チョン・ユミ「千日の約束」厳しい言葉に感謝「愛情の反対語は無関心」

TVREPORT |

写真=ソン・ヒョジン
最近、「ドリームハイ」のような青春ドラマを除いて、ドラマ一本でこれほどの人気を集めた俳優が他にいるだろうか。

先月幕を下ろしたSBSのドラマ「千日の約束」のチョン・ユミがそうである。脚本家キム・スヒョンのドラマも、最終回まで自分のセリフがあったドラマも、生まれて初めてだった。毎日が感激の連続だった。このような状況になると「テレビ局の幹部の娘だ」など、根拠のない噂が出ることも多いが、そんな雑音は一切なかった。2003年、バスで北朝鮮に派遣された工作員の人質となった女子高生役で出演した映画「シルミド」(監督カン・ウソク)でデビューしていたことが明らかになり、“中古新人”というあだ名がすぐにつけられたからだ。


「ヒャンギのアメリカ行きで“もう終わりかな”と落胆もした」

チョン・ユミは、5日に公開された映画「ワンダフルラジオ」(監督:クォン・チリン)でもかなり重要なラジオのメイン作家役を演じ、イ・ミンジョン、イ・ジョンジン、イ・グァンスの「3人の李」と共演した。コミカルなタッチであったものの、デビュー後初めてのベッドシーンも撮影した。チョン・ユミは「『千日の約束』のヒャンギとして暮らした5か月は、毎日が誕生日のように嬉しかったです」とシャイな笑顔を見せた。

「サウナに行くと、『ヒャンギでしょう』と挨拶してくれる方がいて、不思議な気持ちでした」という彼女は「ペーパードライバーで車も持ってないから、普段はバスや電車を利用するんですが、この前、あるおばさんが私の手を握って『うちの息子に会ってみない?』と言ってくれたことが記憶に残っています」と、ドラマ出演後に大きく変わった日常生活を紹介した。

「7年間休まずに演技してきましたが、親にはいつも申し訳ないと思っていました。私の親は『娘さん、どこに出演しているの?』と聞かれても、いつも自信のある答えができなかったんです。でも今回、親はとても喜んでくれました。私もこれが小さな親孝行になったかもしれないと思うほどやりがいを感じました」

そして「千日の約束」17話の台本の読みあわせでヒヤッとした経験も話してくれた。台本にはヒャンギがアメリカへ行くシーンが登場し、脚本のキム・スヒョンが「ヒャンギ、これまでお疲れ様」と言ったからだった。チョン・ユミはチョン・ウルヨンプロデューサーに「私、これからどうなるんですか? もう降板ですか?」と確認したそうだ。すると逆に......

写真=ソン・ヒョジン
「監督が『ユミ、降りたいのか』と聞き返してきました。違いますと強く否定したら『ヒャンギはおそらく18話に帰国するよ。最後まで頑張ってね』と言ってくれました。我慢していた涙が出てしまいました。ドラマで私の父役だったパク・ヨンギュさんも一緒に喜んでくれました」

2002年に漢陽(ハニャン)大学の演劇映画科に入学した彼女はキシリトールガムや大韓航空のCMモデルとして活動した。オーディションを受け、学科の先輩であるソル・ギョング主演の映画「シルミド」にも参加した。「全羅北道(チョルラプクト)の扶安(プアン)でソル・ギョングさんや、チョン・ジェヨンさんなどの先輩たちと楽しく撮影しました。でも、バスが爆破される前に悲鳴をあげた私の生まれて初めてのセリフ『きゃー』は、カットされてしまいました(笑) いつか、先輩たちみたいに素敵な俳優になろうと決心したきっかけでした」


「ユ・ジェソクさんの結婚の知らせに胸が痛む」

「千日の約束」でヒャンギがあまりにも優しい性格だったため、キム・レウォンの純愛を邪魔したのではないかという分析について意見を聞くと、最も真剣な口調で話を続けた。「私は台本に書かれている通り演技しますが、そんな意見があったのも事実です。自分で意図したことではないけれど、キム・レウォン兄さんにあまりにも申し訳なくて、ドラマの初めに予定されていたインタビューも全部断りました。レウォン兄さんは腰が悪くて大変だったのに、現場ではむしろ私が面倒をみてもらっていました。人として器がとても大きい印象を受けました」と話した。

映画「ワンダフルラジオ」のクォン・チリン監督とは、映画「シングルズ」以来の2度目の作業。チョン・ユミは「数年ぶりに再会した監督がいきなり、『シングルズ』の時に、私の唯一のセリフをカットしてすまなかったと言ってくれました。監督は素晴らしい記憶力の持ち主かも。今回の映画でも俳優たちにアドリブを多く要求していました」と笑った。

チャン・ドンゴンより、ユ・ジェソクの結婚ニュースを聞いた時に「もっとも胸が痛かった」というチョン・ユミは、「時代劇の『トンイ』を撮影する時、遠くからユ・ジェソクさんを見たのですが、それだけで顔が真っ赤になってしまいました」と告白。「ワンダフルラジオ」でカップルとして出演し、親しくなったイ・グァンスが「ジェソク兄さん」と仲良く電話している時は、イ・グァンスを尊敬するとも話した。

「これからコメディやシットコム(シチュエーションコメディ)、ホラーにも挑戦してみたい」と言うチョン・ユミは「『千日の約束』を通じて演技の魅力に目覚めました。このまま進んでもいいのかと悩んだ時もあったけど、自分の好きなことを職業にできるようになった今、言葉で表現できないくらい幸せです」と明るく笑った。

外で遊ぶより家でゆっくりしている方が好きだという彼女は「野菜ジュースをくれるだけだった母ですが、最近はいろんなサプリメントをくれるようになりました。鉄分供給や血液の循環をサポートする様々なサプリメントがテーブルにいっぱいです」と笑った。

写真=ソン・ヒョジン
「つらくなるたびに、初めて台本の読みあわせ練習をした時のときめきを忘れるな、というパク・ヨンギュさんの言葉が頭に浮かびます。『千日の約束』を初めて撮影した日、時間に追われて集中できていなかった私に、イ・ミスクさんが『ユミ、しっかりして』と厳しく言ってくれました。それも感謝しています。愛情の反対語は無関心じゃないでしょうか。お二人が私を導いて下さいました。『千日の約束』を通じて、素晴らしい親に出会い、お金持ちになった気持ちです」

大学時代に、男性を紹介してもらった経験が一度しかなかったというチョン・ユミ。それは彼氏がずっといたということかと聞くと、彼女は「オーディションに夢中で、恋愛をする心の余裕がなかったんです。今もいないけど、もし『千日の約束』を観て元カレが連絡してきても遠慮したい」と大きく笑った。

記者 : キム・ボムソク