イ・サンヨプ「ミス・リプリー」インタビュー“ユチョンと演じてみたかった”

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2月3日にDVDが発売された「ミス・リプリー」で主人公のユチョンの親友役を演じきったイ・サンヨプのインタビュー。「ミス・リプリー」の撮影現場での裏エピソードや演技への熱い思いを語っていただきました。

―ミス・リプリー出演のきっかけと感想は?

イ・サンヨプ:実は、ほかの作品に出演を検討していました。ところが、ミス・リプリーの監督からお話を頂きたくさん悩みました。結局はこちらが良いと判断し変更しました。詳細は言わないほうが良いかも知れませんが…。まず、ユチョンと共演するのも期待できましたし、感想は…たくさんの良い共演者に巡り合えてよかったですし、元々カン・へジョン先輩のファンなので、共演できて光栄でした。

―「チョルジン」という役を演じていますが、どのように役作りをしましたか?

イ・サンヨプ:ユヒョンは静かで穏やかな人物なのに反し、友人のチョルジンは活発な友達でありながら兄貴的な存在でもあるので、そこにフォーカスを合わせて役作りしました。

―ユヒョンもチョルジンも東大出身という設定ですが、「エリート」的な印象を作るために何かしたことはありますか?たとえば、スタイルや表情、態度などなど…

イ・サンヨプ:どちらかというと活発なエリートなので、話すときにはゆったりと、しかしハキハキと言おうと頑張りました。そのためNGもたくさん出しましたが…
時々、「これはエリートというよりはちょっとお茶目なチョルジンですよ~?」と言い張ってNGもたくさん出しました。
それから、目線も迷いなく真っ直ぐにしようと努力しました。

―サンヨプさんとチョルジンの似ているところ、異なるところを教えて下さい。

イ・サンヨプ:まず、明るくてよく笑うところは似ていますが、チョルジンのことをもどかしく思ったことも度々ありました。
僕が最初もらったシナリオとはちょっと変わってしまいましたが…僕はもともとヒジュに恋する役だったのです。しかし、ヒジュがユヒョンを好きなのを隣で見守りながら、「僕と結ばれないなら、ユヒョンと幸せになってほしい」とチョルジンが思うところが納得いきませんでした。僕なら「あいつより僕のほうが良いと思うよ!」と言うと思います。
そういう、いつまでも見守っているような性格は僕とはちょっと違うと思います。

―それはサンヨプさんの恋愛スタイルですか?

イ・サンヨプ:はい、恋愛観までお話したことになりますね(笑)

―このドラマのテーマでもありますが、「嘘」について、サンヨプさんは「嘘」によく騙されるタイプですか?鋭いほうですか?

イ・サンヨプ:演技を始める前は疑い深く、めったに騙されることはありませんでした。友達が騙されそうになったら僕が指摘してあげたりしましたが、なぜか演技を始めてから人をよく信頼するようになったようです。普通、幼いころは人をよく信頼し、大きくなるほどだんだん信じられなくなるのですが、僕はその反対のようです。なぜでしょうね?

―自分の中から何かを捨てきれたのでしょうね!

イ・サンヨプ:そうですねえ、何か捨てきったのかも知れません。軍隊にも行ってきましたし…ははは!

―「チョルジン」は「ミリ」を疑わしく思うじゃないですか。そのため、視聴者は自分たちの目線に近いキャラクターだと思ったと思いますが…サンヨプさん自身は、チョルジンが演技をするときいかがでしたか?チョルジンなら当然ミリを疑うだろうと思いましたか?

イ・サンヨプ:チョルジンには、女とはヒジュ一人だけだったと思います。そして、ミリはヒジュとは正反対の人間なので、最初からあまり良い感情は持たなかったでしょう。それから初対面が、ユヒョンやヒジュらと喧嘩をしてまうのですが、それからずっと悪い感情を持っていたのだと思います。ただ、こういうことも思いました。チョルジンは本当に外見は見ないのだと…ミリさんは本当にきれいなのですが…ユヒョンも一目ぼれするほどですから… しかし、その美貌に屈せず、「あの女には問題がある」と思うじゃないですか。しかし、僕は、チョルジンがミリの後ろをもっと掘り探ればよかったのではなかろうかと悔やむのです。

―ミリの話が出ましたが、イ・ダへさんはミリ役にのめりこんで素晴らしい演技を披露しました。ところで、実際にはイ・ダへさんはどんな方でしたか?

