2AMがダンスミュージックに挑戦したら

10asia |

2AMはバラード歌手であり、アイドルだ。彼らは素晴らしい歌唱力を持ってはいるものの、アイドルとしての立場をキープしなければならない立場に置かれている。
1月にリリースしたアルバム「Never let you go ~死んでも離さない~」で、“感性ドル(感性豊かなアイドル)”と呼ばれ、その雰囲気のままMBC「私たち結婚しました」や「世界を変えるクイズ~セバキ~」のようなバラエティ番組で活躍する彼らの姿が珍しく感じられるのは、バラード歌手とアイドルと接点を探すのが容易ではないからだろう。そのため、2AMがリパッケージアルバムでリリースした「間違っていた」は、グループの活動の幅を柔軟に広げる曲として期待を集めた。
去年の3月15日、ソウル狎鴎亭洞CGVでファンも参加する中、アナウンサーのオ・サンジンの紹介で「間違っていた」のミュージックビデオを公開した2AMもやはり、そのような予感を隠してはいなかった。


2AMだけができるダンスミュージック

「2AMがダンスを披露することは、既に決められていたステップ」と、アルバムをプロデュースしたバン・シヒョクは、報道資料を通じて立場を明らかにした。歌唱力には定評のある彼らが、次のステップとして舞台で何かしらのパフォーマンスを見せるといった彼の計画は、「2AMだけができる独自のダンスミュージック」を通じ、「感性的でメロディカルなアイドルダンスミュージックの復活」を謳歌したいプロデューサーの狙いを反映したものだ。そのため、「間違っていた」はユーロビートをベースにし、オートチューニング(音程補正)を加えたにも関わらず、2AMメンバーの声が前面に押し出されている。悪い男になるのではなく、愛する相手に限りなく尽くすといった雰囲気もやはり、「Never let you go ~死んでも離さない~」と大きく変わりは無い。
メディア用の振り付けも準備されているが、「歌詞のように、ダンサーがまるで操り人形のように私たちを動かすダンスも練習中だ。そして、サビの部分に過ちの赦しを請う動作も振り付けの中に入れた」とチョグォンは言う。この説明によると、やはりパフォーマンス面では全く別のイメージに変えるのではなく、歌のコンセプトを具体化する方向で完成させたと予想することができる。ジャンル的な限界の中で今までの再現をするのではなく、グループのカラーを維持しつつ、ジャンルで想像力を働かせるという彼らの選択は、既存のファンを満足させると同時にグループの可能性を証明するといった点で有利に働くだろう。

安全な道を捨て、あえて冒険してみるという戦略は、現場で公開されたミュージックビデオでも確認することができる。2億ウォンを投資してドラマ風に仕上げられたこの映像は、基本的に「間違っていた」の歌詞をドラマ化している。しかし、それよりも重要な点は、ストーリーの中でメンバーそれぞれにはっきりと架空のイメージが作られているという点だ。
最年長で落ち着いた雰囲気のチャンミンは、アイスホッケーの選手としてキャラクターに重点を置き、スロンはオートバイに乗って登場し、男らしい姿を見せた。そしてチョグォンはクラブDJの華やかな姿に、ジヌンはバスケットボール選手として鍛えられた身体を見せるなど、各自のイメージを投影させた。
とても忠実に表現されたストーリーは、メンバーのキャラクターを引き出すための道具に過ぎない。ミュージックビデオが初めから終わりまで重視して強調したかったのは、各メンバーのコンセプトだ。それは「Never let you go ~死んでも離さない~」の予告映像で、各メンバーのイメージを季節の象徴としたことをさらに発展させたもので、アイドルにとって重要な、個々のキャラクター付けを深めるステップだと分かる。

「間違っていた」は、2AMの次の歩みに重要なステップになるだろう。ミュージシャンとして、そしてアイドルとしての彼らは、新しい扉を開いたのだ。

記者 : ユン・ヒソン、写真:チェ・ギウォン、編集:チャン・ギョンジン、翻訳:平川留里