f(x)と少女時代、姉妹の関係に変化?

MYDAILY |

上:f(x)、下:少女時代
SMエンターテインメント所属のガールズグループ、少女時代とf(x)は、お互いに違う道を歩んでいる。少女時代がガールズグループの王道を歩んできたとするなら、f(x)は出発から別の方向を向いていたと言える。そして今、少女時代が音楽的な変化を見せ始め、姉妹グループの関係が変わり始めている。


f(x)はなぜ王道を行かなかったのか?

f(x)という奇妙なグループ名で始まった、クリスタル、ビクトリア、エンバ、ルナ、ソルリの5人のメンバー。彼女らの音楽もやはり、一般受けするものではなかった。デビュー曲である「La chA TA」は、姉グループの少女時代の初作品「また巡り逢えた世界」、さらに年上の姉貴分S.E.Sの「I'm Your Girl」とは大きな違いを見せた。

「I'm Your Girl」のようなスタイルの歌とパステルトーンの衣装で、純粋さや少女らしさをアピールする戦略は、S.E.Sから少女時代に通じる、ガールズグループのデビューの王道だった。ところが、他のガールズグループたちがこのようなお手本通りのデビューをする一方で、なぜかf(x)は同じ道を歩かなかった。姉グループの後光と、SMエンターテインメントという後ろ盾があるため、同じ道を歩いたとしてもある程度の人気は得られただろうが、f(x)という難解なグループ名と同じく、彼女たちの音楽はなじみがなく難解だった。

当然のごとく、ファンの反応も良くなかった。少女時代の「Gee」が大ヒットし、言葉通り“少女時代”が到来した反面、f(x)が発表した「La chA TA」「Chu~♡」「NU ABO」などは、他のガールズグループに比べ残念な成績に終わった。

また「NU ABO」で見せたエレクトロニックサウンドは、一度だけ試された実験的な音楽だと思われたが、その後発表した「ピノキオ」でさらに上の作品を見せた。その時ようやく、この反抗的なガールズグループf(x)が何を求めているのか理解することができた。


少女時代は、今どこに?

少女時代は、ガールズグループの王道を静かに歩んできた。しかし、この道には明らかに限界がある。

純粋なイメージでデビューしてファンたちの注目を集め、はつらつとしたイメージを見せ、記憶に残るメロディーのヒットソングを出し、似たようなコンセプトを2、3回繰り返した後にセクシー路線にイメージチェンジする。

大体このような順序で進められるガールズグループの王道の流れだが、多くのガールズグループたちがセクシー路線へのイメージチェンジ後、それ以上の新たな段階に進めない。

成長したり、セクシー路線になる変化は、ガールズグループが「ガール」と呼べない年齢になると、避けられない選択だった。しかし、このようなイメージチェンジは、デビュー当初の純粋な姿を覚えているファンたちを、新しいガールズグループへと向かわせる結果となった。

少女時代が「Gee」以後、「願いを言ってみて」「Oh!」を経て「Run Devil Run」「Hoot」に至るまで、どこか迷走しているような印象を受けるのは、少女時代もまた、他のガールズグループのようにステージから降りるべきか存続するべきかを選択する時期が近づいてきているからだ。


f(x)と少女時代、姉妹の力を見せて

ならば、少女時代はどのような結論を出したのか。

答えは「The Boys」にある。少女時代は、ガールズグループとしてまだ落ちるわけにはいかない、という意思を「The Boys」という曲で明らかにした。

上:f(x)、下:少女時代
限界に達したガールズグループの、セクシー路線ではない、エレクトロニックサウンドの「The Boys」。少女時代は、今までと全く異なる方向への変化を見せた。少女時代が狙った変化の方向は、「The Boys」のマキシシングルに入ったリミックスバージョンや、日本で発表された「Girl's Generation-The Boys」のリパッケージアルバムの随所に収録されたリミックス曲などに、如実に表れている。

少女時代のこのような変化に「面白い試みだ」という意見もあるが、もともとのスタイルから大きくかけ離れた変化だったため、ファンたちも違和感を覚えている。

しかし面白いのは、少女時代の曲から感じる違和感は、f(x)の初期の音楽から感じたものと似ているということだ。「なぜこのような音楽をするのか?」という気分にもさせるのだが、結局のところ少女時代はイメージチェンジし、f(x)と少女時代が現在の韓国の音楽業界でなじみの薄い音楽を追及することとなった。

問題は、この二つのグループの音楽が世間に受け入れられるのか、という点だ。

幸いなことに、f(x)は既に、自分たちの音楽にある程度慣れてきているようだ。最初はガールズグループに表現できるのか疑問に思われた音楽も、最近では重みが加わった。昨年末のSBS歌謡大祭典で見せたダブステップバージョンの「ピノキオ」は、f(x)が太くどっしりとしたサウンドも十分にこなせるということを見せつけた。

少女時代の急激な変化は、まだ全てのファンの心をつかむことができていない。しかしその反面、最初から違う道を歩んできたf(x)の音楽は、固有のスタイルとして認められている。

そんなf(x)の成功は、少女時代の飛躍につながる。f(x)が自分たちだけのスタイルでガールズグループ音楽に新たなベースを作れば、似たようなスタイルに変化している少女時代は比較的容易にその領域に進むことができる。

f(x)は今まで少女時代とは異なる方向性で、少し寂しいガールズグループとして成長してきたが、今まさに姉グループを手助けをする時が来た。もちろん、f(x)が自分たちの音楽で成功することが前提だ。しかし、これまでのf(x)の成長ぶりを見る限り、それは決して難しいことではないようだ。

2012年、この姉妹ガールズグループのさらなる進化が期待される。

記者 : イ・スンロク、翻訳:村上馨