イ・サンヨプ:撮影の時に初めて会いましたが、完全に「ミリ」になりきっている様子だったので、最初はちょっと関係がぎこちなかったです。しかし、話をしてみたら、頭脳明晰で相手をリラックスさせるコツがわかる、良い演技者でした。

―先ほどチョルジンがミリの後ろをもっと掘り探ればよかったのでは?という話をしましたが、もし自分がチョルジンだったらユヒョンにどのようにアドバイスしますか?

イ・サンヨプ:とても難しい質問ですね。とりあえず、友達が大好きな女性だから、やはり注意深く調査すると思います。まず疑わしく思っている部分を友達に理解させようとすると思います。それでも友達が理解してくれなかったら、こっそり自分で調べると思います。なぜならば、その女性より友達のほうが大切ですから!

―非常に執拗ですね!

イ・サンヨプ:はい、僕はなかなか執拗なんです(笑)

―先程、ユチョンさんと共演できて良かったと言っていましたが、実際の現場ではどのように過ごしていましたか?

イ・サンヨプ:覚えているのは…ミス・リプリーは夜中の12時にセットに入ります。そして、朝日を観ながら撮影を終えます。最初はついていくのに精いっぱいでしたが、ある瞬間からユチョンさんと僕の息がぴったり合うことに気が付きました帰り道には、「今日ほんとによかったよ!」とお互い激励のメールをやりとりしていました。

―先程、カン・へジョン先輩が大好きだと言っていましたが、実際の雰囲気はいかがでしたか?ドラマではサンヨプさんのほうが年上の役でしたよね?

イ・サンヨプ:はい、僕のほうが年上でした。あ~ カン・へジョンさんは最強の童顔ですものね(笑)

―共演はいかがでしたか?

イ・サンヨプ:カン・へジョンさんはサッカーでいうと、本当に頼れるミッド・フィルダーのようです。強弱の調整が本当に絶妙です。たとえば、僕がどんな演技をしようが、それを受けてそのまま返してくれるので、本当に楽でした。最高のミッドフィルダーですよね!

―この上ない賛辞ですね!

イ・サンヨプ:はい、へジョンさん会いたいです~ へジョンさんの娘さんや、タブロさん(旦那さん)にも。

―ミス・リプリーで最も印象深かったシーンとその理由は?

イ・サンヨプ:僕が出演していたからかも知れませんが、済州島でへジョンさんと二人で座って話すシーン、僕はヒジュが好きだけど言えず、ヒジュはユヒョンが好きだけど言えない状況でしたね。そのときの会話がとても心苦しかったです。それで印象深いです。

―もっとも大変だったシーンは?

やはり、夜中に撮影したユヒョンのオフィスシーンですね。僕の待機時間も長く、またセリフも長かった!私が長々としゃべったら、ユヒョンは「だよね」と答え、それから僕がまたワーッとしゃべったら「わかった」と…(大笑)それが最も大変でしたが、最も印象深いです。

―もし、サンヨプさんがミリなら、最後まで嘘をつき通せると思いますか?

イ・サンヨプ:僕ならきっとすぐにバレてしまいます。ミリは、色々な状況が助けてくれたじゃないですか?しかし、僕ならそのような状況を活用できず、すぐにバレますよ、きっと。瞬発力が足りないというか。

―私から見ても嘘は得意ではない感じですね(笑)

イ・サンヨプ:やろうと思えばうまくできますよ~。しかし、周りではバレバレだって言っていました(笑)

―もし、すごく愛している人がミリのようにものすごい嘘をついて、それをわかったとしたら、どうしますか?

イ・サンヨプ:逃げると思います。ひとまず連れて逃げ、その状況から逃れようとしますね、きっと。それから、情報を探りながら、説得すると思います。

―受け止めるということですか?

イ・サンヨプ:受け止めないと、ですね。僕が本当にそれくらい愛していれば。でも、そんなに愛せるのでしょうか。

―逆に、本当に愛しすぎて、愛を得るために嘘をつくのはどう思いますか?

イ・サンヨプ:それは普通にあり得ると思います。虚勢だとか誇張、ぶりっこ…などもある種「嘘」じゃないですか。ただ。度が過ぎてはいけないですね、ミリのように。

―見どころを教えてください。

イ・サンヨプ:一人の女性の嘘が非常に緊迫した状況の中で、噛み合っていき、多数の人々が騙されていく…。ある意味、今の社会と大変似ていると思います。みなさん、なぜあんなに騙されるのだろう?と思うかも知れませんが、美貌など色んな条件がそろった場合は騙されるのではないかと…生きていて騙されたことのない人はいないじゃないですか。
そして、僕の流暢な英語にも注目願います。「エクスキューズ・ミー!」はははっ

―サンヨプさんにとって演技とは?

