2012年版シュリ「約束の恋人」これからの課題は“真剣さ克服”

TVREPORT |

写真=TV朝鮮
“製作期間4年”“製作費100億”“ファン・ジョンミン、キム・ジョンウン主演”など、様々な面で話題となったドラマ「約束の恋人」(原題:韓半島)の派手な映像や主演の演技などを披露し、注目を浴びることは成功したものの期待作という表現を使うには多少不十分な姿でスタートを切った。


映画「シュリ」を連想させるシーンは“自縄自縛”

6日午後、総合編成チャンネルTV朝鮮の月火ドラマ「約束の恋人」(劇本:ユン・ソンジュ、演出:イ・ヒョンミン)がスタートした。「南北合同チーム」という副題がついた第1話では、北朝鮮と韓国が協力して次世代エネルギー源を開発するために北朝鮮の元山(ウォンサン)沖に設置した「メタンハイドレート開発基地」を中心としたストーリーが展開された。そしてその真ん中には、韓国側の総責任者ソ・ミョンジュン(ファン・ジョンミン)と北朝鮮側の責任研究員リム・ジンジェ(キム・ジョンウン)という二人の主人公である科学者がいた。二人はかつてロシアでの留学時代に恋人同士だったが、分断という障壁にぶつかって別れてしまう。しかし南北の科学者として基地で再会した。

そして韓国の大統領カン・デヒョン(イ・スンジェ)と北朝鮮の主席キム・テソンが、南北合同サッカーチームの競技を一緒に観覧する姿と、北朝鮮の内部で生じるクーデターの兆候を同時に描いた。

制作陣は当初「メタンハイドレート基地」を通じて緊張感あふれる南北の境界と、その境界が崩される姿を現実的に描くつもりだったという。しかし、第1話では南北合同サッカーチームを応援していた韓国と北朝鮮の人々が結局互いに銃を構える事態まで起こり、結局“イデオロギー”の対立を劇的に演出した。これにサッカー競技場の姿がオーバーラップされ、まるで1998年の映画「シュリ」を連想させた。 


終始真剣なすぎる… ドラマはドキュメンタリーではない

もちろん「約束の恋人」が、派手な映像や大きなスケール、ファン・ジョンミンやキム・ジョンウンなどの好演など、第1話で他のドラマより優れた面を見せたのは事実である。最初、韓国側の研究員ソ・ミョンジュン役のファン・ジョンミンが、基地で起こった事故を収拾するため、危険な状況の中自ら水中に潜ってドラマに緊張感を与えた。しかし、このすべてのことを色褪せさせたのは、あまりにも真剣で重い展開だった。

実際、スタート地点から問題があった。ドラマが始まってから約2分間続いた南北分断に関する過去の映像は、これがドラマなのかドキュメンタリーなのか視聴者を困惑させた。このような雰囲気はずっと続き、真剣さを超えてドラマ全体に陳腐なイメージを与えた。さらに重くてスケールの大きいサウンドトラックまで加えられ、劇中の緊張感を損なってしまった。

また、題材もこのドラマの弱点となってしまった。もちろん南北関係や統一を題材にするドラマや映画は通常、北朝鮮内の軍部対立や両方のトップが会って平和統一を議論する姿、イデオロギーを超えた男女の愛などを基本的に描写する。そしてこのような題材は、制作陣によって十分に美しくて魅力的な題材になれる可能性がある。「約束の恋人」の場合は、一目に見える劇の展開が題材そのものが持っている長所を生かせず、ありきった感じを与えてしまった。

「約束の恋人」の制作発表会の時、人々を驚かせたハイライト映像とは対照的だった第1話。どれほどの誠意を尽くして作った作品なのかは、もう重要ではない。これからは偏見や先入観なしに、ドラマそのもので評価される時だ。“始まりが肝心”という言葉もあるが、ハイライト映像が残した強烈なイメージのように、インパクトのある緊張感あふれる展開を期待してみたい。

記者 : チョ・シニョン