“かわいそうなキャラ”専門女優、シン・セギョンに必要な処方箋は?

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女優のシン・セギョンは2011年、映画とテレビドラマの両方で右に出るものはいないほどの活動した。しかし、いつもどこか似たようなキャラクターを選ぶシン・セギョンの未熟な演技力に、もどかしさを感じた。彼女が出演したSBSの時代劇「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」(以下「根の深い木」)は話題になったものの、彼女自身は成長した演技力を見せることができなかったという評価が多いのも事実だ。今、彼女にもっとも必要な処方箋は何か。


かわいそうなキャラ専門?

シン・セギョンは2010年、MBCのシットコム(シチュエーションコメディ)である「明日に向かってハイキック」に出演し、一気に人気を獲得した。同ドラマで彼女はユン・シユンの家に住み込みで働く家政婦役で、妹とともに出稼ぎに行った父をひたすら待つ主人公を演じた。叶わぬ恋とは知りながら、最後までチェ・ダニエルを思い続ける可哀そうなキャラクターだった。

「根の深い木」では下男の娘、ソイを演じた。ソイは後に女官になるが、幼い頃に親を亡くし、トルボック(チャン・ヒョク)とも別れた後も、くじけず一人で生きていく人物だった。しかし、結局ソイは現実の壁にぶつかり、愛する人を目の前にして亡くなってしまう。

そんな薄幸のキャラクターばかり演じてきたシン・セギョンは、3月から放送されるドラマ「ファッションキング」で、ガヨンというキャラクターを演じることになった。ファッション業界で成功を収める人物だが、やはりドラマの序盤は貧乏な設定である。彼女が今回のドラマで、デビュー後についた「可哀そうなキャラクター専門俳優」というレッテルを剥すことができるのか、注目される。


未熟な演技力、成長するのはいつ?

「ハイキック」の後にシン・セギョンが選んだのはイ・ヒョンスン監督の映画「青い塩」だった。この映画で彼女は美貌の殺し屋で、ソン・ガンホの相手役を演じたが、存在感をアピールすることはできなかった。国民的俳優とも呼ばれるソン・ガンホとキャスティングされたことで話題にはなったものの、いざ公開してみると期待を裏切る演技に、シン・セギョンの限界が見えただけだった。映画界では「この映画はシン・セギョンの演技練習のための高額プロジェクトだった」という冗談まで出回るほどだった。同映画は商業面や作品性、いずれも高く評価されず、早々に幕が降ろされた。

「根の深い木」も水木ドラマでトップとなり大ヒットしたが、シン・セギョンは他の登場人物であるハン・ソッキュ、チャン・ヒョク、ユン・ジェムン、チョ・ジヌンらの引き立て役となり、彼女自身の魅力を見せることができなかった。さらにシン・セギョンの演技は、ほぼ無表情かあるいは陰りのある表情一色だったので、多様な演技力が見られず残念だった。

果たしてシン・セギョンは、歳相応のトレンディドラマ「ファッションキング」で、これまで見せられなかった、ハツラツとした魅力を発散できるのだろうか。

記者 : ファン・ソヨン