イ・サンヨプ:演技する度に生き返ると言いましょうか。僕が軍隊にいたころ、照明やカメラ、僕を見つめる人々の視線がすごく恋しかったです。除隊してから現場に戻った時は、本当に生き返る思いでした。それで、僕にとって演技とは、「空気」なんだと思いました。楽しい時も苦しい時もありますが、結局僕は現場が一番好きなんだと思います。

―まさに天性の俳優肌ですね。

イ・サンヨプ:そう言われるためにもっと努力しなくてはと思います。

―最後に、最新情報として、4月に日本での放送が決まっている「レインボーローズ」の展開が気になります。それから、サンヨプさんがどのような役を担当されたかについて教えて下さい。

イ・サンヨプ:話の発端は、韓国のある一家がやむを得ない事情により下宿を始めるところからスタートします。そこに外国人留学生たちが集まり恋が芽生えたりと色々なエピソードが展開されます。
僕は、熱いスポーツ少年ハン・セホを演じますが、自分の生きたいままに生きようとする役です。しかし、運命の相手に出逢い、だんだんと真の男になっていきます。
最初は少年のように、最後は男中の男のように演じようと頑張っています。
なかなか面白いですよ~。

―日本へ行ったら、どこに行ってみたいですか?日本の印象は?

イ・サンヨプ:色々な面白い要素がありました。僕は友人と二人で旅しましたが、大変印象深かったのが…あるラーメン屋に入ったら、店内にいた人々がみんなラーメンを食べながらビールを飲んでいました。韓国では見られない風景だったので真似してみましたが、あの時のラーメンとビールの味がいまだに忘れられません。また行くとしたら、ぜひラーメンにビールしたいですね。

―日本ではどこに行かれたのですか?

イ・サンヨプ:タクシーで色々回りましたが、案外六本木には寄れませんでした。
東京都庁前の温泉?銭湯というのでしょうか。そこに寄ってみたのですが、次回はぜひ本物の温泉に寄ってみたいですね。

―好きな日本文化はありますか?音楽や映画等々…

イ・サンヨプ:僕は木村拓哉さんにすごく憧れています。演技の細やかなところとか… なので、「プライド」は何度も見ました。今は「南極大陸」を撮影されているじゃないですか?今回はどのように演じているのか、本当に見てみたいです。

―韓国に来たファンに韓国を案内するとしたら?おすすめの場所や食べ物など…

イ・サンヨプ:僕は、「参鶏湯」をおすすめしたいです。日本にも似たようなお料理があるかどうかわかりませんが、僕は本当に大好きなので月1回は「トソクチョン」という食堂で必ず食べています。
トンギョ洞の方にありますが、歴代大統領もよく行かれていると聞きました。まず、そこで参鶏湯をご賞味頂き、サムチョン洞のほうに行くと韓国だけの趣を楽しめますのでぜひ足を運んでみて下さい。

―では、好きな女性のタイプは?

イ・サンヨプ:僕は肌が黒いほうなので、できれば色白の女性のほうが好きですね、ははは。性格的には女性らしくおしとやかな女性…僕はたまにとても熱くなってしまう場合があるので、それを落ち着かせてくれるような、癒し系ですかね。

―まさに、「内助の女王」ですね!

イ・サンヨプ:その通りです、はは。

―個人的な質問ですが、普段は何をして過ごしていますか?

イ・サンヨプ:まず、僕について話しますと、良く笑いますし明るいと思います。しかし、嫉妬心はやや強いほうでしょうか。一人息子なので、両親の愛情を独占しながら育ったせいか、他人に対して、よく妬んでしまうところはあります。それから、退屈なのはあまり得意ではないですね。
一人で過ごすときは、運動をしたり…英語を勉強したり、最近は日本語の本も買いました。まだ開始してはいないのですが…(笑) あと、サッカーが好きですね。

―何か学ぶのをお好きなのですね。

イ・サンヨプ:僕が師匠と思っている人は「チャン・ヒョク」先輩ですが、先輩は休み中は常に何かを習っています。僕も先輩から「チョルクォン」というのを教わったのですが… あー、俳優は常に何かを学ばなければならないんだなーと思いました。何もしないでブラブラしていると何だかもったいないですし…。いつもそうしてるわけではないですが…(笑) 一日中寝ているときもありますよ。


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記者 : Kstyle編集部、写真:ハン・クァンホ