな内容の記事をどこかで見かけた。しかしそれも人生だと思う。セリフにもあったように、一人の女性だけを愛するべきだけど、もし他の女性が近付いてきたらクラッとしてしまう。クラッとしない男はいないと思う。そんな人生の危機を、ドラマではよく映し出している。

―今後「僕の妻はスーパーウーマン」の視聴率はどこまで上がると思うか

オ・ジホ:32%!今の勢いだと30%くらいは上がると思うけど、もう少し上がって32%かな。

記者 : 記者:ユン・ヒソン、写真:チェ・ギウォン、編集:イ・ジヘ、翻訳:チェ・ユンジョン