「約束の恋人」韓国のみで可能なドラマ ― 見る?見ない?

10asia |


主な出演者

ファン・ジョンミン(ソ・ミョンジュン役)、キム・ジョンウン(リム・ジンジェ役)、クォク・ヒソン(ミン・ドンギ役)、ジフ(カン・ドンウォン役)、チョ・ソンハ(パク・ドミョン)、チョ・イジン(パク・ヘジョン役)


ストーリー

韓半島(朝鮮半島)の危機は南北統一のチャンスだろうか、それとも戦争という悪夢の繰り返しだろうか。
韓国と北朝鮮の間にしばらく流れていた統一に向けた肯定的なムードが、北朝鮮で起こったクーデターで台無しになってしまう。それにより、世界的な科学者であるソ・ミョンジュンとリム・ジンジェが率いた南北合作の代替エネルギー開発チームも、再び南北に分かれてしまった。そんな危機的状況の中、韓国大統領であるカン・デヒョン(イ・スンジェ)が脳出血で倒れてしまい、南北同時に指導者が健在ではないという史上初の事態を迎える。そして、韓国のキングメーカー(政治権力者の人選を左右する実力者)パク・ドミョン(チョ・ソンハ)はソ・ミョンジュンを次期大統領にしようとする。


プレビュー

ファン・ジョンミンは先週行われた制作発表会で「世界中でこのような題材のドラマが可能な国は他にない」と言い、TV朝鮮「約束の恋人」(原題:韓半島、脚本ユン・ソンジュ、演出イ・ヒョンミン)を「本当にあり得る話」と語った。このように「約束の恋人」が見せてくれる南北間の葛藤や危機は視聴者に様々な想像をさせ、それと同時にリアリティーのある題材でもある。特に北朝鮮のクーデターや、韓国の大統領選挙などの深いストーリーは、大作ドラマでこそ感じられる快感やハマると抜け出せない政治ドラマならではの魅力を視聴者に感じさせようとしている。しかし、イ・ヒョンミン監督が「見どころは南北統一のストーリーよりも、ソ・ミョンジュンとリム・ジンジェの恋の行方が気になるヒューマンストーリーだ」と明かし、ドラマでは巨大な歴史の流れの中で生きていく人間の姿を描くつもりだと話した。


見る?見ない?

見る?
金正日総書記が死んだ後のストーリーを描いたウェブ漫画「スチールレイン」の人気からも分かるように、南北間の危機的状況を描いた仮想歴史物が依然として多くの人の関心を引いている。さらに「約束の恋人」では次世代代替エネルギーであるメタン・ハイドレートの開発をめぐるストーリーを加えてリアリティを増した。また、ルーマニアで行われた車の追撃シーンや銃撃戦などは、ドラマのスケールの大きさを物語っている。様々なジャンルを通して演技力を認められたファン・ジョンミンとキム・ジョンウンの出演もこのドラマの見所でもある。キム・ジョンウンは「ドラマの中で殴られる演技はもちろん、拷問を受けるシーンも代役を使わず私が演じた」と明かした。

見ない?
南北間のイデオロギーの対立とそれに巻き込まれた人間たちのストーリーは、数多くの映画やドラマで散々使われた題材だ。特に国家間の対立によりすれ違うしかない男女のラブストーリーは、つまらないとも言えるほどよくある話だ。ヒューマニズムを胸に抱いたソ・ミョンジュンという英雄的キャラクターも「約束の恋人」ならではのキャラクターではない。そのため「約束の恋人」は、南北関係を描いたこれまでの映画やドラマと差別化できるところを見せなくてならない。北朝鮮で起こったクーデターの中心勢力となるタカ派出身の母親と、開放を主張する父親という家庭環境で育ったリム・ジンジェを、説得力のあるキャラクターに見せることが重要になるのはこのためである。
「約束の恋人」は、北朝鮮出身のエリートであるリム・ジンジェが韓国大統領の妻にまでなる仮想歴史を、説得力のある展開で見せることができるだろうか。

記者 : キム・ミョンヒョン、翻訳 ナ・ウンジョン