ドラマ「ブレイン」何を残したのか?

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写真=KBS
お茶の間を熱くさせたドラマ「ブレイン 愛と野望」がシン・ハギュン、チェ・ジョンウォンのハッピーエンドで幕を下ろした。

17日に放送されたKBS 2TVの月火ドラマ「ブレイン 愛と野望」(ユン・ギョンア脚本、ユ・ヒョンギ演出)の最終回が視聴者を虜にし、有終の美を飾った。「ブレイン 愛と野望」の結末を巡り様々な仮想シナリオが出回るなど、最終回に対する関心が集まったが、ガンフンとジヘの幸せな結末を思わせるようなシーンで、「ブレイン 愛と野望」は温かい雰囲気の中で終わった。2か月の間、視聴者を笑い泣きさせた「ブレイン 愛と野望」が残したものは何か、まとめてみた。


「ブレイン 愛と野望」だけの秘密兵器“神秘的な脳”

放映前から「ブレイン 愛と野望」に集中した最も大きな話題は神秘的な“脳”にあった。テレビドラマでは初めて取り上げる脳という素材が、視聴者の関心を引くには十分であった上、リアリティとフィクションを行き来させながら、絶妙なバランスを保ったエピソードと事件、事故が「ブレイン 愛と野望」をより魅力的にした。

実際に「ブレイン 愛と野望」では視聴者の視線を集めた脳関係の素材が登場し、興味を抱かせた。手術中に患者を起こし、重要な部位を刺激しながら行われる「覚醒手術(awake surgery)」、ガンフンに愛を感じたジヘの輝く「ラブ・ブレイン 愛と野望」、ユジン(キム・スヒョン)の娘、ルビが患う脳疾患「モヤモヤ病」など、斬新であり現実的な脳の物語が視聴者を魅了した。“ガウンを着て恋愛する”形だけのメディカルドラマではなく、新たなメディカルドラマとしての地位を固めたのだ。


シン・ハギュン、チョン・ジニョン「ムービースターの華麗なる帰還」

何より「ブレイン 愛と野望」を輝かせたのは出演俳優陣の高い演技力である。テレビではなかなか見ることのできないムービースターのシン・ハギュン、チョン・ジニョンのファンタスティックな共演は、視聴者から“鳥肌がたつ演技”“旋律するほどの演技”などと絶賛された。特に、シン・ハギュンは「ブレイン 愛と野望」で2011年KBS演技大賞を受賞する力を発揮し、華麗なる帰還を果たし、大衆的な人気も高めた。

さらに、温かい心を持ちながらも、仕事と恋においては堂々で、積極的な新たなヒロインを熱演したチェ・ジョンウォンとこれまでの演技の幅を超える魅力的な演技を披露したチョ・ドンヒョクなどが「ブレイン 愛と野望」を力強く引っ張った。それぞれのキャラクターに溶け込んだ俳優たちの優れた演技力は劇への集中度を高め、視聴者に歓迎された。


韓国を揺さぶった強力な“ブレイン 愛と野望熱風”

「ブレイン 愛と野望」に向けた視聴者の反応はまさに爆発的だった。主人公のイ・ガンフンを演じたシン・ハギュンの虜になった視聴者たちは“ハギュンハギュン”“ハギュンアリ(シン・ハギュンに夢中になること)”“ハギュン神”などの造語を作り出し、“ブレイン 愛と野望熱風”を加速させた。

月曜病を治療したとも言われる“ブヨイル”は「ブレイン 愛と野望」が放送される月曜日と火曜日を通称したあだ名。「ハイキック、脳の逆襲」「脳を抱いた月」など「ブレイン 愛と野望」の主役たちを主人公にした新しいパロディーが次々と作り出され、終いには難易度の高い「ブレイン 愛と野望能力試験」まで作られ、その熱風を実感させた。


共感を超え、感動へ“ヒューマニティの神話”

天下(チョナ)大学総合病院の神経外科を背景にしたメディカルドラマだったが、「ブレイン 愛と野望」は結局、現実の社会を圧縮したような、人生の物語を描き、共感を得た。トラウマを持つ患者であり、医者の主人公たちは、だからこそ“病”に真剣にアプローチし、熾烈な弱肉強食と様々な喜怒哀楽をそのまま反映した。

また、「ブレイン 愛と野望」の人物たちは単なる善と悪の対立ではなく、悟りと和解で成長、変化していく人物、そしてお互いに教え合いながら、共感し、理解する関係として描かれた。これが「ブレイン 愛と野望」を他のドラマと差別化させる特別な理由なのだ。

「ブレイン 愛と野望」の制作会社CJ E&Mは「4か月間の長い道のりが終わった」とし、「これまで『ブレイン 愛と野望』に多くの関心と応援を送ってくださった視聴者に心より感謝します。よりよい作品をお届けします」とコメントした。

記者 : チョ・シニョン